ZOC|メジャーデビュー、武道館公演、新メンバー加入を経て放つ渾身の初アルバム

レコーディングは全員集合

──初期メンからすると念願の1stアルバムですよね。

藍染カレン

藍染 念願です。アルバムを作るよと決まったときから本当にうれしくて。こんなにたくさんレコーディングをさせてもらえるのも楽しかったです。レコーディングはすごく勉強になるし、ほかのメンバーの歌もしっかり聴くことができるのですごく好きで。アルバム制作期間は音楽と向き合う時間がたくさんありました。できあがったアルバムは22曲も入ってて、今までのZOCの曲もかっこよくリアレンジしてもらったし、8曲も新曲を用意してもらったので、これはもう聴いてもらわないと困ります(笑)。

──大森さんのナンバーが入ったのはどんな経緯からなのでしょうか。

大森 そもそも「GIRL'S GIRL」も「ZOC実験室」も(2018年発表の大森のアルバム「クソカワPARTY」収録)ZOCを始めることを前提に作っていたんです。「GIRL'S GIRL」は、自分の話じゃなくて、女の子たちが歌う曲という構想があって。ZOCもまだなかったけど、話だけふわっとあった時期に作った曲なんです。

──「GIRL'S GIRL」がZOCの原案曲だったということをツイートされていたので、そうだったんだ!と思いました。

藍染 私も思いました(笑)。

大森 なので、ミュージックビデオにミスiDの方たちにたくさん出ていただいてるんですよね。

──西井さんもアルバムはうれしいんじゃないでしょうか。

西井 うれしいです。知り合いからLINEがきて、「22曲!? レコーディング大変だったでしょ」みたいに言われたんですけど、普通に楽しかったからあんま大変じゃなかった。

──皆さん楽しく録れたんですね。

雅雀 いや、私は大変だった。緊張した。台詞は言えるの。でも、歌がさあ……。ほかの人がレコーディングしてるのも聴くんだけど、ついつい現実逃避して振りを考え始めるの(笑)。

西井 やってたやってた。控室に行ったらり子が1人で踊ってた。

雅雀 そうそう、メモとかしてて(笑)。「違う違う。今はレコーディングだ」って言い聞かせたりして。

西井 レコーディングは楽しいんだけど待ち時間が長い。

大森 すいません(笑)。

藍染 勉強のためにまろさんが録ってるところを聴きに行ったりするんですけど、にっちやんも一緒に見に行くのが真面目でかわいんです。

西井 そして、まろの歌を聴いて自信を失う(笑)。のどかに「あれは無理だよね。うますぎて参考にならない」とか話したりして。

鎮目 うまいです。

大森 ミトさんが衝撃を受けてました。「なんじゃこりゃ……」って。

 「巫まろはすごい」って呟いてってミトさんに言ったんですけど、全然書いてくれない。ミトさんのツイートまだ待ってますので。

──(笑)。ZOCは全員で集まってレコーディングするんですね。

大森 なるべくそうしてます。私は朝からずっとディレクションしてて、こう歌ってくださいとか、緊張させないようにとかしてるんですけど、にっちやんだけ都合が違って、「誰々風で」とか「今こういう場所にいて、こういう状況で、さてどうする?」ってお題を出したりしながら録るんです。

西井 嘘? 私だけなの?

大森 にっちやんだけだよ(笑)。そういうのをやる中で、「あの子のああいうのが欲しくなってきた」って思い付いたときに、ちょっと来てもらって録ったりする。だからみんなに待ってもらったりするんです。

 私にはそれが新鮮で。以前のグループでは曲が完成するまでは歌割りも知らなかったけど、今は知ったうえで練習して来れるんです。でも、私は今でも自分が録る前はほかのメンバーの歌を聴かないようにしてます。自分で練習してきたものが少なからず人に引っ張られて崩れちゃうのがイヤなので。

