ナタリー PowerPush - ハンサムケンヤ
本当にハンサム!? 京都から来た謎の新星
あなたは「ハンサムケンヤ」をご存知だろうか。彼は京都に住む23歳のシンガーソングライター。今年大学を卒業したばかりのハンサムケンヤは、大学時代のバンド仲間が立ち上げたインディレーベル・古都レコードの第1弾アーティストとして作品リリース&ライブ活動を行っている。名前のインパクトもさることながら「現実社会を風刺しながらも、折り合いをつけて生きていく」という歌詞スタイルと高い作曲能力には、今大きな注目が集まっている。
このインタビューでは、まだ謎の多いハンサムケンヤの全貌を解明するべく、詳細なプロフィールトークを展開。彼のオフィシャルサイトに掲載されているバイオグラフィを資料に、時系列に沿ってハンサムケンヤの生い立ちを訊いた。また、古都レコードの社長・新井ポテトも同席。友人である彼にもハンサムケンヤの由来や魅力について熱く語ってもらった。
取材・文 / 鳴田麻未
「カッコいいケンヤ」って自称してるわけじゃないんです
──まずは「ハンサムケンヤ」というアーティスト名について訊いていいですか? なぜこの名前なのか、きっと誰もが気になっていると思うので。
新井ポテト いきなり僕が喋っちゃうんですけど、僕が付けたんです。
ハンサムケンヤ はい。
──ケンヤさんのことをハンサムだなと思って命名したんですか?
新井 いや、そうは思ってないんです。
──え?
新井 これは「カッコいいケンヤ」って自称してるわけじゃなく、1つの新しい単語として考えてほしいんです。
──「ハンサムケンヤ」、7文字で1つの単語?
新井 はい。ハンサムケンヤの「ハンサム」自体にさして意味はないというか。まず最初に「ハンサムなのかどうなのか?」って食い付いてくれればそれはそれでいいと思うんですけど、多分後々その意味は薄れていくんじゃないかなと。
注目されてうれしいタイプ
──ではアーティスト名の真意を明らかにしたところで、ケンヤさんの生い立ちについてオフィシャルサイトのバイオグラフィを元に迫っていきたいと思います。そもそもこの公式プロフィール、誕生から今日までが年ごとに細かく書いてあってビックリしたんですが、なぜこんなに詳しい経歴を公表しているんですか?
新井 僕らインディーズなんだし、とりあえずなんでも全部載せとけっていうことで。これ書いたの、ケンヤ本人なんですよ。
──なるほど。それでは幼少期のことから追っていきましょう。「1987年10月30日生まれ」「徳島で生まれた後、すぐ熊本へ」。5歳で絵画を習い始め、6歳でピアノを習い始め、11歳で野球部に入る、と。
ケンヤ 親が教育熱心だったので、芸術も運動もしろっていろいろ習わされて。当時は嫌々でしたけど、今思えばすごい良かったなと思ってますね。音符が読めたり、絵を描くときに骨格や表情を意識して描くことができたり、芸術の基本みたいなことを小さいうちに習えて感謝してます。
──学校の成績はどうでしたか?
ケンヤ その習い事をしてたから図工と音楽だけは良かったですね。あと、小学校で各クラスが演奏する音楽会ってあるでしょ。あれって大半の人が鍵盤ハーモニカで、数人がアコーディオンで、グランドピアノを弾けるのは大抵1人じゃないですか。そういうとき、グランドピアノの役に選ばれてよくやってました。ほかのクラスはだいたい女の子がやるから、男でピアノ弾ける人がいると目立つみたいで。
──そういう発表の場で、緊張して固まっちゃうタイプではなかった?
ケンヤ そうですね。どっちかというと注目されてうれしいタイプ。
ハンサムケンヤ
1987年10月30日生まれ。京都在住のシンガーソングライター。2011年に立命館大学を卒業。大学時代のバンド仲間が立ち上げたインディレーベル・古都レコードの第1弾アーティストとして、同年5月に1stミニアルバム「これくらいで歌う」を発表。このうち収録曲「蟲の溜息」「これくらいで歌う」のビデオクリップは椙本晃佑によるアニメーションやCGを取り入れた作品で、動画サイトを中心に話題となる。同年8月、12曲入りの1stフルアルバム「エフコード」をリリース。