ナタリー PowerPush - 井上ジョー
痛快ロック一本勝負! 新たな挑戦をみせる2ndアルバム
ミキシングは永遠に終わらない旅
──そういえば、ジョーさんのアルバムでは既発曲を収録する際バージョンを変えていますよね。これもリスナーにとってはうれしいポイントだと思います。
基本的に全部ミックスをやり直してます。例えば「GO★」で2サビの後シングルバージョンでは聴こえにくかった部分があるんですけど、そこのボリュームをグイッと上げて何言ってるかわかるぐらいにしたり、無駄な音を省いてシンプルにしたりしました。「LIGHTS」は歌い直しもしたし、ドラムも録り直したし。
──かなり大胆に変えてるんですね。ミキシングって一度やって満足するものにはならないんですか。
ミキシングは本当に終わらない旅で、その時々の自分のテンションによるところもあるんで、たぶん永遠に変わってきます。納得するまでやり出したらキリがないだろうな。自分以外のミキシングエンジニアが手がけたものも含め、聴くたびに新しい発見があって「あぁ、あそここうしときゃよかった!」「こうやっとけば丸っきり違ったな」って毎回思うので、ひとつずつ活かして常に進化していきたいです。
──終わりがないながらも、これで完パケ! ってOKを下す基準みたいなものはあるんですか?
締め切りですね。(即答)
──あはは(笑)。
期限まで思いっきりやる。それでケジメつけます。
──じゃあ締め切りがなかったらいつまでもやっちゃう?
はい。危険です。たぶん2カ月に1曲ぐらいのペースになっちゃいますね。締め切り直前で出る火事場のクソ力があるからこそ4曲目の「The Journey」も生まれたんです。締め切りがないと、やってるうちに別の曲が浮かんじゃってそっちにいっちゃうタイプですね。
最近のマイブーム~海の魅力
──じゃあここからはプライベートなお話なんですが、ジョーさんの最近ハマってることをいくつか教えてください。
んー、俺音楽作る以外何してるかな……。あ、ひとつは最近ジムで筋トレ始めましたね。ライブでよりよいパフォーマンスするためにスタミナつけたいなってことで。あと、気になるアーティストがいたらコンサート行くようにしてます。やっぱりハンパないくらい刺激もらいますよ。
──例えばどんなライブに行くんですか?
最近だと洋楽でSET YOUR GOALSってバンドのライブに行きました。とにかくドラマーが力強くてうまいんですよ! なんかわかんないけど、いつもボーカルそっちのけでドラマーばっかり見ちゃうな。うまいドラマー見てると、自分がライブで弾いてるのはギターですけど、ロックしてぇ! って思うんですよ。
──なるほど。やっぱり音楽にかかわることが多いですね。
あとはですね、今年の夏はサーフィンをしにいろんなところに出かけました。地元でもやったし、日本の海も結構行きましたよ。葉山とか行ったんですけど、波がまったくないときとかはもう脱いで入るだけ(笑)。
──サーフィンは小さい頃からずっとやっていたんですか?
いや、中学ぐらいにブギーボードから始めて、高校になってからサーフィンに。なぜか、ちっちゃいときから“男はギターとサーフィンできなきゃダメだ”っていう変な観念が自分の中にあって。カリフォルニアならではのものなんですかねー。
──はははは(笑)。
なんか僕の中で、海と音楽って密接につながってる気がしてまして。素晴らしい曲を書くと頭の中にビーチが浮かんだり、海で遊ぶために仕事がんばろう! みたいなモチベーションで動いてたりするんです。
──やっぱり海が身近にあるロサンゼルスで育ったことが大きいんですかね。ジョーさんの考えるロスの魅力ってなんですか?
それはもう太陽と海でしょう。曇ってるときはなんも良いことないです、曇ってたら東京にいたいです(笑)。太陽と海のエネルギーをもらいに地元に戻ってリチャージして、またがんばっていきたいですね。
CD収録曲
- Can you hear me?
- 風のごとく -B.B.B. ver.-
- HOME
- ふたりでひとり / The Journey
- ANIMAL feat. Yoko Yazawa
- キミゴコロ
- LIGHTS -Album Ver.-
- GO★ -Album Ver.-
- CLOSER -English Ver.-(ボーナストラック)
- ハロハログッバイ(ボーナストラック)
初回盤DVD収録内容
- MUSIC VIDEOS
- 「風のごとく」「GO★」「HOME」Directed by JOE INOUE
- Valentine's Day Special Acoustic Live
- MAKING OF "HOME"
井上ジョー(いのうえじょー)
1985年生まれ、アメリカ・ロサンゼルス出身。ソングライティングに加え、楽器やアレンジなどすべて自ら手掛がけるマルチアーティスト。日本人の両親のもとで、日本のポップカルチャーとアメリカの音楽シーンに触れて多感な時期を過ごす。学生時代にオリジナル曲の制作を開始し、2006年に初の日本長期滞在を経験したことを機に、日米を往復しながらの音楽活動を展開する。2007年9月に1st EP「IN A WAY」をリリースし、2009年4月には1stフルアルバム「ME! ME! ME!」を発表。カラフルな新感覚のミクスチャーサウンドがコアな音楽ファンからも評価されている。