「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン4の配信が開始された。今作には、千鳥の大悟とノブがシリーズ初となるコンビでの参戦を果たしている。お笑いナタリーが実施した視聴者アンケートの「出演芸人リクエストランキング」(参照:「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル Documentary of Documental」特集)において共にトップ10入りし、コンビでも18位と人気の千鳥。ファンから熱い期待を受ける彼らにインタビューし、開始直後から笑いが充満していたという「ドキュメンタル」初出場の感想を聞いた。
取材・文 / 狩野有理 インタビュー撮影 / 佐藤友昭
「あーもう出ます、出ます!」
──「ドキュメンタル」は2016年11月にシーズン1が配信されました。この頃芸人さんたちの間で話題になりましたか?
ノブ すごい噂になりましたね。自分もちょっと出てみたい反面、“赤紙”じゃないですけど、本当にオファーが来たらやばいぞ、とも思いました。しかも松本(人志)さんに呼んでいただくので断るわけにもいかないですから。自分が出ることを想像して「ツッコミで出るってどんな感じやろ?」って(フットボールアワー)後藤さんとか(FUJIWARA)藤本さんの動きに注目していたんですけど、こういうのってボケのほうが呼ばれるイメージがあったので、声がかかることはないだろうと観ている分には気楽でしたね。
──今回招待状を渡されて驚いたのでは。
ノブ もうほんまに断ろうと思いました(笑)。実際、最初は断ってるんです。そしたら「松本さんからの指名ですよ!」っていうのを5回くらい言われて、手紙にもしっかり「松本人志」って書いてあるしなあ……っていう。松本さんと次にお会いしたとき、「ノブ、断ったらしいな」って言われた場合の言い訳が思いつかなかったんで、「あーもう出ます、出ます!」みたいな。まさかこんな早く僕に回ってくるとはって感じでした。
──大悟さんは作品をご覧になっていましたか?
大悟 全部ではないですけど、普通に面白いなと思って観てましたね。「自分がここにおったらわろうてまうやろな」とか考えながら。
──ノブさんのように「いつか呼ばれてしまったら……」という恐怖は感じませんでしたか?
大悟 (参加費の)100万がね!(笑) それがなければ全然。
──招待状も素直に受け取れましたか。
大悟 招待状を渡されるところもすでにカメラが回っているんですよ。ノブの言うように断れる雰囲気でもないし、「今回断ってもまた来るんやろうな、じゃあ一緒か」って。
──諦めのように(笑)。
大悟 もちろん戦って勝ちたいっていう気持ちはあるんですよ。ただこれって笑かしたもんが勝つというか、笑ったら負けじゃないですか。ってなると、めちゃくちゃ弱いんです(笑)。自分でそれがわかってるから「絶対勝てんのになあ」と思いながら。始まって1分くらいで退場になってしまったら申し訳ないですしね。
ツッコミ一本。それでダメなら100万きっぱり諦める
──招待状をもらってからはどんな準備をしましたか?
ノブ 僕は2日間くらい悩んだんですけど、急にボケを考えつくわけないし、やっても面白くないやろうし、「今までやってきたことやるだけやな」って思って何も用意しなかったんです。
──その場で起こったことにツッコんでいこうと決めたんですね。
ノブ はい。もうそれ一本でいこうと。それで負けたら100万はきっぱり諦めようっていう思いに行き着いたので、準備はしませんでした。
大悟 僕はちょっと手違いがあって。用意してもらおうと思っていたものを前日に一応、「どうなってますか?」ってマネージャー経由で確認したら、番組側から「忘れてました!」って連絡があったんですよ(笑)。
──あははは(笑)。それはまずいですね。どうしたんですか?
大悟 でも、もともとそんなに準備していこうとも思ってなかったんで、「大丈夫ですよ」言うて、1個だけ低温ロウソクだけ用意してくださいってお願いしたんです。ロウを手にいっぱい付ける、みたいなことをやろうとしたんですけど、用意されていたのが本物のロウソクで、僕、両腕大やけどしそうになったんです(笑)。
──ええ!
大悟 だから僕も、何も用意してないことになってます。
慣れてるはずなのにクロちゃんのハゲ頭で笑う
──今回のメンバーでどなたが一番「うわ!」と思いましたか?
