音楽ナタリー PowerPush - 藤原さくら

19歳新鋭が描き出す音楽の“アラカルト”

あどけない顔からは想像できない深くスモーキーな歌声と、柔らかく美しいメロディを紡ぎ出す19歳のソングライター藤原さくら。彼女のメジャーデビュー作となるミニアルバム「à la carte」がリリースされた。

「à la carte」はSPECIAL OTHERSの宮原“TOYIN”良太と柳下“DAYO”武史、SOIL & "PIMP" SESSIONSの秋田ゴールドマン、H ZETT M、Curly Giraffe(高桑圭)、高田漣といった面々が参加したぜいたくな1枚。個性的な先輩アーティストたちとのコラボレーションによって、藤原のフレッシュな魅力が存分に引き出されている。

今回ナタリーは“藤原さくら”というアーティストがどのように生まれたのかを知るためインタビューを実施。彼女に音楽遍歴から目指すアーティスト像まで、さまざまなことを語ってもらった。

取材・文 / 宇野維正

 
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YUIさんは神

──今、19歳ってことは……。

藤原さくら

去年の3月に高校を卒業して、東京に出てきてちょうど1年ですね。

──高校時代もインディーズで作品を出していましたよね。今回のメジャーデビュー作「à la carte」の曲は、全部東京に出てきてから作った曲なんですか?

3曲目の「My Heartthrob」だけ福岡にいた頃に書いた曲ですね。

──それにしてもYAGI&RYOTA(from SPECIAL OTHERS)や秋田ゴールドマン(from SOIL & "PIMP" SESSIONS)、H ZETT M、Curly Giraffe、高田漣と、今回のレコーディングにはものすごいメンバーが集まっていますよね。

そうなんですよ! 私がこれまで普通にライブに行って観ていた方々に参加していただいて。福岡で過ごしていた高校時代からすると信じられないですね。

──もし自分が藤原さんと同業だったら、って例えも変ですけど、このクレジットを見たら嫉妬に悶えちゃいますね(笑)。

あははは(笑)。

──東京に出てきてからのこの1年は主に曲作りをしていたんですか?

そうですね。気持ちがのって曲を作りたいときは曲を作って、作ってないときは……フラメンコをしていたり(笑)。

──へえ!

もともと英米のポップミュージックだけじゃなくて、フランスとか、スペインとか、中東とか、いろんな国の音楽を好んで聴いていたんですね。その中でフラメンコにも興味を持って、踊りを習うようになりました。

──音楽にそうした深い関心を抱くようになったのは、バンドをやっていたお父さんの影響だそうですね。

はい。ギターを教えてくれたのもお父さんだし、中学の頃はお父さんの演奏をバックに路上で歌ったりしていました。

──親子で路上ライブって珍しいですよね。時代が時代なら、演歌の世界の流しのような(笑)。

そうですね(笑)。まあ、福岡ではカフェとかでライブをやることが多かったですけど。最初の頃は恥ずかしくてMCが全然できなくて、全部お父さんにしゃべってもらってましたね。もともと自分はギタリストになりたかったんですよ。小学生のとき、歌うよりさきにギターを始めて、最初の頃はThe Beatlesの曲ばっかりやっていて。最初に買ってもらったのがクラシックギターで。クラシックギターってフレットがわりと広いんですけど、それでもなんとなく弾けるようになったんです。小学生の頃なんて、周りはギターなんて誰もやってないじゃないですか。だから自分だけ弾けるのがうれしくて、それで一生懸命練習して。

──歌うようになったのは?

それはお姉ちゃんの影響ですね。当時、お姉ちゃんがYUIさんのことが大好きだったんです。

──ああ、同じ福岡出身ですもんね。

そうですそうです! で、それまで日本人の女の子が自分で曲を作ってギターを持って1人で歌っている音楽とか全然知らなかったから「すごい! カッコいい!」って思って。

──確かに今でこそギターを持った10代の女性シンガーソングライターって大勢いますけど、当時はあまりいなかったですよね。一世代前の宇多田ヒカルさんとか椎名林檎さんとかは、ギター1本って感じではなかったし。

そうですよね。小学生の自分にとって、YUIさんは神のような存在でした。

高校に入って気付いた自分の声

──藤原さんの歌を最初に聴いたとき、自分はレスリー・ファイスト(※カナダの女性シンガーソングライター)みたいだなって思って。ちょっと低めの声がものすごく印象的だったんですよね。

自分の声が独特だって気付いたのは高校になってからで。それまで人から「歌がうまい」って言われたことは一度もなかったし、自分の声について考えたこともなくて。カラオケとか行くと、高いキーの歌を歌いたくなるじゃないですか(笑)。

──まあ、日本の女性シンガーの歌ってキーが高い曲が多いですよね。

藤原さくら

そう(笑)。でも、自分の声にはそういうのは向いてなくて。そんなときに「あなたの声はわりとムーディだから、こういう歌を歌ってみたら」って教えてもらったのがノラ・ジョーンズだったんです。「ああ、こういうタイプの曲を歌えばいいんだ」って気付かされて。そこからですね。洋楽、それもアメリカとかイギリスとかだけじゃなく、いろんな国の音楽を聴き漁るようになったのは。

──実際、ロードにしても、ラナ・デル・レイにしても、最近の海外の若い女性シンガーって声の低い人が多いですよね。

ああ、言われてみれば確かにそうですよね。

──だから、単純に音楽性が洋楽っぽいっていうだけじゃなくて、シンガーとしての在り方が最近の日本にはあまりいない感じがするんですよね。

ありがとうございます。

デビューミニアルバム「á la carte」 / 2015年3月18日発売 / 1944円 / SPEEDSTAR RECORDS / VICL-64288
デビューミニアルバム「á la carte」
iTunes Storeにて配信中
収録曲
  1. Walking on the clouds
  2. Cigarette butts
  3. My Heartthrob
  4. Just one girl(Original Ver.)
  5. We are You are
  6. ありがとうが言える
さくら前線北上インストアツアー2015
2015年3月21日(土・祝)
福岡県 タワーレコード福岡パルコ店 イベントスペース
START 14:00
2015年3月27日(金)
広島県 タワーレコード広島店 イベントスペース
START 19:00
2015年3月28日(土)
大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店 イベントスペース
START 16:00
2015年3月29日(日)
愛知県 名古屋パルコ西館1Fイベントスペース
START 13:00
2015年4月3日(金)
東京都 タワーレコード渋谷店 1Fイベントスペース
START 19:30
2015年4月4日(土)
東京都 タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース
START 12:00
2015年4月11日(土)
宮城県 タワーレコード仙台パルコ店 イベントスペース
START 16:00
2015年4月12日(日)
北海道 タワーレコード札幌ピヴォ店 イベントスペース
START 14:00
藤原さくら(フジワラサクラ)

福岡県出身の女性シンガーソングライター。幼少期からさまざまな音楽に親しみ、父親の影響で10歳からギターを弾き始める。高校進学後からオリジナル曲を作り始め、地元でライブ活動も行う。高校在学中の2013年に3枚の自主制作盤「bloom1」「bloom2」「bloom3」を発表し、2014年3月に初のフルアルバム「full bloom」をリリースする。高校卒業を機に上京すると、音楽活動が本格化。2015年3月にミニアルバム「à la carte」でSPEEDSTAR RECORDSからメジャーデビューを果たした。