音楽ナタリー PowerPush - Lead
上昇気流に乗った3人が明かす13年目の決意
Leadの通算24枚目のシングル「想い出ブレイカー」がリリースされた。昨年4月に現在の3人編成になってから発表した3枚のシングル(「Upturn」「GREEN DAYS / strings」「サクラ」)がそれぞれオリコン週間ランキングで5位、4位、3位と着実に順位を上げている彼ら。勢いが加速する中ドロップされる今作は、どこか懐かしさを感じさせるロックンロールダンスチューンに仕上がっている。またカップリングにはメンバーそれぞれが楽曲制作に関わったナンバーを収録。1つの楽曲に散りばめられた3つのキーワードをもとに、3人それぞれが恋のストーリーを展開させ、異なる恋の結末を描いた意欲作だ。
今年7月にデビュー12周年を迎えた彼らは今、どこに向かおうとしているのか。これまでの活動を振り返りつつ、現在のLeadの魅力、そして新作の聴きどころについて谷内伸也、古屋敬多、鍵本輝に話を聞いた。
取材・文 / 西廣智一 撮影 / 佐藤類
いろんな結果がチャンスにつながった今
──ここ最近のLeadを見てると、すごくいい波が来てるように思うんですが。
鍵本輝 今のところ、肌で感じるほどの実感はないですね。でもメンバー内の士気は昔よりも高まっていて、もっと上に行こうっていう思いは現在進行形でどんどん強くなってます。
古屋敬多 ここ数作、チャートのランキングがちょっとずつ上がってきてるのもあるので、そう感じてもらえてるのかもしれないですね。でもそれは応援してくれてるファンの皆さんのおかげであって。常に感謝してますね、どんなときも。
谷内伸也 そういった結果が、例えばテレビ番組への出演とか、今年で言ったらフェス出演とか、そういうチャンスにもつながってきてるのかなとは感じてます。
──もちろん長く続けていると、いいときばかりではないと思います。Leadの12年にわたる活動の中で一番キツかった、一番ピンチだったのはいつ頃でしたか?
鍵本 「HURRICANE」(2011年8月発売のシングル)の前ですかね。
谷内 その頃はシングルを年に1枚出せるか出せないかっていう時期でしたから。
古屋 本当にリリースも危うい状況で。スタッフさんも熱い方ばかりでしたけど、予算とかいろいろあったと思うんです。
谷内 作りたくても作れないっていう。
古屋 うん。そういう気持ちに応えたいと思いながらも、どうすれば結果が出るんだろうっていうのをみんな考えてたのが、その頃ですね。
──そのときは何が一番必要だと思いましたか?
鍵本 正直、当時は1つになってるようで全然まとまってないっていう状況で、みんな気持ちがバラバラだったと思うんですよ。メンバーそれぞれが別の方向を向いていて。だけどグループでやる以上、みんなで1つの目標に向かっていかなきゃいけない、もう一度団結しようって、メンバー同士で話し合いまいた。
──タイミングとしてはデビュー10周年の直前ですもんね。
谷内 そうですね。その頃が一番厳しかったです。
古屋 そして2012年の10周年は節目でもありますし、そこでいったん初心に戻って、応援してくれてるみんなのことをちゃんと大切にしようよって。それはすごく大きかったですよね。そのときに10周年ライブをやらせてもらって、今までのシングル曲を全部並べてやったんですけど、デビュー当時の初々しかった自分たちを思い出して、ちょっと泣きそうになりながらライブをしてました。
鍵本 確かにいろんな方々に支えられてきたんだなってことは改めて感じましたね。ここまでいろんなことがありましたけど、自分たちだけではここまで来れなかったし、どんなときも離れずにいてくれたファンの方やスタッフさんがいたからここまで来れたんだと、10周年ライブで感じましたね。
古屋 離れずにずっと応援してくれてる人たちがいる一方で、離れていった人たちもいたりして。でも最近、戻ってきてくれてる人たちが、けっこういるんです。握手会のときに「10年ぶりに来ました」とか、そういう再会もありますから。
谷内 うれしいよね。
作詞作曲でもっと自分の素の部分を出したい
──この12年、3人それぞれがLeadというものをもっと強いグループにしていくために、それぞれが個性を磨いてきたと思います。特に最近では皆さんが作詞や作曲を手がけた楽曲も増えてますし。
鍵本 一番それぞれの色を出しやすい場所ではありますよね、音楽って。個々のキャラクターが鏡写ししたみたいにそっくりそのまま出てきたのが、「想い出ブレイカー」のカップリング曲なんじゃないかと、聴いて思いました。
谷内 作詞や作曲をするとファンの方もいろいろ反応してくれるんです。僕たちの考えに共感したとか、そういう考え方は意外とか、落ち込んでたけど元気になったとか、いろいろ意見を聞いてると書いてよかったなと思えますし、もっともっと自分の素の部分を出したいなという気になります。
──そもそも皆さん、自分で作詞や作曲することになるなんてLeadを始める前から考えてました?
