ナタリー PowerPush - AOMORI ROCK FESTIVAL '12~夏の魔物~

野望実現! 成田大致×吉田豪

青森県唯一のロックフェス「AOMORI ROCK FESTIVAL '12~夏の魔物~」が今年も開催される。「夏の魔物」は、2006年当時まだ高校生だった成田大致(なりただいち)が個人で企画し立ち上げたフェスで、今年はロックバンドからアイドル、プロレスラーまで総勢80組を超える幅広いラインナップが予定されている。

そして同じく成田大致が率いるエンタテインメントユニット・SILLYTHING(シリーシング)は9月19日に1stアルバム「cross wizard」をリリースした。こちらも多くのゲストアーティストが参加し、初アイテムながら意欲あふれる作品として注目を集めている。

各方面に話題を振りまき、疾走を続ける成田大致とはいったいどんな人物なのか。“プロインタビュアー”吉田豪が訊く1万8000字ロングインタビューがここに実現した。

取材・文 / 吉田豪 インタビュー撮影 / 上山陽介

 
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成田大致=金持ち説の真実

──今年、ボクは杉作J太郎先生とのいつもの無駄話をしに青森まで行くんですけど、前から「夏の魔物」のオファーはあったんですよ。田代まさしさんが「夏の魔物」に出演したとき(2009年)も、「コメントください、タダで!」っていうメールが来たりして(笑)。

インタビュー写真

成田大致 すいません!

──だからガッツのある若者なんだなっていう印象はあったんですよ。知り合いとかだったら全然やりますけど、「……え、面識もないのに?」っていう(笑)。

大致 ……ホントすいません!

──で、今回はちゃんと出演オファーがあって出演することにしたら、すぐに「SILLYTHINGのPVを撮るんで出てください」ってメールが来て、また「面識ないのに?」っていう(笑)。そしてボンヤリと「クイック・ジャパン」を読んでたら、SILLYTHINGのインタビューがあって、今後の野望一覧みたいなのに「ナタリーで吉田豪インタビュー(指名)」って書いてあって。断ろうと思ったんですけど、指名された以上はしょうがないから来てみました。

マネージャー 申し訳ないです。わざわざ墓穴掘りに来たとしか思えないのですけど……。

──そんなわけで本題に入ると、「夏の魔物」っていうイベントの噂はずっと聞いてたんですよ。青森のお金持ちの少年がやってるらしいとか、お金持ちが実家の山を切り崩して運営しているらしいって噂だけは聞いてて。これはホントなんですよね?

大致 まあ、嘘でもないしホントとも言い切れないし。言ってしまえば、ウチはおじいちゃんもお金持ちだしっていうのはあるんですけど。山を切り崩してとか土地をアレしてとか、いろいろあって。……これ載せられんのかな?

──載せますけどね(笑)。お金持ちって、どれくらいのレベルなんですか?

大致 結構、普通だと思うんですけどね。

──普通の基準が違うと思うんですよね。どんな普通だったんですか?

マネージャー 週に5回焼肉屋行けるぐらいの金持ち。

大致 まあ、普通じゃない?

マネージャー 全然普通じゃないだろ!

大致 帰ったら家が増築されてたりとか、よくありますね。

──土地がいっぱいあるんですか?

大致 土地はまあ、おじいちゃんがたくさんもってるし、お父さんは不動産業してるし。この前も青森帰ったら、家がまた大きくなってましたね。

マネージャー 節目があるごとに部屋が増えてってる感じだよね。

──それが普通だっていう認識なんですか? ちょっと普通じゃないかもなっていう思いもあります?

大致 普通だと思ってたら、あんまり普通じゃないのかなっていうのは最近思いました。

──最近まで気付かなかった(笑)。

大致 はい。

アグレッシブな両親&おじいちゃん

──どんなご両親なんですか? ロックが好きだったみたいな話はしてましたけど。

大致 今回のアルバムとかも、親父が好きなジュリー(沢田研二)のアルバムに……今回のアルバムのことって豪さん何も知らないですよね。

──いや、ボンヤリとは知ってますよ(笑)。

大致 (忌野)清志郎さんとか鮎川誠さんとかすげえゲストが参加してるジュリーのアルバムがあるんですけど、それを小さいときに聴いてたんですよ。ホントに最初のロック原体験ってTHE BLUE HEARTSとかよりも、それな気がするんですよね。なので、それが今自分でやりたいことに結びついてるのかなと思って。親も悪ノリする人だったんで。

──どんなふうに?

