「火花」は今年1月発売の雑誌「文學界」に掲載された、又吉の文芸誌デビュー作。お笑い芸人の徳永という主人公を軸に、人との関係性や笑いに対する哲学などが描かれている。本作は3月12日現在で3刷まで重版され累計部数25万部に達した。
会見で小説を書くきっかけを尋ねられた又吉は、「ずっと本好きを公言していたんですけど、なかなか書く自信がなかったというか。でも去年の夏すぎくらいに人知れずテンションが上がって、それで書こうかなと思いました」と回答。「作品になって読んでもらえるのがすごくうれしいです」と感想を述べた。
登場人物については「具体的にこれが誰っていうモデルはいないです。でも僕は今、後輩芸人2人と一緒に住んでるんですけど、常々先輩と後輩の関係性って変やなと思っていて。デビューしたての頃からお世話になっている先輩とか、そういう人たちの面影は少しずつ入っているかもしれないですね」と解説。さらに「映画化したときの希望の配役は?」という質問には「映画化の話は一切出てないんですけど、一度(明石家)さんまさんにごはんに連れて行ってもらったときに『お前の本、評判いいらしいな』と言われて、『映画化になったら主役のオーディション受けにいくわ』って言ってくださいました」と話し、「主人公は20歳の設定でそこから10年くらいの話だと説明したんですけど、さんまさんは『いけるいける!』って言ってました(笑)」と驚きのエピソードを披露している。
本書の発売日には実際に書店へ足を運んだという又吉。「昨日、同居人の(ジューシーズ)児玉っていう奴と、仲のいい構成作家と3人で本屋まで行ったんですけど、途中で怖くなって児玉に『先に行って見てきてくれ』って頼みました。ありましたよ、と報告を受けてから僕もちょっと見てきました」と発売当日の緊張感を告白。実際に書店に並んだ様子を目の当たりにし「めちゃくちゃうれしいです。自分の本が並んでいるというのは不思議な感覚」と喜んだ。さらに「母親から『花火読んだよ』というメールが来ました」と笑いを誘っていた。
ピース又吉 コメント
「火花」という小説を書きました。あほが書いた小説です。あほなりに人間を見つめて書きました。生きているとしんどいこともあります。そんなとき、散歩したり本を読んだりすると、少しだけ楽になることがあります。誰かにとってそんな本になればうれしいです。色の薄い壁に立てかけると映えると思います。よろしくお願いいたします。
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又吉「生きているとしんどいこともあります。そんなとき、散歩したり本を読んだりすると、少しだけ楽になることがあります。誰かにとってそんな本になればうれしい」/ピース又吉初の小説「火花」刊行、発売日は後輩と本屋を視察 http://t.co/XtVx2C9FEN