関西テレビ・フジテレビ系で3月8日(土)に生放送される「R-1グランプリ2025」のファイナリスト9名のコメントを、お笑いナタリーが1名ずつ掲載中。この記事では8人目・
田津原理音は2023年の王者で、決勝進出は2度目。彼のほか、ヒロ・オクムラ、チャンス大城、ハギノリザードマン、ルシファー吉岡、吉住、さや香・新山、友田オレ、マツモトクラブが決勝の舞台に立つ。23代目王者になるのは果たして誰なのか。
田津原理音 コメント
──決勝戦進出が決まった瞬間を振り返っていかがですか?
もちろんうれしかったんですけど、めちゃくちゃ泣いちゃったんですよ。それが“うれし涙”ではなくて。今井らいぱちさんやkento fukayaさん、真輝志やソマオ・ミートボール……大阪のよしもと漫才劇場からずっと一緒にやってきたピン芸人たちが、1人も決勝に行けなかったんですよ。みんなの準決勝のネタを見ていて、僕自身も好きなネタやったし絶対に行けると思ったのに。この人たちと一緒に行けないとわかった瞬間、寂しくて悲しくて涙が出てきました。夏の高校球児の、最後のベンチメンバー発表の瞬間みたいな。「こいつらと甲子園行きたかったな」って。だから、勝手にですけど、僕は「よしもとピン芸人を背負って優勝するぞ」という気持ちになっています。
──大阪のよしもと漫才劇場メンバーの絆を感じます。
去年初めて決勝に進んだ真輝志とは、「今年は絶対一緒に決勝行きたいな」って何回も話していて。kentoさんは3回も決勝に行っているのに、まだ一度もR-1で直接対決したことがなく、今年こそと話していて。もし決勝のファイナルステージで、僕と真輝志とkento fukayaさんの3人で戦うことになったら、「一生ユニットライブしような」って。「2025」という名前のユニットライブしようなと約束していたので、余計にこみ上げるものがありました。
──田津原さん自身は、決勝に進む自信はありましたか?
前に優勝したときと一緒で、「これでダメならもうダメだ」と思えるところまでネタを持ってこられた自信があったので、悔いがなかったんですよ。「余裕で行ったったわ」ではなく、「覚悟が決まっていた」というか。だから、自分の結果にはそんなに驚かず、あとはやるだけという感じでした。
──R-1王者としての挑戦となります。今年エントリーを決めた理由は?
僕は漫才師に憧れてお笑いを始めました。養成所のNSCに入って、漫才師でやっていくためにコンビも組みましたが、4回解散して。そんなフワフワしているときに出たR-1の予選で、ルシファー吉岡さん、マツモトクラブさん、三浦マイルドさん、おいでやす小田さん……おじさんピン芸人のネタを初めてちゃんと見て、めちゃくちゃウケているのを目の当たりにして、「めちゃくちゃカッコいい!」って思ったんですよ。「俺はこの大会で勝ちたい。この人たちと戦いたい」と思って、ピン芸人になることを決めました。僕が優勝したのは芸歴制限があった年なので、(芸歴制限が)撤廃された今、その憧れの人たちと戦えるなら、出るしかないでしょ! それがエントリーを決めた一番の理由ですね。
──優勝された2023年大会とは、まったく違う顔ぶれとなっています。今大会のファイナリスト9人を見ていかがですか?
すごく「R-1」って感じですね(笑)。吉住とも「戦わないと」と思っていたのでよかったです。あと僕、友田オレに、勝手に年齢近いと思われていたらしくて。この間、8歳差とわかったときに「すごくがっかりしました」って言われて……いや知らんがなっていう(笑)。勝手に逆恨みされたという恨みがあります(笑)。でもやっぱり、この人たちと戦えるというのがワクワクしますね! 僕が憧れた人たちなので、視聴者の皆さんに僕が一番見てほしい人たちでもあるんですよ。「面白いから見て!」という方々がそろっているので、そういう面でもすごく楽しみです。
──決勝進出者発表会見でも、田津原さんが「R-1は楽しい」とおっしゃっていたのが印象的でした。
もう楽しい。ほんまに楽しい以外ない! 出てよかったなってめっちゃ思います。ほかの賞レースと違って、R-1って全員違うジャンルなんですよ。僕だったらフリップやモニター、優勝したときはカードを使って。ほかのファイナリストの皆さんも、1人コント、漫談、モノマネ……全員違うものを極めています。そのすべてのジャンルの1位が集まったのが決勝戦なんですよ。いわば、グランドスラムですね。ほかに漫才やコントの1位を決める賞レースはありますが、R-1はフリップの1位を決める大会でも、漫談の1位を決める大会でも、モノマネの1位を決める大会でもない。すべてのピン芸の1位を決める大会なんです。だから、面白くない人が出ているわけがない。ファイナリスト9人を見て改めてそう思うので、ぜひ注目して見てほしいです。こんなすごい大会、楽しいに決まっているじゃない! あと、ピン芸人って、ピン芸がめっちゃ好きなんですよ。他人のピンネタを見るのがめっちゃ楽しい。なぜかと言ったら、自分じゃできないことをやっているから。僕がルシファーさんのネタをやれと言われても、勝てないとわかっている。逆にルシファーさんも、僕のネタを作れと言われてもたぶんできない。各々の道を極めている人たちだから、ライバルっていうイメージではないんですよね。自分にはできないことをやっている人の大会という感じで、尊敬のまなざしでしかないんですよ。ほかの人のピンネタを見て、面白くないと思うことはまずないです。全員が誰にも負けないところを持っている。そんな人たちが一堂に会する大会なので、出場してネタをするのも楽しいし、もちろん見るのも楽しい。だからほんまに「楽しい」でしかないんですよね。
──田津原さんが思うご自身のアピールポイントはどこですか?
日常を切り取る着眼点。そこに自信があるのと、それを表現するための見た目、パフォーマンス能力があることが武器だと思います。僕は良くも悪くもプレーンで、どこにでもいる見た目なので、見ている方もネタに入り込みやすいと思います。僕がやっていることを、仮にチャンス大城さんがやっても合わないと思うので(笑)。
──優勝したら、なだぎ武さんに続く「R-1」2冠となります。
僕、どことなくなだぎさんと顔も似ていますよね?(笑) なので、優勝できたらそっくり…そのまま当時のなだぎさんを再現したいと思います(笑)。17年ぶり…長らく2回優勝する人は出ていないので、狙っていきたいです。
──最後に、田津原理音さんにとって「R-1グランプリ」とは?
「原点」です。僕がピンネタをするきっかけになった大会で、出場することによってそのことを思い出させてくれます。R-1がなかったら、たぶん僕、芸人やってないので。R-1のために芸人人生を捧げていると言っても過言ではない。本当に、原点です。
R-1グランプリ2025
関西テレビ・フジテレビ系 2025年3月8日(土)18:30~20:54
<出演者>
MC:霜降り明星 / 広瀬アリス
審査員:陣内智則 / バカリズム / 小籔千豊 / マヂカルラブリー・野田クリスタル / ハリウッドザコシショウ ほか
ヒロ・オクムラ / チャンス大城 / 田津原理音 / ハギノリザードマン / ルシファー吉岡 / 吉住 / さや香・新山 / 友田オレ / マツモトクラブ
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