頭ではわかっていても、体が勝手にダンスミュージックの動きをしてしまう

──「cross the line」は従来のAKINO with bless4の楽曲とはかなり異なる、ヘヴィメタル、ハードロック仕様の曲になっていますが、初めてデモを聴いたときどんな印象を持たれましたか？

AKASHI　「Wow!」って感じでした（笑）。カッコいい曲なんですけど、僕たちはダンスミュージックやポップスを多く歌ってきていたので、こういうめちゃくちゃメタルな曲をどうやってパフォーマンスしたらいいのかなって。

AKINO　リズムが目まぐるしく変化しているのがすごく新鮮で、面白かったです。それでいてメロディにもとてもメリハリがあって素敵な曲だと思いました。

KANASA　ちょっとチャレンジングな部分もあったよね。実際、ミュージックビデオの撮影のとき、サビではダンスの振り付けをしてるんですけど、それ以外のパートでは音楽に合わせて自由に体を動かしてたんです。でも、微妙にビートに乗れなくて「あれ？ どこがキメなの？」みたいな（笑）。

──体がロック慣れしてない（笑）。

AKASHI　ダンスをやっていると、体が勝手に裏拍を取っちゃって。ロックだったら表で取らなきゃいけないと頭ではわかってるんですけど。だからバックバンドの皆さんにも、「ロックはどういう感じで動くんですか？」って聞きながらヘッドバンギングして。

──MVも拝見しましたが、3人共様になっていましたよ。AIKIさんは、残念ながら参加されていませんが……。

AIKI　はい。僕は2014年からこの間までアメリカにいましたので。

──お兄ちゃんとお姉ちゃんが慣れないロックをがんばっているのをご覧になっていかがでした？

AIKI　「あ、こんなこともやるんだ!?」って。今までにない感じで、カッコよかったです。楽曲も本気のハードロックですし、MVのロケーションも衣装もダークで荒々しい雰囲気が出てて、これまでとは全然違った兄妹の姿が見られましたし。ライブではそこに自分も参加することができるので、今からすごく楽しみですね。一緒にヘッドバンギングするのが（笑）。

力強さと優しさを兼ね備えた「cross the line」

──「cross the line」はアニメ「終末のイゼッタ」のオープニングテーマでもあります。このアニメは1940年のヨーロッパを舞台に、イゼッタという魔女の少女が帝国主義国家に立ち向かうというストーリーですが、歌詞もそれにリンクしたシリアスで力強いものになっていますね。

AKINO　特に2番のサビの「生きたいって細胞が叫ぶ」っていうところが大好きです。「終末のイゼッタ」は戦争が1つのテーマになっているので、細胞レベルで必死になって戦う、生きようとするわけですけれど、私たちもみんな現実の世の中で何かと戦っていると思うんですよね。そういうことを思い起こさせてくれる、すごく強いメッセージを感じました。

AKASHI　「cross the line」というタイトルの通り、人生におけるいろいろな試練や戦いに臨むにあたって、自分の中の一線を越えて、安全な区域から一歩踏み出してチャレンジしていくことの大切さを伝えていると思います。

KANASA　アニメのイゼッタも、おばあちゃんから魔女の力を使ってはいけないと言われていたのに、大切な人を守るためにそのルールを破って、一線を越えて戦っているんですよね。

AKINO　あと、すごくハードな曲にもかかわらず、サビでは「笑顔」とか、けっこうかわいらしい、優しい言葉も入っていて、そのギャップもすごく面白いんですよね。人生の中で暗くなったり落ち込んだりするときもあるんですけど、そういうときこそ笑顔は必須だし、笑顔になることで気持ちも変わるんだなって思い出すことができました。