お笑いナタリー PowerPush - スジナシ×下北沢 笑福亭鶴瓶

インタビュー写真

笑福亭鶴瓶が毎回ゲストとともに即興ドラマを演じる人気バラエティ「スジナシ」(CBC・TBS系)。2人が“打ち合わせなし”、“台本なし”のぶっつけ本番で演技するドキドキ感と、でき上がったばかりの即興ドラマをその場でプレビューする楽しさを一度に味わえるのが番組の見どころとなっている。

今回この「スジナシ」が、いつもの名古屋のスタジオを飛び出して、“演劇の街”下北沢にやってきた。同じ下北沢の地に編集部を構えるお笑いナタリーとしては見逃すわけにはいかない! ということで、「スジナシ×下北沢」のコラボの模様を徹底レポート!!

文/遠藤敏文・加治屋真美 撮影/中西求・CBC

  • 下北沢商店街に「スジナシ」フラッグ
  • 下北沢商店街に「スジナシ」フラッグ
  • 下北沢商店街に「スジナシ」フラッグ
  • 下北沢商店街に「スジナシ」フラッグ
  • 北沢タウンホールでの「スジナシ」
  • 北沢タウンホールでの「スジナシ」
  • 北沢タウンホールでの「スジナシ」
  • 北沢タウンホールでの「スジナシ」
  • 北沢タウンホールでの「スジナシ」
  • 北沢タウンホールでの「スジナシ」
  • 北沢タウンホールでの「スジナシ」
  • 北沢タウンホールでの「スジナシ」
笑福亭鶴瓶(しょうふくていつるべ)

1951年12月23日生まれ、大阪府出身。1972年に6代目笑福亭松鶴の許に入門。以降テレビバラエティを中心に活躍。現在、「スジナシ」のほか、「笑っていいとも!」「きらきらアフロ」などに出演中。俳優としても主役を務めた映画「ディア・ドクター」などで高い評価を得ている。

下北沢商店街に「スジナシ」フラッグ

1998年の放送開始以来、超有名俳優からの出演要望や視聴者からの観覧希望が殺到している「スジナシ」。即興芝居を通して鶴瓶とゲストの人間性があぶり出され、絶大な人気を集めている。その斬新な企画が評価され、これまでに「日本民間放送連盟賞 テレビエンターテインメント優秀賞」「第35回放送文化基金賞 番組部門・テレビエンターテインメント番組 優秀賞」など、数々の賞を受賞してきた。

今回の「スジナシ×下北沢」コラボは、下北沢南口商店街での「スジナシ」フラッグ掲揚からスタート。このフラッグは、DVD「スジナシ 其ノ一」「スジナシ 其ノ二」「スジナシ 其ノ三」の発売を記念したもので、「笑いで福が集う街・下北沢 笑いで福を招く人・鶴瓶」と書かれている。2009年10月8日から31日まで掲揚されたこのフラッグで下北沢南口商店街は「スジナシ」ムード一色となった。

北沢タウンホールでの「スジナシ」

フラッグに続く「スジナシ×下北沢」コラボ第2弾は、下北沢・北沢タウンホールでのイベント。このイベントは、初のロケーション撮影による「スジナシ」を、下北沢のマンション屋上から生中継するという大がかりなものとなった。まず最初に鶴瓶がステージに登場すると、集まった番組ファンからは盛大な拍手が。「20年くらい前は、よく下北沢で演劇を観ていた」という鶴瓶。当日の衣装を下北沢の洋服屋で選ぶ様子をステージ後方のスクリーンに映し出し、笑いを交えながらオープニングトークを繰り広げた。

会場が暖まったところで、通常の放送と同様に、ドラマの中で鶴瓶が即興で組み込まなければならない「キーワード」を客席から募集。さまざまな案が出された中、鶴瓶が選んだのは「ダジャレ」だった。キーワードが決まると、さっそく当日のシークレットゲストを呼び込むことに。

この日のスペシャルゲストとして登場したのは劇団ひとり。初のロケによる「スジナシ」は、鶴瓶と劇団ひとりの2人で行われることになった。もちろん「ダジャレ」というキーワードは、劇団ひとりには内緒となっている。

劇場を飛び出した2人は、中継カメラクルーを引き連れて下北沢の街の中へ。道行く人たちと気軽に挨拶を交わしながら、あるマンションの屋上に向かった。そう、今回のロケのシチュエーションは、「下北沢のマンション屋上」。果たしてここでどのようなドラマが繰り広げられるのか。

屋上を下見し、役作りに入る2人。その表情からは緊張感が伝わってきた。「5秒前! 4、3、2……」のカウントダウンとともに、いよいよ即興ドラマがスタート。2人は互いの反応を見ながら人物像を固め、徐々に役柄の中に入り込んでいく。途中、おどおどしながら逆ギレする劇団ひとりに鶴瓶が笑いを堪える場面が何度も訪れ、そのたびに中継を見守る北沢タウンホールの客席は爆笑の渦に。最終的には、劇団ひとり主導のもと予測不可能なオチが展開され、盛大な拍手のうちにこの即興ドラマは幕を閉じた。

ドラマを終え、劇場に戻った2人は、さっそく先ほどの演技をプレビュー。映像を巻き戻したりストップしたりしながら、“なぜこのとき、こんなセリフを言ったのか”、“ここでくちびるを噛みしめていたのは、実は笑いをこらえていたから”、“なぜこんなダジャレを入れてきたのか理解できなかった”などを解説した。 演技に隠された心の動きを2人が明かしていくたびに、会場は大きな笑いで包まれた。

イベント終了後の会見では、「下北沢は、演劇が好きな人が集まる場所。今回の『スジナシ』もぴったりハマっていた」と鶴瓶が語れば、「下北沢は、テレビとは違った空気感があり、気が引き締まる」と劇団ひとりも応えた。ともに下北沢という街に好感を抱いている様子が伝わった。

「スジナシ」の今後の展開として、「今回、一発目のロケが大成功したということは、ゆくゆく海外展開もあるのでは?」と劇団ひとりが提案すると、「韓国で 『スジナシ』をやりたい」と鶴瓶も前向きな様子。「そのときは、(日本のレギュラー放送は)お前が俺の代役をやってくれ。お前ならできるわ」と、鶴瓶が劇団ひとりの即興芝居を称え、思わぬ後継者任命となった。

今回のイベントの模様は、後日地上波テレビで放送されるほか、DVD化も予定。また、11月18日にはDVDシリーズ最新作の「スジナシ 其ノ四」「スジナシ 其ノ五」「スジナシ 其ノ六」が同時発売される。このDVDシリーズは、次ページ以降でご紹介。