ナタリー PowerPush - さまぁ~ず
名作コント目白押しの最新ライブがDVDに
今年2011年5月に東京・天王洲銀河劇場で開催された、さまぁ~ずの最新単独ライブ「さまぁ~ずライブ8」がいよいよDVDで登場。チケット即完売、当日券なしというプレミアムなこのライブでは、中小企業のロッカールームや放課後の校庭などを舞台にしたさまざまな新作コントが惜しみなく繰り広げられた。DVDには、これらのコントはもちろん、オープニングVTRや幕間の映像ネタも余すところなく収録。テレビでは見ることができない2人の笑いの真髄が1枚に凝縮されている。
今回お笑いナタリーでは、さまぁ~ずの2人にライブの舞台裏やコントのこだわりについて話を聞いた。
取材・文 / 遠藤敏文 撮影 / 中西求
「もう終わりかな」くらいキツかった
──ライブ自体は5カ月前になりますが、まずは振り返ってみて率直なご感想からお願いします。
大竹 5カ月経つと忘れちゃうんですね、いろんなことを。とにかくやってるときは「もう終わりかな」くらいキツかったのは覚えてます。「もうやんなくてもいいかな」くらい……って三村が言ってましたけどね。
三村 いやいやいや(笑)。
大竹 「もういいだろ」って言ってましたけどね。
三村 その直前はそういうモードになるんですけど、振り返ると「今年やっといてよかったな」っていうのがいつもあるんですよ。自分にノルマじゃないですけど、「これでちょっとしばらくラクしてもバチ当たんないな」とか、いいように考えるようにしてます。
大竹 どの時期にやってもたぶんつらいでしょうから、やれてよかったなっていう。
──過去最高にキツかったですか?
大竹 って毎回たぶん言ってるんですよ。
三村 毎回記録塗り替えるんですけど。
大竹 そのたびに年齢が上がっていくから。体力的にはつらいですね。やってるときは楽しいんですけど。
──お2人はこれまでたくさんの単独ライブを行ってきましたが、台本を書きはじめる時期や稽古に入るサイクルっていうのはある程度見えているものなんでしょうか?
大竹 毎回全然違う。
三村 予定は立てるよ。3カ月前から一応集まって、時間が空いたときにネタを考える時間を作ったりしてるんですけど、まあ追い込まれますよね。
大竹 結局2週間くらい前から始まる。
三村 「ヤバいな」っていう焦りで。
大竹 本当はもっと前からやったほうがいいかもしれないなって毎回思いますよね。
三村 バカルディのときからのペースを守ってるから、そのときよりは忙しくなったことを忘れてるんですよ。
大竹 あはははは。
三村 「時間ねーよ」っていう。
大竹 全っ然時間なかったですからね。やり方忘れちゃってるんで、なかなか手につかないというか。
三村 野球で言うところのキャンプからやり直すみたいな。
──毎回セットも大がかりで、直前に決められるものではないように見えます。
大竹 はい。結構大がかりです。
三村 もう戦いですよ。
大竹 スタッフのみんながよくやってくれるので、大変だと思います。ギリギリに言うから。
三村 「最後のセットの発注ってギリギリでいつ?」って聞いて、そこを逆算して間に合わせるみたいな。
大竹 セット発注してからコント考えてるときもありますからね。本当にスタッフはイライラしてるんじゃないですか、毎回(笑)。
三村 セットはもう変えられないから、こっちから歩み寄ったりして、両方の意見をすり合わせる感じですね。スタッフも「これくらいならギリギリできます」みたいな。
コントは台本の段階で100パーセントに
──毎日テレビの収録があるうえに、単独ライブの準備にもかなりの時間が必要だと思われます。どのように頭を切り換えているんでしょうか?
大竹 どうしてたんでしょうね。よくやったなと思いますけどね。
三村 「いったんメシ食おうか」って(笑)。メシ食ってる間に切り替えるんでしょうね。
大竹 もしかしたら、それくらい忙しいほうが回転してていいのかもしれない。仕事が息抜きになったりして。仕事現場で見つかるネタってけっこうあったりするんですよ。例えば「さまぁ~ず×さまぁ~ず」(テレビ朝日系)で2人で喋ってる中でネタができたりすることもありますからね。どっかロケ行って、変な人見つかってネタになるとか。逆に仕事で動いてるほうがネタが見つかることが多いかもしれないですね。
──お2人のコントは、どこまでが台本でどこまでがアドリブかわからないところも魅力の1つです。台本の段階で何パーセントぐらいの完成度に仕上げているのでしょうか?
大竹 基本的には台本の段階で100パーセントにしてます。一字一句きっちり台本にしてるんですよ。
三村 稽古でアドリブが出たのも台本にするんです。
大竹 すぐ忘れちゃうから。
三村 「結局この台本がすべて」っていう状態まで持っていく。
大竹 ただ、そこまで持ってって練習しないんですよ。稽古嫌いで。本当はやんなきゃいけないんですけど、7割くらいの完成度で舞台に上がってるんですよ。そうすると、言い回しとかツッコミとかでアドリブが多くなってきて。
三村 面白いのが、俺と大竹で同じ台本を用意するじゃないですか。でも、俺は台本に何も書き込まないタイプなんですよ。タイプというか面倒くさいから書かないんですけど。
大竹 あはははは。
三村 大竹は1回通してやってみて、細かく書き込んだ台本を作家に渡して打ち直してもらうみたいなことをやるんですけど、どんどん俺の台本だけ違うことになってきて。だから台本を同じ状態にするために、毎回「新しいのちょうだい」って言って、それを10回くらいやってるんです。じゃないとセリフが合わせられないから。
大竹 台本は舞台に出る直前まで変えてますからね。
三村 例えば、照明の人は古い台本持ってたりするんですよ。「照明と関係ないセリフを変えてるから言わないでいっか」みたいなのもあって、ちょっと古めの台本持ってる(笑)。
大竹 照明さんとか全員いる中で、ネタ見せたことないんじゃないですか。過去1度も。
三村 フルの通しってないね。
大竹 フルの通しやったことないかもしれない。
三村 時間がないんで、「あとは2人で喋るだけなんで」って飛ばしちゃう。
大竹 そういう意味で台本を渡しておくと読んでくれるんで。だから「見なくていいですよ」みたいな感じになってます。
さまぁ~ず
左/大竹一樹(おおたけかずき)
生年月日:1967年12月8日
出身地:東京都
右/三村マサカズ(みむらまさかず)
生年月日:1967年6月8日
出身地:東京都
スタイリスト:髙村純子
- 大竹一樹
- レザーシャツ:NICOLE CLUB FOR MEN
- Tシャツ:TAILGATE
- ベルト:RIELABO
- パンツ:A.R.K.
- スニーカー:Custom Culture
- 三村マサカズ
- シャツ:TAILGATE
- Tシャツ:Design Tshirts Store graniph