えんにち望月ホ～ゥ⁉でどんでん返し、アウトレイジ新喜劇

昨日7月25日、東京・ヨシモト∞ホールにて「アウトレイジ新喜劇 全員悪者」が上演された。

えんにち、笑鷺、鬼越トマホークという強面芸人が集結した同公演。先日7月19日に行われた会見でも「俺らの時代が来た」と気合い十分だった3組に加え、かたつむり、スパイクも出演した。

舞台は渋谷にある「望月病院」。渋谷では暴力団の「∞組」と「彩り会」が抗争中だ。その原因を作った「裏原組」の鬼越トマホーク・坂井は冒頭から映画「アウトレイジ」さながらに凄みを効かせる。どんな任侠ドラマが始まるのかと思いきや、いきなり新喜劇調のほんわか音楽が流れて緊張していた会場の空気も一気に弾け大爆笑。さらに坂井は風貌を生かして安田大サーカス・クロちゃん風に話し、そのそっくり具合に笑いとともに拍手が起こった。

続いてえんにち望月のもとへ現れた刑事役のかたつむり林は、序盤からビートたけしを意識した演技で盛り上げる。そして坂井と撃ち合いになり、ズキューンという銃声とともに銃弾の衝撃以上に飛び上がって観客を沸かせた。後輩刑事の鬼越トマホーク・金野も額を撃たれたにもかかわらず「大丈夫です。俺ここ（額）鍛えてるんです」と笑わせる。また、林は電話口の相手に「奇跡体験！アンビリバボー！」と渾身のモノマネも。さらに∞組若頭のたかたつむり中澤を病院に連れてきたスパイク小川は、島田珠代ばりの下ネタを炸裂させ笑いを誘った。

入院することになった中澤の頭に巻かれた包帯を、望月が巻き直そうとすると「そっちじゃないっすよ。それ、ファッションでやってますから」と言って笑わせる中澤に、望月は「病院にそのファッションは紛らわしいですよ！」と鋭くツッコミ。2人目の入院患者を待ちながら「この流れだと絶対また変なやつ来るよ～」と肩を落とす望月のもとへスーツ姿の笑鷺・阿部が登場。「あれ？ 普通の人来たな」と予想を裏切られた望月に、阿部は「あぁ!? 苗字が阿部、身長170、血液型A型、どこが普通だよ!!」と凄んだ。阿部のアニキことえんにち・アイパー滝沢が現れると「邪魔するで～」「邪魔するなら帰って～」「はいよ～」というやり取りに会場も大喝采。殺し屋であるアイパーのバッグにはライフルのほか編み物道具もしっかりと収められていた。

「殺し屋の鉄則を言ってみろ！」と言われた阿部が「スキニージーンズを履かないこと」と答え、アイパーは「そうそう。殺し屋がタイトなジーンズにねじ込む、バカ！」とノリツッコミして見事な掛け合いを見せる。腰痛で望月病院にお忍び入院中の笑鷺・濱口は、彩り会のナンバー1だと自ら望月に暴露。「彩り会ナンバー1!?」と驚く望月に「彩り会ナンバー1ってデカい声で言うな!!」と全力の大声で制止した。そして濱口が命を狙っている人物を「知ってます」と口を滑らせた望月は「切手食べますって言ったんです」と無理矢理ごまかす。「10円切手がおいしくて。濱口さんは何円切手が？」「ん～収入印紙！ 何言わしとんじゃ！」とここでも王道のノリツッコミに大きな笑いが起こった。

濱口の妻役を務めたスパイク松浦は、終始新喜劇イズムを踏襲した立ち振る舞いで観客を魅了。芝居の佳境となる撃ち合いのシーンでは、まさに「アウトレイジ」と言える凄み合戦が繰り広げられ、「なんだこのブス～！」と暴言を吐く濱口に、松浦は「確かにワイはブスや!!」「ワイを殺せ！ 何ビビっとんじゃワレェ!!」と迫力の演技で笑いをかっさらった。また、それぞれに銃を突きつけ合い、誰が誰を狙っているかややこしくなった林は一旦整列を要求。一列に並んで銃を構える一同を見て「ピタゴラスイッチみたい」と鬼気迫るシーンにそぐわない発言で笑いの空気に包み込んだ。さらに銃を突きつけられた濱口の盾になる金野がなにやらポーズを決める。そして「おまえただのデブじゃないな！ まさかGLAYの……」「そう！ テル！」という掛け合いにも会場は沸いた。

「復讐なんてやめましょう」という小川の言葉をきっかけに和解することができ、アイパーらは実は刑事だった松浦とともに警察へ出頭。これにて一件落着かと思われたが、これまでボケ倒すヤクザたちをさばいてきた望月がまさかの行動に出る。ラストは望月がアイパーさながらに「ホ～ゥ!?」と吠えて、盛りだくさんの舞台は終幕となった。

上演後、スクリーンには「アウトレイジ新喜劇 続編決定」の文字が。内容は「六本木マフィアVSヤクザ連合」とのことで「アウトレイジ新喜劇クリスマスビヨンド」として届けられることが発表された。また、会見での約束の通りアイパーお手製の手編みコースターを観客にプレゼント。最後は全員で一丁締めで幕を閉じた。今回見逃した人も、ぜひ次回の「アウトレイジ新喜劇クリスマスビヨンド」に足を運んでみよう。