ノブ やっぱり大悟ですね。「コンビで出ていいんや」っていう驚きもありましたし。あとは(雨上がり決死隊)宮迫さん。「この人まだお金欲しいんか?」っていうのを考えたら笑っちゃいそうで(笑)。
──事前のコメント収録では「戦いたくない人」としてくっきーさんを挙げていました。
ノブ はい。だってバケモンじゃないですか(笑)。「どんだけドキュメンタルにお金払うねん、この人」っていうのもあって、くっきーさんがあの部屋に入ってきたときはたまらんかったです。パチンコで言うと閉店ギリギリで、まだ金突っ込もうとしてる人みたいな。
──大悟さんも、最初にノブさんを見つけて驚いていましたね。
大悟 普段、僕が何かやってノブがツッコんでるときって、僕がまず笑ってるんです。もうその身体になっているから、何か仕掛けてノブにツッコまれたらまずい、どうしようって思っていたところに、顔パンッパンに腫らした(ダイアン)西澤が来て……。これはもう勝てんなと思いました(笑)。こんな中で6時間、笑わずに過ごすことはできないって。
──まだ開始前なのに負けを悟ってしまった(笑)。
大悟 そんなこと考えてると、今まで1回も笑ったことない、クロちゃんのハゲ頭とかがおかしくなってくるんです。「ハゲてるやん」ってだけで笑いそうになったり、声が高いのも今さら「なんじゃこいつ」って思い始めたりしてしまって。慣れているはずなのに「コワモテで声高いって、こいつ何してんねん」と思ったらもう全部ダメでした。ボケの人が考えてきた面白い攻撃には「(ボケを)作った側の頭になれ」って言い聞かせて我慢できるかなと思えたんですけど、もうクロちゃんの顔が……。
──ツッコミのノブさんが苦手とするくっきーさんも、大悟さんのように「大振りなボケは大丈夫」で、「ちゃんとツッコむ人に弱い」とおっしゃっていました。ボケの人、ツッコミの人で笑いのツボって違うんでしょうか。
大悟 僕もノブとか藤本さんのタイミングよくスパンっと入るツッコミ食らったら全部危ないと思います。ボケはこっちがやらんとアカンこと、っていうのがあるからまだ耐えられるのかもしれないですね。
次のページ »
笑いメーターがパンパンで身動きできない
- Amazonオリジナル作品「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン4
-
出演者雨上がり決死隊・宮迫 / FUJIWARA藤本 / ずん飯尾 / 野性爆弾くっきー / スピードワゴン井戸田 / 千鳥・大悟 / 千鳥ノブ / 森三中・黒沢 / ダイアン西澤 / 安田大サーカス・クロちゃん
- 「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」とは
-
「面白いとはなんなのか」を突き止めるべく、松本人志が仕掛ける実験場。招待状を受け取った10人の芸人が1つの部屋に集い、制限時間6時間で笑わせ合う。最後まで残った者には優勝賞金1000万円を贈呈。参加者の様子は松本人志が30台以上のモニターでチェックし、笑った者にはイエローカード、オレンジカード、即退場のレッドカードが出される。シーズン2からは敵を笑わせるごとに1ポイントを付与する「ポイント制」が導入され、2人以上で制限時間を迎えた場合はもっともポイントの高い参加者が勝者に。またシーズン3からは脱落した芸人が一時的に復活できる「ゾンビタイム」が登場。生き残っている参加者全員を笑わせることができた場合、ノーコンテストとなり参加費は返還される。
-
出演者シャンプーハットこいで / 東京ダイナマイト・ハチミツ二郎 / バッドボーイズ清人 / 森三中・大島 / ロバート秋山 / とろサーモン久保田 / ニューロマンスおにぎり / スリムクラブ内間 / トレンディエンジェル斎藤 / 板東英二
- パイロットシーズン
-
出演者FUJIWARA藤本 / 宮川大輔 / ジミー大西 / ダイノジ大地 / 野性爆弾くっきー / 東京ダイナマイト・ハチミツ二郎 / とろサーモン久保田 / 天竺鼠・川原 / トレンディエンジェル斎藤 / マテンロウ・アントニー
- シーズン1
- Amazonプライム・ビデオとは
Amazonプライム会員(月間プラン400円/月、年間プラン3900円/年)向けのサービス。数千本もの人気映画やテレビ番組、またAmazonスタジオ制作によるオリジナル作品をいつでもどこでも、見放題で楽しめる。
©2017 YD Creation
- 「ドキュメンタル」シーズン4 特集
-
» ジョイマン高木特別寄稿
&現場潜入レポート - » 千鳥インタビュー
- » くっきーインタビュー
- » 清水翔太インタビュー
2017年12月28日更新