大致 1回目の「夏の魔物」(2006年)のときも、普通反対するじゃないですか。

──当然。10代で巨大なロックフェスを開催するわけですからね。

大致 もちろん反対はしたんですけど、鮎川さんが出るって言ったら、まず「嘘だろ?」って言われて。そうじゃなくて鮎川さんから電話が来てこうこうこうだって言ったら、「これはもう引き下がれないだろう」っていうことでゴーサインが出たんですよ。

──つまり、鮎川誠が出るならやるしかないっていう。

大致 はい。反対はしますけど、結果は全部そういうふうに。

──「夏の魔物」のコンセプトとして、ベテランミュージシャンも入れてロックの歴史がわかるようにするってこともあるみたいですけど、それはご両親を説得するための手段とか?

大致 いや、別にそれはないですけど(笑)。

──とりあえず両親がノリやすくはなると思うんですよ。「え、今年は(内田)裕也さん出んの!?」みたいな(笑)。

大致 まあ、それは毎年言ってます、「PANTAさん出んのか!」とか。

──「じゃあ、また山を崩さなきゃいけないな」ってなる気はしますね(笑)。

大致 そうですね。

マネージャー 三上寛さんもそうでしょ。

大致 そうだね、寛さんとは昔からずっと仲良いし。

マネージャー おじいちゃんが「絶対に出せ!」って言って。

──おじいちゃんが「三上寛を絶対に出せ」と(笑)。

大致 絶対。寛さんについては毎年ウチのおじいちゃんとサシで、到着時間から本番ちょっとやって、イベントが終わるまでずっと寛さんとじいちゃんが2人で飲んでるっていう謎の光景が。

──普通に仲良し(笑)。

大致 はい。寛さんに昔、喫茶店で一緒にごはん食べて「娘と結婚しろ」とかも言われてて。

──えっ!

大致 娘さんとは初対面なのに。

──かわいいんですか?

大致 まあ、普通でしたね(笑)。そういうこともありました。

小学生でプロレスとTHE BLUE HEARTS

──家系的に、普通と言いながらも変わった血筋ではあるわけですね。

大致 変わってんじゃないですかね。

マネージャー 俺、初めて遊んだときに、こいつの父ちゃんが「ちょっと出かけてくるわ」って言って、タクシーじゃなくて普通の車を呼び出して、何枚か札をパッと投げて。こういう家なんだなって思いました(笑)。

大致 いやいやいや。まあ、こいつとはずっと仲良くて。初めてフジロックに行ったときも、俺は1人で行くつもりだったんだけど、親が一緒に行けとか言って、こいつのフジロック代も全部出して一緒に行って。

マネージャー まあ俺は友達だとは思ってないんですけど。言うほど悪いヤツでもないですよ。度がすぎるバカってだけで。

──そうやって一緒に行動しながら、なんかおかしいけれども行動力だけはあるっていうことを目の当たりにして。

マネージャー はい、ホントに。

──その物怖じしない感じはどこから生まれたんですかね。とりあえずやっちゃえっていうか。

大致 プロレスが好きだからじゃないですかね?

──そんなシンプルな話なんですか(笑)。

大致 はい(笑)。だと思うんですよね。まあ、ずっとプロレスが好きで、常にプロレス頭で考えてきたらこうなった、と。

──小学生ぐらいから好きだったんですか?

大致 そうですね。最初は(アントニオ)猪木が(ビッグバン・)ベイダーとやったときかな。

──猪木の引退カウントダウンですかね。

大致 もっと前のです。ビデオで観てたのかな、2歳のとき、親父とかと観たのが原体験で。で、なぜか遊んでたゴムボールが全日(本プロレス)のサインボールだったりとかして。それで、1997年の高田(延彦)vs. ヒクソン(・グレイシー)戦で高田が負けたじゃないですか。ショック受けて。

──その時点で高田というかプロレス側に思いっきり感情移入するレベルではあったんですね。

大致 はい。

──当時、小学生?

