記録的大雪に響く爆笑、ピーマンズスタンダード単独ライブ

昨日2月8日、東京・松竹芸能 新宿角座にて、「ピーマンズスタンダード単独ライブ～マブ～」が開催された。

ピーマンズスタンダードが単独ライブを行うのは4年ぶりだが、この日は気象庁が13年ぶりに東京23区に大雪警報を発表するという異例の事態。そのため開演を10分遅らせてのスタートとなったが、開演30分後には客席はほぼ満席となっていた。

オープニングコントのあと、最初の漫才で2人は「よう来たね」と目を細めて感謝。大雪に腹を立てながらも、気持ちを切り替えて、2人らしいリアリティを追求したコントを模索し会場を爆笑させた。幕間はブルーライトの中、舞台上で2人が生着替え。「恥ずかしい」と嫌がる南川をよそに吉田は「俺らのライブにお客さんが何を期待するか……オシャレでしょ！ 原宿系漫才に表参道系コントでしょ！」と自信満々の様子だった。

続くコント「遭難」では、遭難した2人が気を紛らわせるために始めた“あるコト”で会場の目をくぎ付けに。コント「事情聴取」では、海外に逃亡していた知能犯・南川に、事情聴取を担当する刑事・吉田が告げた事実で爆笑の連続。2つ目の漫才では、吉田が普段とは正反対の熱く真面目すぎる姿で笑わせた。

その間の着替え中に、吉田は「2人で着替えると絆が深まるな」「今日からいろんなこと水に流して、腹割って、親友にならへんか」など、南川に対してまさに“マブ”な接し方。しかし、“アイヒマンスタンダード”として人気が出た頃の話になると、南川が「まあ、お前は嫌な奴やったよ」と暴露話に。吉田は「ただの嫉妬から邪魔した」と深々と頭を下げたが、かつて吉田が営業先で「エロい中国人」ネタを披露し出入り禁止になったことは忘れられない様子だった。

後半のコント「河原」では、野球に青春を賭けた学生2人が河原で語り合うも、吉田の自覚なき罪に南川は戸惑うばかり。一方コント「プロ野球選手」では、フラリと小さな焼き鳥屋に入ってきたプロ野球選手・南川に店長の吉田がまさかのライバル心むき出し。コント「刑事」では、敵のアジトで見つけた重要な代物を前に2人の刑事が探り合う。最後の漫才では、「コンビで売れるためには華がないと」と、南川が吉田の大胆なイメチェン案を発表。いずれのネタもシンプルでわかりやすい設定ながら、さりげなく卓越した演技力と、2人の特性を重視した内容で、しっかりとピーマンズスタンダードの世界に仕立て上げられていた。

エンディングでは、吉田が幕間に「個性やと思う」「ネイルになるかも」「ドアノブでもいい」と褒めちぎった南川の頭写真を紹介。ドアノブ、電球、魚、マイク、ナンなどに生まれ変わった南川のスペシャル画像に南川は「めっちゃ気持ち悪い」を顔をしかめたが、観客には大好評だった。最後に南川が「ケガだけは気を付けて帰ってください」と言うと、吉田は漫才の続きのように「治療費は自分に払わせてください！」と深々お辞儀。そして、「またぜひ近いうちにやりたい」と宣言して、幕が閉まりきるまで2人は頭を下げていた。

記録的な大雪の日に久々の単独ライブを無事成功させたピーマンズスタンダード。結果、劇場の中と外からいいネタを手に入れ好発進した彼らの今後の活躍にぜひ期待しよう。今後の活動は新宿角座もしくは松竹芸能オフィシャルサイトにて。