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最優秀賞は西加奈子、劇団ひとり&俵万智出演「共感百景」開催

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昨日11月12に東京・草月ホールにて劇団ひとりMCの「共感百景」が行われた。

「共感百景」は、テーマに沿ってプレイヤーが自由律の俳句を2つずつしたため、より共感を得た人の作品を最優秀賞に認定。今回は劇団ひとりがMCを務め、特別顧問の俵万智がプレイヤーの俳句を評価した。プレイヤーは前回に引き続き、よゐこ有野、カリカやしろ、清水ミチコ、星野源、レイザーラモンRG。そして新たに小説家の西加奈子が登場した。

今回イベントライブのMCをほとんどしたことがないというひとりだけに、ファンにとっては貴重なライブ。冒頭でひとりは前回最優秀賞が「東京」をテーマに詠んだ星野の「その名前の劇団には行かない」だったことを知ると、微妙な顔で「グサっときた」と会場を笑わせた。前回東日本大震災のため急遽出演ができなくなった俵は、このイベントに対して「名もない小石に名前を付けるような」と表現。「例えば30文字でも100文字やそれ以上のことが伝わってくるようなものを」と期待を寄せると、すでにその表現力に感嘆したひとりは「過度な期待はしないでください」と添えた。

最初のプレーヤーは清水ミチコ、カリカやしろ、レイザーラモンRG。解説は有野が担当した。お題は「トイレ」。清水の小学生男子に対する素朴な疑問を詠んだ詩には、俵も「短いだけがいい訳ではないけど、これだけ話が広がるのは素晴らしい」と感心した。優秀作品はやしろの「出すぎだ!! 僕はそんなに食べてない」。これには子供のいる俵が「グッときた。私も子供を見てて『そんなに食べさせてないのに』と思う」と語り、ひとりも「1才の子供に完全に抜かれたことある」とかなり共感を示していた。

第2局は有野、やしろ、星野がプレイヤーで、RGが解説。お題は「学校」でシンキングタイムとなった。その間RGが「学校」に関して1つだけあるあるがあるということで、C-C-Bの「Romanticが止まらない」にのせて「教頭先生セダン乗りがち」と歌うと、RGとは普段なかなか絡みがないひとりも「待った甲斐があったわ~」と顔をほころばせた。やしろが「こんなにウケたの見たことがない」と言うと、観客からお題を募り、今度は「アラサー」をWham!の「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」にのせて「アラサーはアニエス・ベー着がち」と歌ったがいまいち伝わらず、「『かかとカチカチになりがち』と迷った」と悔しがった。俳句の方は、星野の「ゲロ・スパイラル」と有野の「可愛い転校生など来はしない」で俵が苦悩。しかし過疎指定地域で育ったというRGが「転校生はめったに来ないので、それだけで輝いて見えた」と語ると、俵はその話を元に「普遍性という意味で」と星野の作品が優秀作品に選ばれた。

第3局は西、清水、RGというメンバーで、お題は「靴」。シンキングタイム中には解説のやしろが、前回ライブの打ち上げでやしろとRGが清水をめぐって繰り広げたというミニコントを披露した。そのRGはすべての回答に「○○がち」と付いていることで全員から総ツッコミ。すると俵から「自分のスタイルを持っているというのは1つの強み。ただこれは発射台だから、詩ができたら取ればいい」とアドバイスがあり、RGも「こんなに傷つかないダメ出しは初めて」と大いに勉強になった様子だった。今回の結果は清水のシンデレラモチーフの作品からRGがマンガ「NANA」の話に広げたことに、俵が「またRGさんに助けられてしまったんですが、ここまで話が広がるとは」と反応を示し、清水の作品が選ばれた。

最後は西、有野、星野によるテーマ「音楽」の創作。ミュージシャンである星野はこのテーマに対して色紙の中央に「アーティスト」と書いた作品を提出すると会場はシーンとしてしまい、ひとりも「削りすぎじゃないですか」とその真意を尋ねた。「余白で察してほしかった」という星野に、俵も「察しのいい人ならわかるかもしれないですが、“いつから”を付けるとか」とアドバイス。すると星野は“いつから”を添えた色紙を取り出し、「悩みに悩んで間違えた」と悔しがった。ここでの優秀作品は西のロックをモチーフにした作品。西は「これをしたり顔で言ってる奴がいて、それはYahoo!ニュースのコメントで何千人もが言ってるのに」と説明すると、ひとりは笑いながらも「俺も言ったことある」と恥ずかしがった。特に作品の最後に「うるせぇ」と加えてあることが共感を呼び、俵も「ほんと感動した。削るだけが能じゃない」と絶賛。RGは「字体もいい。文系女子が歯向かう様が出ている。『うるせぇ』だけTシャツにしたい」と褒めた。

エンディングでは俵が今回の優秀作品の中から、最優秀賞を「共感度が圧倒的」と西の作品に決定。笑いのみならず、「おおー」という共感の声や、思わず拍手が出る場面も多々あった今大会に観客からは最後全出演者に大きな拍手が寄せられた。

「共感百景」インタビュー

劇団ひとり:みなさんのセンス剥き出しな感じがすごく面白くて、テレビっぽくない感じがいいですね。初めてお会いした西さんに、こんな逸材がいるんだってビックリしましたね。詩のセンスもともかく、肝っ玉の強さもあって今後テレビにも呼ばれるんじゃないでしょうか。

西加奈子:ほんとに楽しかったです。テーマもらったときに「かぶるんちゃうん」って思ったんですけど、全然かぶらへんからそれぞれの思い出があるんやなと。

俵万智:最後の作品はもちろん素晴らしかったんですが、全体のレベルも高くて。すべての作品に駄作がなかったと思います。最初に「小石に名前をつける」という話をしたんですけど、ほんとに身近な石ころに名前が付けられて、観客のみなさんが満たされた気持ちになってるというのが伝わってきました。すごくいい時間だったと思います。ここまで言葉で遊べるというのは素晴らしいですね。

ひとり:いや、随所随所で俵さんがおっしゃるコメントが素晴らしくて。面白かったんですけど、それだけじゃなくてためになりました。会場の方も詩を作ることはなかなかないと思いますが、何かを作るという意味ですごく勉強になったんじゃないかと思います。僕イベントライブのMCというはほとんどやったことないんですが、すごく楽しかったです。

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