「トモダチゲーム」特集 第1弾 吉沢亮インタビュー|目指したのはゲス顔、座長として挑んだ現場と“トモダチ”について

好きな友達にはベタベタしちゃう

──次は吉沢さんご自身についてお話を聞かせてください。友一は会う人によって態度が変わって、裏表が激しい、何が表なのかもわからないような人間です。吉沢さんにも共通する部分はありますか?

僕、嫌いな人にはいい顔できないです。意識的に態度を変えてるつもりはないけど、本能的にごまかせないタイプなんだと思います。好きな友達にはもうずーっとベタベタしてるし、興味ない人にはそれがわかりやすく出ちゃう(笑)。

──友一は嫌いな人に対しても、相手を利用するためにいい顔できそうですよね。

吉沢亮

そうなんですよね。僕が演じているときに思ったのは、“友一はこういう人だ!”とは決めないでおこうってことなんです。会う人や状況によってどんどん顔が変わって、一番その場に適した表情ができる男ってことを意識しました。

──一番ご自身に近いと思うのは、どんなときの友一でした?

友達思いな部分には共感できました。「劇場版2(仮題)」では彼の人間味も、汚い部分もかなり出てくるんです。人間らしさが見える場面は、演じていて楽しかったですね。

──私はドラマ版で、貧乏な友一が2リットルのペットボトルに入れた水をお弁当にしている姿が印象的でした(笑)。

あはははは!(爆笑) 水飲んでたら沢良宜さんに「何してんの?」って聞かれて、「弁当」って言うシーンですね。そうなんですよ、かわいいところあるんですよ。

──吉沢さんは、友達の条件を考えたことはありますか?

僕にとって一番の友達と言えるのは、やっぱり地元の友達なんですよ。この仕事をしてる仲いい方もいます。でも意識するつもりがなくても気を使っちゃったりするじゃないですか。それが一切なくて、あっちも気を使わないでいてくれる存在って、これから先も地元の友達だけだと思うんです。そういう意味では、安心感みたいなものが一番必要かなって。一緒に飲みに行っても僕は1人で携帯ゲームやってたり、全然人の話聞いてなかったりするんですけど(笑)。そういう状況が許されるのっていいですよね。

──友一は友達の誰かのせいで借金を背負わされて、トモダチゲームに参加しますよね。吉沢さんがそんな状況になったら、怒りますか? それとも友達のためならゲームに挑みます?

(即座に)いや、怒ります! それはもう、絶対(笑)。お金関係のことは怒るでしょうね。友達同士だからこそ、お金でもめたときのショックはでかいと思う。あとは嘘をつかれるのは、誰が相手でも嫌ですよね。

──逆に、友達に嘘をついてしまった思い出はありますか?

うわ、ありそう(笑)。どうだろう?……僕がよくやるのは、ヤバい!待ち合わせに5分遅れる!ってなったときに、わざと「ごめん、10分遅れる! 急いで行くね」って言うんですよ。それで、すごくゆっくり歩いて5分後に着くみたいな(笑)。

──「意外と早かったね」って言われたり(笑)。

そうそう、「ありがとう、だいぶ急いでくれたんだね」って言われたり。だいぶ汚い嘘ですね(笑)。

──友一のやりそうなことですね。

絶対やりますね。はははは!

原作を読みながら、沢良宜さんの告白は「嘘臭いなー!」って

──では作品の話に戻りまして。今回Blu-ray / DVDが発売されるドラマ版では、第1ゲーム「コックリさんゲーム」の模様が描かれました。声を出してはいけないというルールのため、ゲーム中はモノローグだけで、ほとんど会話がありませんでしたね。撮影はどのように進んだんですか?

ドラマ「トモダチゲーム」より。

その場で助監督さんが全部読んでくれるんです。僕のモノローグも読んでくれるし、「◯◯だよー!」ってマナブくんのしゃべり方もまねしてくれて(笑)。それに合わせて芝居するんですが、やっぱり表情だけの演技は難しかったです。そもそも誰もしゃべらないし、画も変わらないので、どうなるのか不安に思ってたんです。でもできあがりを観たら、モノローグの声だけで話が展開していたし、緊迫感も保てていたので安心しました。

──2月に取材した際はまだ完成版をご覧になっていなくて、「現場を重ねるたびに成長しているから、今完成版を観たら自分の至らない点が見つかりそう」とおっしゃっていましたね(参照:吉沢亮がファン2100人と交流、23歳を迎え自身を鼓舞「そろそろだろ、吉沢亮!」)。実際に完成版を観て、いかがでしたか?

