お笑いナタリー PowerPush - スジナシ×下北沢　笑福亭鶴瓶

「スジナシ×下北沢」コラボのレポートに引き続き、「スジナシ」DVDシリーズをご紹介。まずは、9月2日に3巻同時リリースされた「スジナシ其ノ一」「スジナシ其ノ二」「スジナシ其ノ三」のダイジェストから。阿部サダヲ、上野樹里、谷原章介、劇団ひとり、三谷幸喜など、個性的なメンバーが勢揃いし、見どころ満載となっている。

DVD其ノ一

設定「社長室」

社長室には酔っぱらって高笑いの鶴瓶と、何か言いたそうな顔をしている阿部サダヲ。鶴瓶社長と社員の設定で進むのかと思ったところで阿部が「駿河くん！」と呼んだことから物語が転がりはじめた。序盤は鶴瓶をリストラしたい若社長と勤続30年社員鶴瓶の攻防戦。必死に抵抗する鶴瓶だが、阿部の衝撃の告白により話は思わぬ方向へ。実は鶴瓶の娘と阿部は12年も前から関係があり、娘と息子までいるというのだ。しかし阿部には年上の妻がいるはず。戸惑う鶴瓶を前に、阿部はさらに驚きの未来予想図を語りはじめ……。

設定「人気の無い階段」

懐中電灯を持った上野樹里が人気（ひとけ）のない階段を裸足でウロウロとしている。そこへ上野を探していた鶴瓶が登場。「またここに……」という鶴瓶に「なんでおっちゃんには私が見えるんやろ」とつぶやく上野。他の人には見えない存在？なんと上野が演じていたのは人のカゲ。昼は人にくっついて歩き、夜になるとここへきて大阪駅の様子を観察しているようだ。なかなか人間界に馴染めず、カゲとしても浮いた存在の上野。そこで鶴瓶はカゲの先輩として、人間界での苦労を語りはじめる。最後は心が暖まるファンタジー。

設定「6畳のアパート」

アパートの部屋の中で、なにやら探しまわっている佐藤隆太。そこに「木村さんは？金融会社の者やけどな」と鶴瓶がやってくる。「たぶん人違いだと思います」と鶴瓶を追い払おうとする佐藤。しかし挙動不審な佐藤の言葉に納得できない鶴瓶は、遂には部屋の中にまで上がり込む。すると佐藤が突然意外なことを言い出す。「実は僕は泥棒で、ここに忍び込んでるんです」。借金取りから逃げるための嘘なのか、真実なのか……。その言葉を信じた鶴瓶も自分の正体を明かし、爆笑の展開へと話は転がりはじめる。

設定「スーパーの事務所」

スーパーの店長である鶴瓶に、事務室に連れてこられた羽野晶紀。「私、何かしました？」と強気な態度だが、実は月に3度も万引きをしている常習犯のようだ。今日も万引きした大福が、カバンから見つかる。それでもとぼける羽野は「私、捕まるのは初めてですか？」と記憶のないフリをはじめる。さらに「うちの主人、今度町長選に出るのに……」と悲劇のヒロインを演じはじめたが、その言葉で家がわかった鶴瓶が電話をかけようとし、そこから電話をめぐっての攻防戦へ突入。羽野はかく乱作戦で逃げ道を探しはじめ……。

DVD其ノ二

設定「4畳半」

生活感ある4畳半の部屋に鶴瓶と1人の女性（観客からの飛び入り参加）。部屋に帰ってきた谷原章介は、鶴瓶の存在に驚く。谷原と女性が暮らしている部屋に、鶴瓶が上がりこんでいるようだ。谷原に話がある、と鶴瓶。女性を外に出したあとに語られたのは、谷原が財閥の息子であること、家を飛び出して女性と暮らしていること、その女性に手を上げたこと。そして谷原も知らなかった女性との関係を、鶴瓶の口から聞かされ……。韓国ドラマのような急展開を見せたドラマのラストは、谷原の涙ながらの演技で感動の結末を迎える。

設定「ワンルーム」

バイト帰りの中尾明慶が帰宅し、弁当を食べようとすると突然バスルームから鶴瓶が出てきて驚く。「人の部屋でなにしてるんですか！」という中尾の言葉に「ここは俺んちや！」と返す鶴瓶。冷静に自分の部屋だと主張する中尾に負けた鶴瓶は「息子の部屋と間違えた」と誤りを認めるものの、出て行こうとはしない。そこで中尾は「話を聞きますよ。ここで会ったのも運命だし」と協力を申し出る。しかし鶴瓶は「ここから出たらパーンや！」と何かに追われていることを匂わせつつも、なかなか事情を話そうとはせず……。