大致 小学校のときですね。元々お母さんの方のおじいちゃんや、従兄弟とかもプロレスキチガイで、ずっとプロレスの話したり、ビデオ観たりとかして。だから高田のときはショックで。かつ、あのときに「エヴァンゲリオン」とかもあって、いろんなショックが連続した時期だったんですよ。

──いろんなものが崩壊するような感じで。

大致 はい。で、そこから学校をサボるようになって。ずっと家で「ファイプロ」(ファイヤープロレスリング)やって、ヒクソン、いやニクソンをプロレスラーで倒して、「エヴァ」で補完されなかった部分を「スパロボ」(スーパーロボット大戦)でやって、「おお、これを見たかった!」みたいな感じで小学校を過ごしてて。

──レスラーになりたいと思ったことは?

大致 いや、なかったですね。常に観客っていうか運動音痴なんで。それで同時にTHE BLUE HEARTSと出会ったんです。それがホントに同時多発みたいな。

AOMORI ROCK FESTIVAL '12~夏の魔物~

2012年9月22日(土)
青森県 東津軽郡平内町夜越山スキー場
OPEN 6:30 / START 7:00

AOMORI ROCK FESTIVAL '12~夏の魔物~ ポスター

<出演者>
内田裕也&トルーマン・カポーティR&R BAND / 神聖かまってちゃん / スチャダラパー / 在日ファンク / DJ BAKU / SIMI LAB / 曽我部恵一BAND / フラワーカンパニーズ / Hermann H.&The Pacemakers / ZONE / ブリーフ&トランクス / 藍坊主 / アーバンギャルド / 0.8秒と衝撃。 / avengers in sci-fi / OGRE YOU ASSHOLE / bloodthirsty butchers / KING BROTHERS / SCOOBIE DO / キノコホテル / ザ50回転ズ / LAUGHIN' NOSE / ニューロティカ / 人間椅子 / バンドTOMOVSKY / 武藤昭平 with ウエノコウジ / THE NEATBEATS / 騒音寺 / 夜のストレンジャーズ / 三上寛 / でんぱ組.inc / BiS / しず風&絆~KIZUNA~ / アリス十番 / アップアップガールズ(仮)/ ULTRA-PRISM / 石鹸屋 / 流田Project / SEBASTIAN X / パスピエ / タルトタタン / 東京カランコロン / 嘘つきバービー / 踊ってばかりの国 / 撃鉄 / 住所不定無職 / SAKANAMON / KETTLES / 忘れらんねえよ / THE★米騒動 / hotspring / ボトルズハウス / ソンソン弁当箱 / 本棚のモヨコ / TEENAGER SEX LESS / ヒロシ / 吉田豪×杉作J太郎 / あやまんJAPAN / DJ ダイノジ / DJ 掟ポルシェ / DJ 桃知みなみ / DJ 鹿野淳 / DJ サミー前田Tribute to Fuckin'Great YUYA! / DJ FREE THROW(弦先誠人、神啓文、タイラダイスケ) / DJ TOKYO BOOTLEG / MC.アントーニオ本多 / DDTプロレスリング / ほもいろクローバーZ / SILLYTHING+鈴木秋則(ex.センチメンタル・バス)+ハジメタル(ex.ミドリ)+prkr(PF AUDIO)+ケンドー・ツ・シマ(dry as dust)+大内ライダー(太平洋不知火楽団)/ PANTA(頭脳警察)with 菊池琢己 / まつきあゆむ / うみのて / 大森靖子 / THE××ズ / 加藤鷹トークショー / うしじまいい肉撮影会 / バンドマンのすべらない話 / 大内ライダー(太平洋不知火楽団)presents 特撮座談会 / うさぎのなみ平 / DJ 歴ドル 美甘子 / DJ 庄司信也 / HERE COMES A NEW CHALLENGER SUPER NATSUNO MAMONO FIGHTER ZERO

[DDT提供t試合]
飯伏幸太+KUDO+大石真翔(ex.ほもいろクローバーZ)VS. 高木三四郎+アントーニオ本多+中澤マイケル スペシャルゲスト:ヨシヒコ