お笑いナタリー Power Push - スクールJCA
スクールJCAってどんなところ? 卒業生代表の人力舎芸人が座談会
南海キャンディーズになりたかった
──ぴーかぶーさんは昨年のスクールJCA特集でもお話を伺いまして、読者から好評だったのでまたご登場願いました。
ぴーかぶー・のんたなか 本当ですか?
ぴーかぶー天野 私たちの耳にその評判はあんまり届いてないけど(笑)。
──今年はデンキスタンド田中さんと秋のうさぎ宇佐美さんに重点的に話を伺います。ぴーかぶーのお2人もどんどん口を挟んでください。
のんたなか・天野 わかりました!
──まずは田中さんと宇佐美さんが、なぜスクールJCAを選ばれたのか、というところからお聞かせいただけますか?
デンキスタンド田中 中学生のときからお笑い芸人になりたいと思っていて、ずっと好きだったのが、アンタッチャブルさんやオアシズさん、北陽さんと全員人力舎の芸人さんだったんです。母親にも「人力舎が向いてるんじゃないの?」と言われて、高校を卒業して最終的に決めました。
秋のうさぎ宇佐美 私は最初ずっとNSCに行こうと思ってたんですけど、NSCって明るい人が多いイメージで。自分がそこに行ったら続けるのは絶対無理だなと思って……(小声で)。
天野 この声のトーンじゃ、そうかもね(笑)。
宇佐美 その点、人力舎はどこか暗いというか、ジメッとしたイメージがあって(笑)。養成所生の人数も少ないというのをネットで見たので、そっちのほうがいいなと。人力舎にはコントが得意な芸人さんが多いイメージもあって、私はずっと漫才をやりたかったので、逆にチャンスだなと思いました。
──函館出身の宇佐美さんは、スクールJCAに入るために上京してきたということでしょうか?
宇佐美 そうです。
──芸人になろうと思ったきっかけは何ですか?
宇佐美 小学校の低学年くらいで芸人になることを決めていました。
天野 早いね!
宇佐美 お笑いはもともと好きで、クラスに「お笑い係」っていうのがあって、自分たちで何かを作って見せたり、というのをいろいろやっていたんです。
天野 へー! 明るかったんだね。
宇佐美 最初は明るくて、どんどん暗くなっていったんですけど(笑)。そのクラスに好きな男子が1人いたんです。ちょうどその時期に、南海キャンディーズさんが「M-1グランプリ」でバッと出てきたので、「私はこの子と南海キャンディーズみたいになるんだ!」と言っていたんです。
天野 夫婦コンビみたいなイメージだ。
宇佐美 その夢が私だけ続いて、そのままお笑いをもっと好きになっていきました。今の相方は小学生のときに好きだった子とはもちろん違うんですけど、男女コンビでやっています。
先輩芸人の授業でボケが覚醒する
──スクールJCAの授業はいかがでしたか?
田中 もともと臆病者で内気な性格だったんですが、ネタ見せでも同期ライブでも、メンタルがすごく成長したなと思います。「エチュード(即興劇)をやってください」と授業で急に言われるので「やんなきゃ! みんなで肩組んでがんばろう!」と。先輩にイジられて「ちょっとー!」って返すとか。だいぶ成長しました。
のんたなか 内気だと返せないもんね。
宇佐美 私は発声などの基礎的な練習のときに「感情をマックスで表す」というのを強制的にやることで、できるようになりました。
田中 「感情の5段階」というのがあって、先生が「怒りの1」って言ったら、ちょっと怒ったり、「怒りの5」って言われたら「ふざけんじゃねーよ!」って怒ったり、というのを瞬時にやるんです。すごく勉強になりました。
──先輩芸人が講師として来たことはありましたか?
田中 アンタッチャブル柴田さんがいらっしゃって、ツッコミを派生させて枝にしていくやり方を教わりました。「なんでやねん!」て言ったら、そのあとに付け加える言葉をどんどん枝で作っていって、その中でいいものを組み合わせていく。
──田中さんにとって柴田さんは憧れだったんですよね。お会いしていかがでしたか?
