日本語が当てはまらず、じゃあもう英語しかないかなって

──2曲目の「GET MY WAY」は全英語詞。初、ですよね？

そう。初めて。高校生のときに作ったんですけど。これっきりかもしれないですねぇ（笑）。想像以上に疲れることが発覚したので。

──どんなところで疲れました？

訳ですかね。英語に変えていく作業が。私は英語ができないので、いろんな人の力を借りないといけなくて。ある程度辞書で引いてから、それを添削してもらってっていう作業を繰り返したんで。

──そういう作業をしてでも英語詞にした理由は？

せざるを得なかったんですよね。だいたいAメロBメロでメロディとテンポが決まるんですけど、そこにどうしても日本語が当てはまんなくて。じゃあもう英語しかないかなって。理由はそれだけ。だからね、英語詞の曲としては私的にけっこう恥ずかしい曲ではあるんですよ。もっと洋楽を聴いて、韻の踏み方とか発音の仕方とかテンポ感とか、そういうのを勉強すれば良かったなあって。まあでも、こういうのもアリかなとは思うんですけど。

──え、でもすごくかっこよかったですよ。バッチリ。

ありがとうございます。じゃあ良かった。日本国内で出回る分には大丈夫かな（笑）。

──内容的に一番言いたかったことは？

私の道を行く。いやでも意外に「Stay away from me」かもしれないですね。ほっといて、みたいなね。内容的に、英語ならこれだけ言ってもわかんないだろうみたいなとこがあったのかもしれない（笑）。世に出す出さない関係なく。

──こういう内容を歌った曲って、阿部さんから時々出てきますよね。

いっぱいありますよー。出してないものも、もっといっぱいあります（笑）。

──面白いですよねえ。ほっといてよと言ってみたり……。

会いに来てよと言ってみたりね（笑）。

歌っている理由は何かの形で人の役に立ちたいから

──で、もう1曲はギター弾き語りの「S.O.S」。これもけっこうドキッとする内容で。

曲を書き始めた頃、高校2年生ぐらいのときに作ったんですけど、書くことがないから、とりあえず私が歌ってる理由を書こうと思って。簡単なコードとシンプルな言葉だけど、歌ってる内容は今聴くとけっこうヘビーというか。正直だなと思いますね。

──今だとまた違った気持ちで歌っている感じ？

半分一緒で半分違う。一緒な部分は、唄が自分をさらす術だと思ってるとことか、キレイな唄ばっかじゃないとか、不安定な心を歌ってるってとこですかね。で、違うところは、私のことを見てくれない人たちに対して、思い知ればいいみたいな気持ちで歌ってるってことで。今の私が歌ってる理由は、それこそツアーをやってちょっと変わってきましたね。

──今の阿部さんが歌う理由とは？

簡単な言葉で言うと、純粋にファンの人たちのため。あつかましい言い方ですけど、何かの形で人の役に立ちたいから私は歌ってる。そういう理由に今は落ち着いてますね。

──そこの変化は相当大きいですね。

大きいですよねえ。作ったときはもう、自分が自分がっていう感じでいっぱいでしたけど、歌い直す段階では、みんながいいって思ってくれたらいいなっていう気持ちになれたんで。それがどう歌声に作用するかはわかんないですけど、自分の中でそういう気持ちがちゃんとあって歌うことは全然違うんじゃないかなって、すごく思いますね。

──このシングルのリリース後、夏に向けていろんなフェスに出演するそうですね。

うん。楽しみ。どうなるのやらっていう不安もありますけど、多分去年よりは大丈夫だと思う。前はどう見られるかすごい意識していたんですけど、今はあんまりないから。より自由にできたらいいかなあって思ってます。