にゃんこスターが語る「アウトレイジ 最終章」|ヤクザ映画をこれで終わりにするつもりかなって怖くなりました

裏社会の男たちの抗争を描いた北野武の監督作「アウトレイジ」シリーズ。そのラストを飾り、多くの人々に衝撃を与えた「アウトレイジ 最終章」が本日4月24日にBlu-rayとDVDで発売された。

これを記念して、ナタリーではお笑いと映画の2ジャンルで作品の魅力に迫ることに。お笑いナタリーに登場してもらうのは、アンゴラ村長が北野武をテーマに大学の卒業論文を書いたことでも知られているにゃんこスターの2人だ。北野監督作品はもちろん、書籍や出演番組などを調べ尽くしている目に「アウトレイジ 最終章」はどう映るのか。

取材・文 / 遠藤敏文 撮影 / 辺見真也

お笑い芸人のたけしさんにしかできない撮り方

──アンゴラさんは卒論のテーマが「映画監督・北野武とコメディアン・ビートたけしについて」だったそうですね。まずは、たけしさんに興味を持ったきっかけから教えてください。

アンゴラ村長

アンゴラ村長 大学1年生くらいの頃、「有名だからちょっと観ておくかな」くらいの軽い気持ちで「キッズ・リターン」を観て、ヤクザの組長が殺されるシーンに衝撃を受けたんです。日常的なシーンで、組長が車に乗ろうとしたら、向こう側から自転車に乗ってきた八百屋のおじさんみたいなごく普通の人に突然銃で撃たれるっていう。もうビックリしました。「なんだこのカッコいいシーンは!」って。勝手な思い込みかもしれないですけど、お笑いにフリとボケってあるじゃないですか。自転車でやってきた間抜けな格好のおじさんと不意打ちの暴力が、私にはフリとボケの構図に見えたんです。こういう映画の撮り方って、ご自身がお笑い芸人であるたけしさんだからこそなんじゃないかなって思って、それから熱心に観るようになりました。

──バラエティではなく映画から入っていったんですね。

アンゴラ そうですね。それまでは「世界まる見え!(テレビ特捜部)」(日本テレビ系)とかで見るようなイメージしかなかったので、映画からどんどん辿っていきました。

──3助さんはたけしさんについてはいかがですか?

スーパー3助

スーパー3助 もちろん大好きで、「アウトレイジ」シリーズに関しては僕のほうが好きかもしれないです。男が好きな映画なので、芸人仲間で必ず一緒に観に行って、たけしさんのカッコよさを味わってます。このシリーズは芸人なら全員が語りたがる(笑)。

──そこまで芸人さんが好きな理由はどこにあると思いますか?

3助 まずみんなたけしさんが好きというのが大前提としてあって、そのたけしさんが完全に振り切って人を撃ちまくるから、スカッとするんです。アクション映画って、男が一番好きなジャンルですよね?(笑)「あ、こうやって殺すのか!」とか、「この殺され方はいいな!」とか。そういう映画で、なおかつ主役がたけしさんなんで、芸人だったら全員観ますよね。

アンゴラ 「アウトレイジ」シリーズは特にそうですけど、自分の中で決めたことを貫いて、それが壊されるんだったら死んでも構わないみたいな世界なんです。「貫く」か「死」しかない。血がたぎる感じが、芸の道で生きると決めた人と似ているなと思っていて。「アウトレイジ」シリーズが好きな芸人が多いっていうのは、そういうことなのかなと。

──お二人は芸人さんになろうと思ったときに、サラリーマンのような人生を捨てるという気分はありましたか?

3助 「アウトレイジ」シリーズの登場人物たちほどは覚悟していなかったですけどね。結構簡単な気持ちで始めました(笑)。芸人は名乗れば誰でもなれるんで。

アンゴラ 死ぬわけじゃないからね(笑)。

好きな登場人物

──「アウトレイジ」は北野監督の映画としては初めて続編ができた作品です。北野映画マニアとして、どうして「アウトレイジ」に続編ができたと思いますか?

