人力舎初の飛び級、アナクロニスティックは希望の光

──スクールJCAの卒業後は、すぐにプロダクション人力舎の所属となるわけではなく、JCAプロモーションという組織に籍を置くとお聞きしました。その時代はどのように過ごしましたか？

森本　ちょっと待ってください。スクールJCAの卒業後、普通は全員がJCAプロモーションに上がってから、最短6カ月でプロダクション人力舎に上がれるんです。ただ、前代未聞の黄金ルーキーが現れました。ここにいるアナクロニスティック、そして高橋ちゃんの2組です。彼らはあまりにも優秀だからということで、人力舎史上初めて、いきなりプロダクション人力舎に行ったんですよ！

長谷川　まあまあ、そうだったんですよねー。

ホビー　だから、JCAプロモーションの期間のことはちょっとわからないですねー。

森本　ムカつく言い方だな！

──では先にトンツカタンのお3方にお伺いしますが、スクールJCA時代とJCAプロモーション時代で違うことは何でしょうか？

森本　一番は事務所ライブの「バカ爆走！」に出られることですね。今までは養成所の同期としか舞台に立っていなかったのが、巨匠さんやリンゴスターさんというテレビで観たことのある先輩と同じ舞台に立って、プロへの第一歩を踏み出せる。

──そこで意識は変わりましたか？

菅原　変わりましたね。同期の中でも飛び抜けなきゃいけないな、とずっと感じている期間でした。僕は料理が趣味だったので、手作りジャムを作って舞台上で披露してスベッたりとか……。

森本　試行錯誤ですよ。

菅原　チャレンジする期間をもらえるんです。

森本　プロの舞台だから当然、普通のお笑い好きのお客さんが会場に来る。養成所ライブではウケていたのにお笑い好きの前ではぜんぜんウケない、という挫折を味わった人たちもいます。

櫻田　自分は先輩の名前を全員覚えようとしました。一気に先輩が増えるから失礼のないように。でも、先輩のザ・フライさんの名前を半年くらいずっと間違って呼んじゃったこともあって、そのときは本当に死のうと思いました……。

森本　自白のテンションで言うな！

──その一方でアナクロニスティックさんは、先ほど森本さんが説明していたように、JCAプロモーションの期間を飛び級したと。

長谷川　会社の方からも期待があって、それに負けないようにがんばらなきゃ、っていう気持ちが芽生えましたね。がんばるモチベーションを渡していただいた。

ホビー　ただ、先輩からは白い目で見られてるんだろうな、とは正直思っていました。

森本　誰もそうは見てないですよ。みんなうれしく思っているよね。さっきもアナクロのすごさを説明している自分、気持ちよかったです（笑）。

長谷川　たしかに、最初はもっと上のライブとかでも拒絶されるのかなと思ったんですけど、みんなに迎え入れてもらって、わけ隔てなく接してもらえる。人力舎ならではの空気感だったし、すごくうれしかったです。

菅原　アナクロニスティックは、この村の待ちに待った希望の光みたいな感じですね。大切に育てていきたい。

森本　まずはお前が育て！

「インタビュー読みました」でご飯連れて行きます

──2組の当面の目標は？

長谷川　単独ライブのチケットがしっかり売れる芸人さんになりたいです。認められる指標だと思います。

森本　もっとライブシーンの中心にいるくらいの知名度を獲得できればと思います。あと芸人に面白いって言われるような芸人になりたい。こないだ単独ライブで、袖にも人力舎の芸人が集まってくれたんですよ。お客さん人気と芸人人気のバランスがいいトリオになりたいです。

──そんな皆さんに、スクールJCAへの入学するかどうか迷っている人の背中を押すような一言を聞かせていただけますか。

菅原　養成所に入ってからじゃないとわからないこともあります。今までの人生で一番の青春は養成所時代でした。皆さんは自分なりの相方を見つけてください。同世代のツッコミ王・森本を探してください。

森本　ツッコミ王とは呼ばれてないです（笑）。

櫻田　自分が一番面白いって思ってる人たちが集まる場所なので毎日が楽しいです。自分が一番面白いって自信があるなら……来なよ。

長谷川　講師の方が丁寧に教えてくれます。お笑いの悩みに対する答えを、たぶん講師の方が全部出してくれる。ちゃんとプロにしてくれるところなので、悩んでるならここに来て相談すればいいと思います。

ホビー　養成所は100パー、ここがいいです！ オススメです！

──最後に森本さんお願いします。

森本　厳しいことを言わせてもらうと、芸人になっても芸人としてほぼ売れずに消えていきます。ただ芸人として売れるには、絶対に芸人にならなきゃいけない。なら迷ってる人は、売れないと思ってイチかバチかスクールJCAの門を叩いてはどうでしょうか？ そしてスクールJCAに通っているときに僕を見かけた場合、「インタビュー読みました」と「アド街」感覚で声をかけてください。ご飯に連れていきます。僕がケアします！

菅原　それは、俺が「インタビュー読みました」って言っても大丈夫？

森本　相方はおかしいだろ！