設定「立ち入り禁止の路地」

飲み屋や商店が並ぶ狭い路地の奥。その先にある立ち入り禁止の看板の前にいる八嶋智人は脇のパイプを蹴ったりしている。そこに鶴瓶が登場。「何してまんの？そこは殺人事件があって立ち入り禁止になってるんですよ！」。しかし強気な八嶋は「あなたは誰なの？」と疑わしい目で鶴瓶を問いつめる。そこから立場は逆転。実は八嶋は事件を調べている刑事だと名乗り、鶴瓶を尋問する形に。警察手帳を見せないことから完全に信じているわけではない鶴瓶だが、なぜかしどろもどろ。ふたりの正体は!? そして殺人事件の犯人は!?

設定「夜のオフィス」

会社で残業中の上司鶴瓶と部下の生瀬。そしてOL（飛び入り参加）の姿が。しばらくして帰ろうとするOLに「明日は早めに来てくれ」と鶴瓶が声をかける。OLが帰ると鶴瓶と生瀬はポツポツと語りはじめる。実は生瀬は先ほどのOLとつき合っていた過去があるようだ。彼女に未練がありそうな生瀬を上司らしく諭す鶴瓶。しかし、生瀬は気づいていた。自分の元彼女と鶴瓶のただならぬ関係を。そのことを話しだすと形勢は逆転。あたふたする鶴瓶に生瀬は容赦なく女性との関係を暴いていく。生瀬が2人の関係に気づいた一言とは!?

DVD其ノ三

設定「殺風景なワンルームマンション」

引っ越し準備をしている部屋の窓際に鶴瓶が立っている。そこにパジャマにコートをはおった劇団ひとりがやってくる。「どうします？」と声をかけた鶴瓶に「なるべくなら穏便に済ませたいんです」とひとり。親分の女に手を出して追われているひとりが、なんでも屋の鶴瓶に夜逃げの手伝いを頼んだようだ。しかし切羽詰まった状況に、手伝うのに怖じ気づいてきた鶴瓶。ひとりはほかにも罪を犯しているようで……。ラストに向かって劇団ひとりの狂気の演技が炸裂し、急展開を迎えるサスペンスドラマが完成！

設定「特別室」

ホテルの待合室のような豪華な部屋に作業着姿の佐々木蔵之介がパニック状態でやってくる。先に部屋にいた鶴瓶が「お前な！急に電話してきて……いつもパニックや」と声をかけると「先生に相談が……」と。2人は恩師と生徒の関係のようだ。佐々木の相談は女性のこと。結婚することになった女性の親とこの部屋で顔合わせがあるが、実はもうひとりミキという妊娠中の彼女がいるという。どうすればいいのかとパニックの佐々木に、両方の女性と面識のある鶴瓶はミキを選ぶように説得。実はミキの妊娠にはある秘密があったのだ。

設定「地下室」

地下室で鶴瓶と三谷幸喜がたたずんでいる。入り口のドアには鍵がかかっていて、すでに10時間も閉じ込められているようだ。閉じ込めた犯人と思われる人物との関係について探り合う2人。普段の2人は敵対関係のようだ。このままにらみ合いながらの脱出劇が続くのかと思ったところで、鶴瓶が会場からのリクエストで入れた“猟奇的な顔”に食いついた三谷。顔を振りながら「カァ～ッ！」と声を出す鶴瓶に最初は不快そうな態度を示すが、後半で実は自分にも同じクセがあると告白。これをキッカケに2人に淡い友情が生まれ……。

設定「喫茶室」

日曜日の午後。義弟の筧利夫から呼び出された鶴瓶は喫茶店にやってくる。鶴瓶が席につくと、筧からは驚きの言葉が。「お兄さん今までどこ行ってたんですか。昨日お兄さんの家が全焼したんですよ」と。しかも警察は鶴瓶を犯人だと疑っているらしいのだ。鶴瓶は犯人ではないとを否定しながら、もう1週間くらい家に帰ってないと告白。そこから2人はこれまで黙っていた家庭の秘密を話しはじめる。「2人で逃げませんか？」ともちかけた筧にその理由を訊くと、鶴瓶の予想を超えた答えが待っていた！