アンゴラ 1作目が好評だったというのがもちろんありつつ、最近の北野映画はセリフを増やしてわかりやすくしている傾向があって、我々が観たいと思っているものに寄せてくれたのかなと思います。あとは「これ作ったらビックリするだろうな」っていう考えもあったのかな。

映画「アウトレイジ 最終章」より、白竜演じる李。

──なるほど。「アウトレイジ」シリーズはエンタメ色が濃いですもんね。そのシリーズ完結編「アウトレイジ 最終章」がこのたびBlu-ray / DVDで発売されることになりました。出演者が豪華という点でも注目された本作の中で、特に好きな登場人物を教えてください。

アンゴラ 白竜さんの演じる李がよかったです。白竜さんは北野監督のデビュー作「その男、凶暴につき」では敵役だったんですけど、この最終章では逆の立場を演じていて。誰が裏切るかわからない世界で、李だけが大友(ビートたけし)に愛を持っていたように感じました。そこが興味深かったです。

3助 僕は塩見三省さんの中田です。特に「あぁ?」って聞き返すシーンがすごく好きでした(と言ってポーズを真似する)。

  • 映画「アウトレイジ 最終章」より、左から塩見三省演じる中田、西田敏行演じる西野。
  • にゃんこスター

──塩見さんは「アウトレイジ ビヨンド」と「アウトレイジ 最終章」の間に脳出血で倒れられて、後遺症が残る中でリハビリに励みながらの撮影だったようですね。北野監督自身も塩見さんの演技を「すごい迫力」と大絶賛されていました。

映画「アウトレイジ 最終章」より、左からビートたけし演じる大友、大森南朋演じる市川。

アンゴラ ほんとにすごい演技ですよね。中田は西田敏行さん演じる西野といいコンビなんです。古株で、出てくるだけで面白い。ほかにも好きな登場人物いっぱいいますよ。ピエール瀧さんの花田とか(笑)。あれだけ好き放題やっておきながら、憎めないキャラクターになるところがいい。大森南朋さんの市川も今までの「アウトレイジ」シリーズに出てこなかったタイプですよね。飄々としているけど、やるときはやるっていう。

3助 マル暴刑事の繁田(松重豊)もカッコよかったなー。

アンゴラ カッコよかった! 警察側での男の生き方が描かれているんですよね。繁田が辞表を出したところで、この映画に出てくる主要人物がすごく男らしいなっていうふうにまとまったというか。警察でもヤクザでも、カッコいい男は人間のジャンルとしては一緒なんだっていう。

3助 繁田はヤクザの世界に片足突っ込んでいたんで、ちょっと怖かったですけどね。あのまま進んでいったら死んでたかもしれない。

アンゴラ 我々の先輩の原田泰造さんも、普段のバラエティの表情とは全然違いましたね。

3助 本当にいそうな存在感でした。

「アウトレイジ 最終章」
2018年4月24日(火)発売 / バンダイナムコアーツ
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ストーリー

元はヤクザの組長だった大友は、日本東西の二大勢力であった山王会と花菱会の巨大抗争のあと韓国に渡り、歓楽街を裏で仕切っていた。日本と韓国を股にかけるフィクサー張のもとで働き、部下の市川らとともに海辺で釣りをするなど、のんびりとした時を過ごしている大友。そんなある日、取引のため韓国に滞在していた花菱会の幹部・花田から、買った女が気に入らないとクレームが舞い込む。女を殴ったことで逆に大友から脅され大金を請求された花田は、事態を軽く見て側近たちに後始末を任せて帰国する。しかし花田の部下は金を払わず、大友が身を寄せる張会長のところの若い衆を殺害。激怒した大友は日本に戻ろうとするが、張の制止もあり、どうするか悩んでいた。一方、日本では過去の抗争で山王会を実質配下に収めた花菱会の中で権力闘争が密かに進行。前会長の娘婿で元証券マンの新会長・野村と、古参の幹部で若頭の西野が敵意を向け合い、それぞれに策略を巡らせていた。西野は張グループを敵に回した花田を利用し、覇権争いは張の襲撃にまで発展していく。危険が及ぶ張の身を案じた大友は、張への恩義に報いるため、そして山王会と花菱会の抗争の余波で殺された弟分・木村の仇を取るため日本に戻ることを決めるが……。

スタッフ

監督・脚本・編集:北野武
音楽:鈴木慶一

キャスト

大友:ビートたけし
西野:西田敏行
市川:大森南朋
花田:ピエール瀧
繁田:松重豊
野村:大杉漣
中田:塩見三省
李:白竜

白山:名高達男
五味:光石研
丸山:原田泰造
吉岡:池内博之
崔:津田寛治
張:金田時男
平山:中村育二
森島:岸部一徳

※「アウトレイジ 最終章」はR15+作品

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にゃんこスター
にゃんこスター
左 / スーパー3助(スーパーサンスケ)
1983年5月3日生まれ、長崎県出身。
右 / アンゴラ村長(アンゴラソンチョウ)
1994年5月17日生まれ、埼玉県出身。
2017年5月結成。2477組がエントリーした「キングオブコント2017」(TBS系)で準優勝。ドラマ「海月姫」(フジテレビ系)のオープニングテーマ「Goサインは1コイン」を「カフェラテ噴水公園 feat.にゃんこスター」名義で3月にリリースしたばかり。ワタナベエンターテインメント所属。