エンタテインメントの要素が大きくなった

──「アウトレイジ」シリーズ全般を通じて、どんなことを感じましたか？

アンゴラ　命をかけて貫きたい信条があるのがカッコいいし、この人たちは失敗したら「死」。そう考えると、自分たちも「命をかけてこれをやりたい」というものがあってもいいのかなって思わされました。

3助　すげえな……。そういう観点で観てたんだね。僕は誰がいつ死ぬかぐらいしか考えてなかったです。ワクワクと目の前の爽快感だけ（笑）。

──印象的だったシーンも教えてください。

アンゴラ　私は最初から「この映画、めちゃめちゃ『ソナチネ』っぽいな」と思っていて、「ソナチネ」ではあえて隠していたものを「アウトレイジ 最終章」では見せていたところが印象的でした。具体的には、大友が機関銃を持って殴り込みに行くシーンがそうです。「ソナチネ」の場合は“見せない演出”で、建物の外だけを映していて、真っ暗な窓から機関銃の光だけがパパパって映っていたんですけど、「アウトレイジ 最終章」では部屋の中の様子をしっかりと見せているんです。もしかしたらヤクザ映画をこれで終わりにするつもりかなって、ちょっと怖くなりました。

──なるほど、そういう見方もできるんですね。

アンゴラ　はい、私は集大成のように感じました。「ソナチネ」のリバーシブルというか、カバーしていたものを取り払ったように思えて、ここまで見せてしまって大丈夫かなって。「ソナチネ」は“見せない演出”も評価されたポイントだと思うので。そうやって考えてみると、「アウトレイジ 最終章」は、より多くの人が喜ぶものに仕上げたのかなと。たけしさんの中で、エンタテインメントの要素が大きくなったような気がします。

3助　ストーリーの説明もシンプルですもんね。最初に結構説明してくれて、誰にでもわかるようになってる。

どこかに体験コーナーとかあればいいのに

──3助さんが印象的だったシーンは？

3助　やっぱり大友の最期ですね。まだ信じられないです。あれで終わるのかな……。

──物語の核心に触れる部分なので、詳しくは書けないですけど（笑）。

3助　そうですよね（笑）。スピンオフとかないのかな。男は拳銃撃ったり、黒い車に乗ったり、全部「やりたい！」ってなるんで、どこかに体験コーナーとかあればいいのに。

アンゴラ　キッザニアみたいな（笑）。

3助　そうそうそう！ 平和で安全な「アウトレイジ」シリーズ体験施設（笑）。

アンゴラ　言いたくなるよね、「バカヤロー！」とか、「舐めてんじゃねーぞ！」とか。

3助　黒スーツ着て、マシンガンぶっ放したいです。

──楽しそうですね（笑）。暴力シーンが苦手な女性も多いと聞きますが、アンゴラさんは平気ですか？

アンゴラ　私は暴力シーンになると薄目で観てます。銃のシーンはまだいいんですけど、指を切ったりするようなシーンは正直苦手です。

──3助さんは大丈夫ですか？

3助　全部大丈夫です。超グロいところは意外と見せていないので。

アンゴラ　いやいやいや！

3助　音だけとかね。「グシャ」って。あ、音が嫌なのか。

アンゴラ　イメージで自分も痛くなっちゃうんです。

──「アウトレイジ 最終章」で初めて北野映画に触れるという人も中にはいると思います。そういう人に向けてのアドバイスはありますか？

アンゴラ　序盤に最低限の説明はあるんで、「アウトレイジ」、「アウトレイジ ビヨンド」を観ていない人でも楽しめると思います。もしかしたら、ここから遡っていっても面白いかもしれない。「この落ちぶれている人は前作ではこんなに勢いあったんだ！」とか（笑）。

3助　贅沢だなー、1作目、2作目、3作目と、これから続けて観られる人は。