賞レースの勝ち方を知っているのかな

──皆さんが芸人を志すにあたり、なぜほかの養成所ではなくスクールJCAを選ばれたのか、その理由をお1人ずつ聞かせていただけますか？

トンツカタン菅原　スクールJCAが少数精鋭だからです！ ほかだと埋もれちゃうんじゃないかと思いました。結果的に今、こうして埋もれずにやっています！

トンツカタン森本　僕は幼稚園から大学までインターナショナルスクールに通っていて、日本の学校といろいろ違うんです。敬語っていう概念がなかったり。なので、なるべくインターナショナルスクールっぽい雰囲気の学校で徐々に順応できればと。

──スクールJCAはインターナショナルスクールっぽいですか？

森本　そうですね。Wikipediaを読むと上下関係もゆるいというので（笑）。先輩も尊敬する方がいるので決めました。

トンツカタン櫻田　菅原と大学のときに一緒のバイトだったので、2人でいろんな事務所のサイトを大学のPCで調べました。スクールJCAの授業料は比較的高いんですよ。でも値段って信頼だと思っています。ちゃんと売れたいって思ったら、ちゃんとお金払っといたほうがいいのかなと。

──巨匠の岡野さんに昨年インタビューさせてもらったとき、同じようなことをおっしゃっていました（参考：プロダクション人力舎 スクールJCA特集 巨匠＆リンゴスターインタビューほか）。

櫻田　それはちょっと恥ずかしいです。あの人と同じ発想なのは（笑）。

アナクロニスティック長谷川　僕は小さい頃からお笑いが好きで、人力舎にはネタが面白い芸人さんが多いなと。しかも賞レースの決勝に残る割合が高いので、賞レースを勝つためのノウハウを知っているのかな、と思って選びました。

アナクロニスティック・ホビー　自分は、長谷川がそう言っていたからですね。

──アナクロニスティックのお2人は、スクールJCAに入る前から知り合いだったんですか？

ホビー　そうですね。高校と大学の同級生で、2人でやろうと。自分はどこに入ってもよかったんですけど、長谷川が絶対スクールJCAだと確固たる意見を持っていたので、ここに決めました。

マイナスだと思っていたことがプラスだった

──スクールJCAではどんなことを具体的に学びましたか？

長谷川　ネタの作り方はもちろん、演技指導や発声練習を通してネタの伝え方もちゃんと教えてくれるのは、ためになりました。ライブでウケるように、というところに直結していると思います。

森本　アットホームな校風なので、みんなとフランクに話していく間に、自分の知らない一面を客観的に知ることができました。自分はスクールJCAに入学するまで人をイジる側だと思っていたんですが、イジられることもあるんだな、とか。

菅原　最初はみんなトガッているんですが、ネタ見せとかでダメ出しされて挫折を味わって。僕も「菅原はポンコツだな」ってなりました。いろいろ自覚して、落ち着く場所に落ち着いた感じです。

長谷川　「まずお前らはたいしたことない」ってところから教えられるので、心を1回折っといてくれるんですよ。

ホビー　自分が一番面白いと思って来ちゃってるぶん、ボキボキに折られますよね。

長谷川　芸人は世に出てからもいろいろと辛辣なことを言われがちですが、そういった実戦の場に出たときに対応がしっかりできるようになるんです。経験しとかないと面食らっちゃう。メンタルを鍛えてくれます。

森本　もう何言われてもあんまりショックに思うことないもんね。心がサイボーグになる。

ホビー　泣いちゃうくらいのことは言われてますけどね。

森本　ただ「泣いてる姿が面白い！」っていうケースもあって、そこがターニングポイントになったりもする。

ホビー　泣いてる奴が面白い、っていうのは異空間ですよね。マイナスだと思っていたものが意外とプラスだった、みたいなことが多いです。