古屋 中2でデビューしたんで、自分の考えをつづるのは学校の作文くらいしかなくて(笑)。作詞したいという気持ちは当時からあったんですけどね。デビューしてすぐくらいからラップパートは自分たちで書いてたんですよ。
谷内 メンバー内でテーマを決めて書いたり。例えばドラえもんだったら、ドラえもんについてラップをして(笑)。そういうのはよくやってましたね。
古屋 詞にしても経験しないと書けないことだらけだと思うんです。やっぱりいろんな影響を受けた答えが作詞というか。今回のカップリング曲もその影響はおのおのあると思うんですけど……自分の作品(初回限定盤C収録の「線香花火」)はまったくの作り話というか。
──えっ?(笑)
鍵本 今、経験って話してたじゃん!(笑)
谷内 経験しなきゃ書けないって言ったじゃん!(笑)
古屋 ちょっと言ってること変わっちゃいましたね(笑)。今回は初めて想像だけで書いてみようと、あえて挑戦してみました。まず自分の中に「線香花火」っていうテーマがあって、このシチュエーションだったら自分ならどう思うかな、どう行動するかなって想像しながら書いて。そういうのもやっぱり経験が活きてくると思うんですよ。
──確かに、過去の経験の蓄積がないと書けないでしょうし。
古屋 ですよね。Leadを12年やってなかったら、この作品も書けてなかったと思うし……うまくまとまりましたね、これ(笑)。
鍵本 無理やり着地させてもらった感あるぞ(笑)。
谷内 想像も自分の中にある考えを具体化したものですし、嘘ではないですよね。
古屋 そう考えたら、もっといろいろ書けそうな気がしてきた……(笑)。
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- ニューシングル「想い出ブレイカー」 / 2014年9月17日発売 / ポニーキャニオン
- 初回限定盤A [CD+DVD] / 1850円 / PCCA-04102
- 初回限定盤B [CD+DVD] / 1850円 / PCCA-04103
- 初回限定盤C [CD] / 1500円 / PCCA-04104
- 通常盤 [CD] / 1000円 / PCCA-70414
初回限定盤A CD収録曲
- 想い出ブレイカー
- Summer Love Story
- 君と歩く未来 ※谷内伸也 作詞&RAP制作
- 想い出ブレイカー (Instrumental)
- Summer Love Story (Instrumental)
- 君と歩く未来 (Instrumental)
初回限定盤A DVD収録内容
- 想い出ブレイカー Music Video
- 想い出ブレイカー Music Video OFF SHOT
初回限定盤B CD収録曲
- 想い出ブレイカー
- Summer Love Story
- Fairy tale ※鍵本輝 作曲&トラック制作
- 想い出ブレイカー (Instrumental)
- Summer Love Story (Instrumental)
- Fairy tale (Instrumental)
初回限定盤B DVD収録内容
- 想い出ブレイカー Music Video Dance Ver.
- Making & Interview
初回限定盤C CD収録曲
- 想い出ブレイカー
- Summer Love Story
- 線香花火 ※古屋敬多 作詞
- 想い出ブレイカー (Instrumental)
- Summer Love Story (Instrumental)
- 線香花火 (Instrumental)
通常盤CD収録曲
- 想い出ブレイカー
- Summer Love Story
- 想い出ブレイカー (Instrumental)
- Summer Love Story (Instrumental)
Lead(リード)
谷内伸也、古屋敬多、鍵本輝からなるダンスボーカルユニット。谷内、古屋、鍵本、中土居宏宜の4人で2002年7月にシングル「真夏のMagic」でメジャーデビューを果たす。切れのあるダンスパフォーマンスを前面に打ち出しファンを魅了し続けるも、2013年3月をもって中土居が卒業。同年4月より現在の3人で活動を続け、「Upturn」「GREEN DAYS / strings」「サクラ」といったヒットシングルを連発する。また谷内と古屋は作詞、鍵本は作曲&トラックメイキングにも挑戦するなど、アーティストとして活動の幅を広げている。2014年9月に24thシングル「想い出ブレイカー」をリリース。