いや、それはもう……その通りでした(笑)。特に劇場版ではドラマ版と打って変わって長回しの会話劇になるんですが、芝居力を必要とされた分、反省点がありました。それだけ日々成長してるんだと思いたいですけど(笑)。でも、やりたかったことは意外とできていたんです! 芝居臭くならないようにしながら、ゲス顔への変化をきちんと見せたいっていうのが、僕の課題だったんです。そのポイントはぜひチェックしてみてください。

──本作は観る側の予想を何度も裏切っていく仕掛けになっています。吉沢さんは原作で「コックリさんゲーム」を読んだ時点で、裏切り者は誰だと予想しましたか?

ドラマとは微妙に違う部分もありますけど……僕は沢良宜さんだと思いました。彼女がわざと一番怪しくないように見せていたというか、友一が疑いの目を向けないようになっていたので。原作だと「コックリさんゲーム」が終わったあと、友一はその場で沢良宜さんから告白されるじゃないですか。ああいうのが逆に「嘘臭いなー!」って、疑いながら読んでましたね(笑)。

──なるほど(笑)。実写版との違いにも注目ですね。では6月3日公開の劇場版第1弾までに、ドラマ版のソフトで復習しておいてほしい点は?

ドラマ「トモダチゲーム」より、片切友一。

トモダチゲームの基本的なルールは覚えておいてほしいです。ネームプレートの裏を他人に見せたら罰として借金額が2倍になるみたいな、細かいルールが劇場版でも生きてくるので。それを知っていることによって、映画版で起こった出来事が深く理解できると思います。あとは単純に、3部作がすべてつながっているので、ドラマ版をきちんとおさらいしてから観ていただいたほうが、より楽しんでもらえると思います!

──ありがとうございます。では最後に、本作を観る方々へメッセージをお願いします。

この「トモダチゲーム」ではすごく熱い心理戦が繰り広げられるので、皆さんもいろいろ想像しながら観ると思いますが、絶対にその予想を上回った展開になります。友達やお金っていうリアルで身近なテーマなので、自分もゲームに参加しているかのようにドキドキしながら観ていただけたらと思います。

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ドラマ「トモダチゲーム」
2017年5月24日発売 / キングレコード
「トモダチゲーム」Blu-ray

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5184円 / KIXF-481

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「トモダチゲーム」DVD

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4104円 / KIBF-1487

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映像特典
  • メイキング前篇 / 後篇
  • ドラマ「トモダチゲーム」プロモーション映像 30秒 / 15秒
  • 「トモダチゲーム 劇場版」予告編① / ②
ストーリー

幼い頃、母親に“金より友達”と言って育てられた主人公・片切友一。両親に先立たれ、バイトで生計を立てる身となりながらも、彼は4人の友達と楽しい高校生活を送っていた。しかしある日、クラスの修学旅行費200万円が盗まれる事件が発生。さらに友一たち5人は何者かに襲われ、目が覚めると白い壁の部屋に閉じ込められていた。案内人マナブくんの話によると、5人のうち誰かが2000万円の借金を返済するため、「トモダチゲーム」への参加料200万円を支払ったという。そんな彼らを、第1ゲーム「コックリさんゲーム」が待ち受ける。クリアの鍵は“友達を疑わないこと”。しかし過酷な状況下で、友一たちは次第に疑心暗鬼になっていき……。

スタッフ / キャスト

原作:山口ミコト・佐藤友生「トモダチゲーム」(講談社「別冊少年マガジン」連載)

監督:永江二朗

脚本:永江二朗、佐上佳嗣

主題歌:天月-あまつき-「Mr.Fake」

エンディングテーマ:上野優華「友達ごっこ」

キャスト:吉沢亮、内田理央、山田裕貴、大倉士門、根本凪(虹のコンキスタドール)、上野優華、天月-あまつき-(声)、久保田悠来ほか

映画第1弾「トモダチゲーム 劇場版」
2017年6月3日(土)よりシネ・リーブル池袋ほか全国順次ロードショー
吉沢亮(ヨシザワリョウ)
1994年2月1日生まれ、東京都出身。2011年に特撮ドラマ「仮面ライダーフォーゼ」の仮面ライダーメテオ / 朔田流星役で注目を浴びる。2013年に「ぶっせん」でドラマと舞台に初主演。主な出演映画に「アオハライド」「さらば あぶない刑事」「オオカミ少女と黒王子」などがあり、2016年には「サマーソング」で映画単独初主演を果たした。2017年7月14日公開の実写映画「銀魂」に沖田総悟役、10月21日公開の「斉木楠雄のΨ難」に海藤瞬役で参加。2018年公開の「リバーズ・エッジ」には山田一郎役で出演する。2nd写真集「One day off」(ワニブックス刊)が発売中。

2017年8月21日更新