ナタリー PowerPush - ふくろうず
J-POPの頂点を目指す! 3rdアルバム「砂漠の流刑地」
考えだしたらどっか嘘になる気がして
──ところで震災の影響はありましたか? 一個人の内田万里として、またはソングライターとしての変化などは?
歌詞とか曲作りとか? 個人的にはまったくないですね。たぶん……うーん……ないですね。
──ですよね。変わらなかったんだろうな、と予想してました。
あ、そうですか(笑)。
──だからこそ「砂漠」というテーマになったんじゃないかな、と思ったんですが。
うん、そうですね。何か、元気づけたいとか、そういうことを考えだしたらどっか嘘になる気がして、自分の中で。だからなるべく考えないようにしてます。あ、でも「みぎききワイキキ」の「偽善は嫌だし皮肉屋はもっと嫌だ」って歌詞は、たぶん震災の影響を受けてると思います。
──まあでも、そこはわりと表面的な反応というか。
うん……そのへんでとどめておこうと思って。来年くらいに後悔すると思うんですよね、自分の問題なんですけど。軽はずみだったなあとか、思いたくない。
──じゃあやはり本質的な部分というか、ポップスとして普遍的なものを目指そうという感じですか。
そうですね。
普通の田舎の中学生とかに聴いてもらいたい
──最後に、ふくろうずが今後どうなっていきたいのかを。プロフィールでは「ただのJ-POPバンド」と自称してますが、じゃあJ-POPの頂点に立ってやるとか、そういう野望は……。
(さえぎるように)あります!
──あるんでしょうか……?
あります!
──あります?
あります! だから、そう……ありますね。
──4回言いましたね(笑)。
ははは……(小声で)あります。
──わかりました。それが聞きたかったです。
うん、あの、「自分のやりたいことやれれば俺、セールスとか関係ねえっす」みたいなんじゃ全然ないっす。
──どういうイメージなんですか? ふくろうずにとっての頂点というのは。
どういうものなんですかね。たぶんそこが明確じゃないから、あんまりセールスにつながんないのかもしれないっす(笑)……これから曲を作ってく中で、がんばって探していきたいと思います。
──じゃあまずは具体的な楽曲で、新しいポップスの形を示していけたら、ってことですね。
うん、そうですね。やっぱりポップスであるからには、普通の田舎の中学生とかに聴いてもらいたいです。
ふくろうず
内田万里(Vo, Key)、石井竜太(G)、安西卓丸(B, Vo)、高城琢郎(Dr)からなる4人組バンド。2007年に東京で結成し、ライブを中心に活動を展開する。2009年12月には初音源となる5曲入りミニアルバム「ループする」をライブ会場等で限定発売。スーパーカーやクラムボン、キセルなどを手がけた益子樹(ROVO他)をエンジニアに迎えたこの作品は、独特の世界観と完成度の高いサウンドで大きな話題を呼び、2010年4月に2曲を加えた全国流通盤として再リリースされる。この全国流通盤をきっかけに人気を全国区に拡大させ、メディアのライブイベントにも精力的に出演。2010年10月にニューアルバム「ごめんね」をリリース。2011年6月に3rdアルバム「砂漠の流刑地」でメジャーデビュー。