芸人が芸人を笑わせるという過酷なバトルが繰り広げられている「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」。お笑いナタリーでは全3回にわたる特集を企画し、番組ファンを代表するマキシマムザ亮君(マキシマム ザ ホルモン)のインタビューや、お笑いに精通するてれびのスキマによるコラムで本作の魅力を紹介してきた。第3弾となる本記事には次世代バラエティ女王との呼び声も高く、芸人との共演も多い岡井千聖を迎える。「ドキュメンタル」にどんな感想を持ったのか、タレントとして、また20代の女性としてたっぷりと語ってくれた。
インタビュー / 成田邦洋 文 / 狩野有理 インタビュー撮影 / 玉井美世子
この空間にいればいるほど本性が出てくる
──岡井さんには今回初めて「ドキュメンタル」シリーズをご覧いただきました。
最初はこの方たちの笑いが私にわかるのかなって不安だったんです。世代も上の方々ですし、すごくコアな笑いというか、私には難しい笑いなんじゃないかなって。だけど私にもわかるような、単純な笑いも満載で純粋に楽しめました。
──たしかに終盤になると巧妙な仕掛けというよりも素材そのもので勝負している印象を受けました。ほかにはどんな感想を持ちましたか?
本当に笑わせに行っている方とお金に必死な方の差がすごいなって思いました(笑)。必死さってこういうときに出ちゃうんですね。
──鋭いですね(笑)。たとえばどなたですか?
特にジャングルポケットの斉藤さんは「頭の中にお金のことしかないんだろうな」って思いました(笑)。本音も出ていましたもんね、バイきんぐの小峠さんに「お金あるでしょ、あんた!」って。普段通りの方もいれば、斉藤さんみたいにこの空間にいればいるほど本性が出てくる人もいて、人間の心理みたいなところがわかって面白かったです。
──大金が懸かっているから本性が表れるんでしょうね。
斉藤さんは一生懸命でかわいいイメージがあったんです。それが一生懸命の度を超えておかしくなっちゃって(笑)。でも金額が金額なので、私もお金に必死になっちゃうと思います。
──もし「ドキュメンタル」の招待状を渡されたら参加します?
絶対しないですよ! もし100万円を用意できたとしてもしないです。プロの方たちがあんなにヘコんで帰っていくわけですから。あんな地獄の6時間、生きていられないと思います。私だったら呼ばれただけで大満足。一生の自慢にします(笑)。
──℃-uteメンバーを楽屋で笑わせていたと聞きます。芸人さんじゃなくてアイドル同士の大会だったら勝てる自信はあるんじゃないですか?
でもけっこう笑いやすいんですよね。朝日奈央ちゃんとか、菊地亜美ちゃんがいたら負けそう(笑)。女の子バージョンだとしてもやっぱり怖いです。
これまでのイメージと違った芸人の姿
──普段芸人さんと共演していて「すごいな」と感じるのはどんなところですか?
人によっては、会うたびに全然キャラが違うんです。前の現場ではけっこうしゃべっていたのに、今回はガヤっぽい感じだなーとか、その場によって自分の立場を変えていて、すごく頭がいいんだなって思います。私はそこまで考えられないです。
──その場に合った役に徹しているんですね。
あとは、スタッフさんを笑わせている人。いつも面白いものを見ているスタッフさんたちを笑わせたり、空気がどんよりしたときに一言で場を明るくする人もすごいなって思います。
──「ドキュメンタル」を観て発見した芸人さんの新たな一面はありますか?
フットボールアワーの後藤さんは“MC”っていう印象が強くて、「ドキュメンタル」に出てるっていうこと自体が意外でした。でも、さすがMCという感じで、後藤さんがいなかったら今回のメンバー的に大変だったんじゃないかなっていうくらい重要なポジションだった気がします(笑)。あとケンドーコバヤシさんがこんなにも笑いを取ろうとしている姿って珍しいなと思いました。
──最近のテレビ番組での様子を観ているとそう感じるのかもしれません。
どっしりしていて、話を聞いてくれるイメージだったので少し驚きました。私は出演している皆さんがベテランになってからのことしか知らないので、「この方ってこういうお笑いのタイプだったんだ!」って初めて知ることも多かったです。
松本人志と芸人たち
──「ドキュメンタル」を手がけているのは松本人志さんです。出演している芸人さんたちにとって松本さんやダウンタウンは絶対的な存在だと思うんですが、岡井さんはどうですか? 共演される機会もあると思いますが。
私はダウンタウンさんの世代ではないんですけど、すごい方たちなんだっていうのはオーラで感じます。たくさんの方と共演して最近やっと心にゆとりができてきたんですけど、やっぱりダウンタウンさんにお会いするといつも緊張します。「ドキュメンタル」は松本さんを心からリスペクトしている方たちが集まっているから悔しそうな気持ちもすごく出ていました。
──悔しそうっていうのは?
思ったように笑わせられないで退場していく方がすごくショックを受けているように見えて……。松本さんがいるからこそ、この緊張感が生まれているんだなと思います。あと誰かが笑っちゃって、松本さんが毎回カードを出しに部屋に来るじゃないですか。そうすると皆さんの姿勢がビシ!ってなるんです。
──細かいところまで観てますね!
松本さんだからこのメンバーを集められるんだなって思いました。似ている人が1人もいないし、みんな独特! やばいです、個性が(笑)。お笑いの世界で生き残ってる方たちでできあがってる番組ですよね。「こんな天才いたんだ!」って思ったし、天才が天才にやられていくから誰がこの中の頂点に立つんだろうって最後まで気になっちゃいました。
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この職業に命かけてるんだな
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シーズン1
出演者
FUJIWARA藤本 / 宮川大輔 / ジミー大西 / ダイノジ大地 / 野性爆弾くっきー / 東京ダイナマイト・ハチミツ二郎 / とろサーモン久保田 / 天竺鼠・川原 / トレンディエンジェル斎藤 / マテンロウ・アントニー -
シーズン2
出演者
FUJIWARA藤本 / 宮川大輔 / ジミー大西 / バナナマン日村 / アンジャッシュ児嶋 / バイきんぐ小峠 / 森三中・大島 / ダイアン津田 / 平成ノブシコブシ吉村 / ジャングルポケット斉藤 -
シーズン3
出演者
極楽とんぼ山本 / TKO木下 / ケンドーコバヤシ / 野性爆弾くっきー / フットボールアワー後藤 / サンドウィッチマン伊達 / ロバート秋山 / レイザーラモンRG / オードリー春日 / プラス・マイナス岩橋
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- 岡井千聖(オカイチサト)
- 1994年6月21日、埼玉県生まれ。2002年の「ハロー!プロジェクト・キッズ オーディション」に合格し、2005年よりアイドルグループ・℃-uteのメンバーとして活動する。2007年にシングルCD「桜チラリ」でメジャーデビュー。グループ内ではムードメーカーで、パワフルなボーカルに定評があった。2017年6月12日、さいたまスーパーアリーナでの単独公演をもって℃-uteは解散。グループ解散以前より、親しみやすいキャラクターを武器にさまざまなバラエティ番組で活躍している。「パンサーの『競輪、はじめました。』seasonII」(BS日テレ)にレギュラー出演中。
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