西井 へー。うちは聴いたほうがうまくいく。

大森 にっちやんと私は同じタイプで、この人がこうだから、ここで自分の声がこうきたらカッコいいよなって考えたりするほうだよね。

このインタビューで初めて言いました

──それぞれ思い入れのある曲を教えてください。

鎮目 「濃♡厚♡接♡触」は聴いてて楽しくて、テンポ感も好きです。「CUTTING EDGE」も、ここがというよりは全部好きです。「端っこで生きてきた だから最先端も私なんだ」とか、自分に当てはまるところがあるなと感じてました。

──先ほど大森さんから「『CUTTING EDGE』は鎮目さんをイメージして作った曲だ」というお話もありました。

鎮目 自分をイメージして作った曲とは言われてなかったんで、めちゃめちゃうれしいです。

──あとから聞いたんですね。

大森 いや、このインタビューで初めて言いました。

──え! ここが初出しですか!

大森 みんなに自分の曲だと思ってほしいので言わないようにしていたんですけど、インタビューの取れ高がほしいので言っちゃいました(笑)。

──ありがとうございます(笑)。「CUTTING EDGE」は圧倒的な曲ですよね。キーもかなり高いのが印象的です。

西井 これがレコーディングで一番緊張した。自分じゃこの音は出せないんじゃないかなと。でも、歌ってるうちに歌えるようになっていったんです。

──大森さんがそのギリギリあたりを設定してるわけですよね。

大森 がんばれば出るけど、ちょっと無理はさせてるなという。この曲は普通だったらサビのみんなで歌うようなところを1人で歌っていて、1人になるはずの落ちサビを全員で歌うんです。これがZOCのやり方だというのをやってみました。

西井 あと、私の中での靖子ちゃんの曲のポイントなんですけど、歌詞の一発目でカマしてくるじゃないですか。一発目に衝撃的な言葉を持ってくることによって、続きが気になる。

──「CUTTING EDGE」は「自殺サイトも」で始まりますね。

西井 そこを歌ってるのが私というのが光栄です。

大森 歌い始めがにっちやんの曲はこれが初めてなんだよね。

──大森さんの書くひと言目のインパクトは本当に強烈で、1曲目の「CO RO s NA」から「生理じゃないのにイライラしてるな」なんですよね。

大森 生理とか自殺とかホントにそうですよね(笑)。

──ほかの収録曲についても聞かせてください。巫さんは特に好きな曲を挙げるとすると?

巫まろ

 私が加入してから作られた曲がこのアルバムで一気に増えたのがうれしいんですけど、中でもお気に入りは「LiBiDo FUSION」です。

大森 これはまろ曲なので。

 共感しかないです。

藍染 言った!

──「私が人生で一番やばい女だよね♡」や「私が気持ちよけりゃいい ついでにあなたも気持ちよけりゃいい」など、かなり際どい歌詞ですよね。

 こういうようなLINEを靖子ちゃんに送ってたら、いつの間にか曲になっていて、まさかアルバムに入ることになるとはという。

大森 まろは曲作りやすいよ。いっぱいLINEが来るのでいっぱいできます。

──メンバーとの会話からインスピレーションを受けて曲を作る場合が多いんですか?

大森 そうですね。私の言葉を歌うのも楽しいと思うけど、自分の言葉を歌うほうが気持ちいいだろうなと思うので。1人ずつの言葉にメロディを付けるのが自分の仕事だから。

 この曲の台詞の部分が靖子ちゃんの手書きで送られてきたんですけど、事実だから恥ずかしくて。スタッフさんたちにバレちゃうじゃんと思って。

雅雀 いや、スタッフさんどころじゃないから。

西井 アルバムが出たら世間にバレる(笑)。

大森 でも、まろは言っていったほうが面白いよ。あと、(ハロプロ研修生の)「彼女になりたいっ!!!」の歌詞をちょっと使ってるんです。「天然素材」とかのあたり、意識してます。

藍染 そうなんだ! 今気付いた!

 「お肌ぷるぷるしたいの」とか? やば!

