ナタリー PowerPush - さまぁ~ず

名作コント目白押しの最新ライブがDVDに

単独ライブをやると研ぎ澄まされる

──これだけ毎日テレビに出て忙しい中、それでも単独ライブをやり続けている理由は?

大竹 本業ですからね。本来それしかないっていうか、それをやるためにやっているというか。一番自信のあるところだから、それをやらない意味がわからないですけどね。

インタビュー風景

三村 物足りなくなってくるんじゃないですかね。3年とか4年とかやらせてもらえなくなったとしたら、「やりてぇな」って言うと思う。単独ライブをやると、すごく研ぎ澄まされるんです。面白いことについて改めて考えるから。「今面白いことってなんだ?」みたいな。あんまりそういうこと考える機会ってないじゃないですか。ないまま一生行っちゃうと、老化現象がやばいんですよ(笑)。老化しないためにやってるみたいなところもありますよね。

大竹 圧倒的に楽しいです、現場。だから本番だけやりたいです。

三村 でも「本番だけ10回やれ」って言われたら嫌ですよね。

大竹 やらないですね(笑)。本番も3回だけ。本当は3回のところを5回にしている感じです。

三村 ふつうのお芝居だったら「間が良くなってきたな」とかあるからやれると思うんです。でも、お笑いだから。

大竹 同じこと毎日やってると飽きてきて(笑)。

三村 自分に飽きちゃうんですよね。で、遊んでみたりしてるうちに原型がなくなっちゃいそうで(笑)。

大竹 本当にやりたかった面白いことがなくなっちゃったりして。でも現場でやる感じは楽しいですね。

年齢を重ねたほうがお笑いは面白い

──同じコントをやると飽きてしまうというのが象徴的ですが、お2人はものすごく鮮度というのを大切にされてますよね。

大竹 そうです。温めてないです。例えば1カ月前にできたネタも飽きてるんですよね。で、こねくり回したりしてわけわかんなくなっちゃって。

三村 今この時点で面白いと思ったことを書いておくとするじゃないですか。でも1年後くらいに見ると、「なんじゃこりゃ」って(笑)。

大竹 だから自分たちのDVDは2年くらい経たないと見ないです。まず見終わったら反省しかなくなっちゃうから。出番前に100点くらいのつもりでいて、やって終わって袖戻ってくると70点くらいに下がってますよね。で、時間が経つと「もうちょっとこうできたな」とか反省しちゃって、DVD見るころにはもう……。2年くらい寝かせて、次の単独ライブが決まったあたりで見ると、「意外と面白いな」って。

──あはははは。

大竹 「よくできたなぁ」みたいな。もう1回点数上がって。年齢を重ねたほうがお笑いは面白いと思うんですよね。いつも思うんですけど、若い子がやるより、おじさんがやったほうが面白いこともある。感覚としてはたぶん多少鈍ってくるはずなんですよね。気づくことが少なくなってくるから。いろんなこと経験しちゃって、「こんなやつもいるよな」とか、「これが近くにあるからこんな匂いもするよな」とか。「うわっくせ!」とはならない。「いやいや、この匂いですよ」みたいな。引っかかりが減ってくるんですよ。

三村 激しくツッコまなくなりますよね。「黙って見守る」になっちゃう(笑)。

大竹 そういうのは年齢の邪魔な部分ではあるんですけど、そのぶん、やってることはたぶん若い人にはない面白さがあると思ってるんです。若い人は転んだら運動神経いいぶん、「わざとかな?」みたいな。そっちの邪魔が乗っかってきたりして。

三村 テレビに出るようになって単独ライブをやめちゃうのはもったいない気がするんですよね。どんどん面白くなってるのに、って。ブランク10年とかになっちゃうと、もうできないじゃないですか。俺らも、たぶん10年やってなかったら、もうやってないですね。

大竹 そうだろうね。

三村 やるきっかけがわかんないですから。

さまぁ~ずライブの風物詩

──単独ライブにはつぶやきシローさんが毎回起用されて、今回も出ていらっしゃいますけど、お2人にとって彼の位置づけは?

三村 あいつがワクワクしてるんですよね。

大竹 あいつがもう待ってるんですよ。予約入ってるんです。

三村 自分のライブより楽しみにしてんじゃねえかっていう(笑)。

大竹 マネージャーなんかも「ぜひ!」みたいな空気になってますし。別にいいんですよ、いなくても。

三村 男1人っていう設定が出てくると、つぶやきになってくるんで、「特においしくないけどいいの?」っていうときもあるんですよ(笑)。

大竹 あいつはそれでもなんでもいいからやるっていうから。あいつも波があって、めちゃくちゃスベったときもありますし、バーテンみたいな役のときはだいたいハマるんですよね。

インタビュー風景

三村 しっとりやるほうが。

大竹 しっとりやるほうがうまい。で、今回は、そうでもない。

三村 どっちかというと、大堀恵(SDN48)に持って行かれた。

大竹 悪いことしたなと思いながら。

三村 でもそれを含め、さまぁ~ずライブの風物詩みたいになってるんで。

大竹 お客さんは誰もあいつのことは楽しみにしてないんですよ。「お、またつぶやき!」みたいに思ってない。でも、それがまた面白くて。俺らの中では、「今回イマイチだったな」とか、「よかったな」とか思いながら。

三村 あと、あいつが練習に入ることによって、稽古嫌いの俺らがやらなきゃいけなくなるんですよ。「合わせた方がいいっすよ」とか言ってくるから。「僕も合わせたいし」とか言うんですよ。そうなると、もうやるしかないんで。だから、いろんな人が出るコントを作っとかないと、実際間に合わないかもしれないんですよ。煽られて練習しないと。

大竹 出てくる人のスケジュールを切るじゃないですか。そうすると、やるしかないから。で、そのうちに覚えていって練習するようになるっていう。

「さまぁ~ずライブ8」2011年11月25日 / 発売元:ホリプロ / 販売元:ポニーキャニオン

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東京・天王洲銀河劇場
2011年5月28日~29日の公演を収録

さまぁ~ず

アーティスト写真

左/大竹一樹(おおたけかずき)
生年月日:1967年12月8日
出身地:東京都

右/三村マサカズ(みむらまさかず)
生年月日:1967年6月8日
出身地:東京都

スタイリスト:髙村純子

大竹一樹
レザーシャツ:NICOLE CLUB FOR MEN
Tシャツ:TAILGATE
ベルト:RIELABO
パンツ:A.R.K.
スニーカー:Custom Culture
三村マサカズ
シャツ:TAILGATE
Tシャツ:Design Tshirts Store graniph