コミックナタリー PowerPush - カヅホ「カガクチョップ」×犬犬「深海魚のアンコさん」

「キルミーベイベー」のカヅホ最新作 カヅホの過去を知る犬犬とのマンガ談議

「キルミーベイベー」で知られるカヅホの最新刊「カガクチョップ」の1巻が、4月12日に発売される。「キルミーベイベー」と異なり4コマではなく、ストーリーマンガの形式で進行する1話完結型のショートギャグだ。WEBマンガサイトのCOMICメテオにて連載されている。

これを記念しコミックナタリーでは、カヅホと、同じCOMICメテオの連載作家である「深海魚のアンコさん」の犬犬による対談を実施した。実はアマチュア時代からの知り合いというふたりが、直接聞いてみたかった質問をぶつけあっていく。またカヅホ・犬犬両氏による描き下ろしのイラスト「僕が考えた◯◯」も併せてお楽しみいただきたい。

取材・文/井上潤哉

 
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出会いは人外イラストのコミュニティ

──おふた方は今日が初顔合わせではないんですよね?

写真左から犬犬、カヅホ。

カヅホ そうですね。そもそも知り合ったきっかけはネットなんですけど、それが5、6年前ぐらいですか。同じ趣味の絵を描く人が集まるコミュニティがあって、お互いそこのメンバーだったんです。まあ、いわゆる擬人化とか、人外の女の子を専門的に描くようなコミュニティなんですけど。

犬犬 僕がそのコミュニティに入ったのは、カヅホ先生よりずっと後になります。確か先生が「キルミーベイベー」を始める直前ぐらいの頃だったと思います。当時できたばかりのTwitterを介して、どちらからともなく話しかけたことがファーストコンタクトだったかと。

カヅホ 初めて直接お会いしたのはコミティアでしたっけ?

犬犬 いや、その前にオフ会のような集まりがあってそこでお会いしたんです。でも僕がコミティアに参加してみようと思ったのは、カヅホ先生の影響ですね。先生が出展してらっしゃるとお聞きして。

カヅホ そうでした。僕も犬犬さんも、COMICメテオで連載するようになったきっかけはコミティアですよね。

犬犬 はい。僕は当時ゴキブリをメイドに擬人化したマンガを描いていたんですが(笑)、それを読んで惹かれたという奇特な編集さんが声をかけてくださって、「深海魚のアンコさん」でデビューできたという。

カヅホが描いた「ハチ怪人」のイラスト。

カヅホ 僕は「キルミーベイベー」が始まった後も別名義でコミティアに出展していて、「カガクチョップ」の原形にあたる作品を発表したところ、それを見た今の担当が「これを連載にしませんか?」と言ってくださったんです。

犬犬 お互い共通項や接点は多いですよね。僕も先生も特撮とかヒーローものが好きだったり。ちなみに僕が自画像にしている絵はホヤの怪人なんですけど、それを描いたきっかけもカヅホ先生ですし。

カヅホ 僕がハチの怪人を描いてTwitterにアップしたら、それに応えるようにしてホヤ怪人を描いてくださったんですよね。あれうれしかったです。

阿佐ヶ谷の仮装コンテストに出たら準グランプリ

犬犬 カヅホ先生は怪人が好きすぎて、絵を描くだけじゃなくて造形もやられてるのがすごいですよ。えっと……あの仮装コンテストの話ってしても大丈夫ですか?

カヅホ あー、どうぞどうぞ。

犬犬 阿佐ヶ谷の商店街で毎年、ハロウィン仮装コンテストみたいなイベントがあるんですけど、カヅホ先生はそこでものすごい手の込んだ自作のマタンゴ(編注:キノコの怪物)とか、モスマン(編注:蛾人間という意味のUMA)の着ぐるみを着て出られて。結果、準グランプリを受賞されたりしてるんですよ。

──え、プライベートで参加されたんですか?

カヅホ

カヅホ そうですね。完全に趣味として、自宅の和室で布なんかを切り貼りしながら造りました。

犬犬 普通の商店街の催しなので、周りの人たちはいたってハンドメイドな、可愛げのある仮装なんですよ。魔女とか、かぼちゃとか。でもカヅホ先生のチームだけやけに本格的な怪物で。

カヅホ 子供たちが怖がってガチ泣きしてました。Twitterに写真をアップしたら5000RTぐらいされたんですが、面白いのが、着ぐるみの中身が僕だということとはまったく関係なく広まっていったんですよ。

犬犬 え、正体不明のまま話題になってたんですか? 掲示板でスレが立ってまとめサイトの記事にまでなってましたよね。

カヅホ でも中身が僕だということは書かれていないはずですよ。隠してもいないんだけど(笑)。もし興味のある方がいらっしゃいましたら、「阿佐ヶ谷 ハロウィン マタンゴ」とかで検索してみてください。着ぐるみの画像が見つかると思います。

カヅホ「カガクチョップ」1巻 / 2014年4月12日発売 / 616円 / ほるぷ出版

作品紹介

科学部部長の鈴園沙衣(すずぞの・さい)は、周囲の迷惑を顧みず、好奇心の赴くままに日々変な実験や発明をしているちょっとマッドサイエンティスト気質な女の子。そんな沙衣を注意できるのは、クラス委員長である長倉蓮(ながくら・れん)だけ。だが蓮は、委員長キャラでありながら人と少しズレている(要するに「バカ」)ため、事態はいつも変な方向に行ってしまい……。

犬犬「深海魚のアンコさん」2巻 / 2014年3月12日発売 / 617円 / ほるぷ出版

作品紹介

人魚の受け入れが盛んな町で暮らす、人魚好きの女子高生・若狭乙見(わかさ・おとみ)。そんな乙見がご執心なのは、チョウチンアンコウの人魚・アンコさん。誘引突起を光らせ、猫やツンデレ熱帯魚の人魚・ベタ子ちゃんを撃退するアンコさんが気になって仕方がない乙見は、 ひょんなことからアンコさんの秘密を知ってしまう。果たしてその秘密とは!?
個性豊かな人魚達が贈る新鮮ぴちぴち異文化交流コメディ!

カヅホ
カヅホ

2008年、まんがタイムきららキャラット(芳文社)にて「キルミーベイベー」でデビュー。2011年にはTVアニメ化を果たした。現在は「キルミーベイベー」のほか、WEBマンガサイト・COMICメテオにて「カガクチョップ」を連載中。

4月19日にSHIBUYA TSUTAYAでサイン会を開催!

犬犬(いぬいぬ)
犬犬

フレックスコミックスのマンガ新人賞にて「深海魚のアンコさん」で佳作を受賞。2012年、WEBマンガサイト・COMICメテオで「深海魚のアンコさん」の連載が開始され、マンガ家デビューを果たす。またプロの原型師としても活躍中。