田中 めちゃくちゃカッコよかったです!
のんたなか 授業がどうこうじゃなくて、そういう感想?(笑)
天野 気持ちはわかるよ。私もファンだったから。
田中 あと“速い”です。私のクラスでザ・ボケの子を見つけるのが速かったですし、ターゲットを見つけてどんどんツッコんでいく。テレビを観ているようでした。
宇佐美 私は飛石連休の藤井ペイジさんの授業を受けて「怖い話を俺に聞かせてくれ。即興で作り話でもいいから」と。話し方を教えていただきました。
のんたなか 私は10年くらい前にWコロンさんの授業を受けまして、そのときボケを覚醒させてくれました。木曽さんが無限にツッコんでくるので「なんだこの人!」て思って。「君はボケだよ」って言われて「あ、ボケなんだ」と。一緒に漫才やってくれるのが楽しかったです。
──プロの第一線の人から直接教えてもらう経験は貴重ですよね。
田中 実力があって結果を残してらっしゃるので、すべてに説得力があります。
のんたなか 高校を卒業してすぐ入っているから、そこで出会う大人って新鮮じゃないですか。それが憧れの人だったら、たまらないですよね。
田中 たまらないです!
ぬるま湯につかっている場合じゃない
──ネタ見せを初めて体験されたときは、どう感じましたか?
田中 ちゃんとお笑いを大人に見られる、というおかしくて真面目なこの感じが最初はすごく楽しかったです。大人に見ていただくという環境は養成所じゃないと体験できないですし、すごく貴重。こんな私たちにちゃんとダメ出しをくれるんです。改善点を言ってくれて。
のんたなか 授業料の60万円払ってるからね(笑)。
田中 人前で笑いを取ることの大変さがあらためてわかりました。挫折をいっぱいして、傷つけ、傷つけられて、心がぐちゃぐちゃになって荒波に揉まれて。そんな中でウケたとき、とても気持ちいい! この感覚がやめられなくて、中毒なんですよ。ライブってそういうことをいっぱい経験できて、今も楽しいです。
宇佐美 私は自由にやらせてくれるイメージがあったので、ネタ見せで厳しいことを言われたとき、思ってたのと違うな、というのがありました。
のんたなか たしかに最初に壁にぶち当たるかもしれない。このままをどうにかしてくれるんじゃないか、「のびのび。放牧です」って感じのままでいると、厳しさにぶち当たるよね。
宇佐美 それでも厳しいことを言われたあと、ライブでウケたりすると「見返してやったぜ感」があって。最初は傷つきまくってましたけど、後半は慣れてくる。ライブは毎月楽しみでした。
──ほかの事務所との対抗ライブはいかがでしたか?
田中 NSCの方と対戦しました。それまでは人力舎の同期ライブにしか出たことがなくて、その環境に慣れていた中で、「こんなすごい人達がごまんといるんだ!」と刺激を受けました。
宇佐美 ライブでMCのときに「一発ギャグやります」とか、すごくガンガン前に出てくる。
田中 「こんなぬるま湯につかってる場合じゃないな。ネタに磨きをかけなくては」とピリッとさせられました。
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スクールJCA
オーディション日:2016年2月7日(日)13:00~
(定員数に達した場合は16:00~)
※願書による書類審査があり、通過者には別途詳細を連絡する。
詳しくはこちらまで。
ぴーかぶー
左 / 天野舞(アマノマイ)
1991年4月16日生まれ。埼玉県出身。
右 / のんたなか
1987年3月3日生まれ。東京都出身。
田中夢乃(タナカユメノ)
1993年7月2日生まれ。東京都出身。デンキスタンドのメンバー。
宇佐美奈菜(ウサミナナ)
1996年3月25日生まれ。北海道出身。秋のうさぎのメンバー。