大森 「大人になってもずっとこういう曲を歌い続けますけど何か?」という気持ちで作りました。

 研修生期間が無駄にならずによかったです(笑)。

端っこで生きてきたから

藍染 私は一番がんばったのが「CUTTING EDGE」で、一番スッと入ってきたのが「CO LO s NA」でした。もちろんどの曲も共感できるんですけど、私はこういうことを歌いたいよと思ったのが「CO LO s NA」で。前日からノリノリで気持ちを作ってレコーディングに挑みました。あと、「眼球にGO!」という曲をすごく楽しみにしていて。神前暁さんにかわいく編曲していただいたものがアルバムに収録されたのがうれしいです。にっちやんの台詞パートもすごく好きです。

──神前さんの起用は驚きました。アレンジのみを手がけることは滅多にないですよね。

大森 一緒にお肉を食べに行ったときから狙ってました。「LiBiDo FUSION」の主人公のごとくアプローチを掛けました(笑)。

雅雀 私はどの曲がどうというより、自分がZOCになる前から思ってたことなんですけど、いつも歌割りとか台詞がガッチガチにハマりすぎていて。だから私に振ってくれる台詞も完璧だったんです。もう役者やろうかなと思うくらい(笑)。

大森 り子は1回目でできちゃうタイプで、2回目は調整しにいくけど1回目が一番いいっていう(笑)。

雅雀 そうかも。即興で踊るのも最初がいいって言われるし。私はどうしても振り付けのことを考えちゃうんですけど、アルバムは曲調の振れ幅がすごいじゃないですか。かわいいけどダサっぽくしちゃいけないやつとか、逆にこれはあえてダサっぽくするとか、いろいろなことを考えられるので楽しいですね。まだ振りを作っている途中の曲もあるんですけど、「CUTTING EDGE」はかなりカッコよくできたので満足してます。楽しみにしていてほしいです。

大森 このアルバムを通してボーカルで一番上手だったのは「FLY IN THE DEEPRIVER」のり子ちゃんの「クソ」のフレーズです。あの「クソ」は誰も勝てないよね。

雅雀 もうね、それだけはすごい上手にできたと思う(笑)。靖子ちゃんも「『クソ』はうまいのにな……」とか言ってました(笑)。

西井 私も1曲選ぶとしたら「CUTTING EDGE」かなぁ。Aメロ、Bメロでのどかが歌わないのがいい。ずっと出てこないのに、サビで出てくるんですよ。

──ZOCが面白いなと思うのは、曲によって歌割りが偏っているところですよね。グループだったらメンバーが順番に歌っていくのが定石じゃないですか。

大森 そこは曲の言うことが絶対なので。全員を見せようとか、この子を見せようとかじゃないんです。だから「CUTTING EDGE」は、のどかがサビの、しかも後ろのほうでどーんと出てくるのがいいなと。端っこで生きてきたから、曲の中でもそこまで隠されてるのが大事なんです。

──皆さんももちろん、それぞれに割り振られた役割を理解していて。

藍染 歌割りは納得しかないです。この曲はこの人がいっぱい歌ったほうがいいなって思うし、自分がここを歌いたいと思ったら、自然とそこが来てくれるんです。

──目一杯ためたうえで鎮目さんが歌う瞬間はカタルシスがあるでしょうね。ライブで観るのも楽しみです。といったあたりで時間になってしまいました……正直、全然聞き足りないので、ほかの曲についてはほかのインタビューで話してください(笑)。

大森 今日話したエピソード以外のことを話します(笑)。22曲もありますからね。

──1stアルバムのリリース、そして新体制お披露目ライブが待ち受けているわけですが、鎮目さんの意気込みを聞かせてください。

鎮目 ……まだ想像もできてないです。

──楽しみですか? それとも不安?

鎮目 (即答で)楽しみです。

──頼もしい限りですね。最後に締めの言葉をもらっておきましょうか。

大森 にっちやん、名言くれ。

西井 え? ZOCしか勝たん。

藍染 ……別に締まってねえ(笑)。

西井 これからのZOCもよろしくお願いします。

大森 すごい普通になった(笑)。よろしくお願いしたいですね。

ライブ情報

ZOC FOR PRAYER TOUR 2021 SUMMER
  • 2021年6月10日(木) 東京都 TSUTAYA O-EAST OPEN 17:30 / START 18:30※配信チケットあり
  • 2021年6月13日(日) 埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3 [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年6月19日(土) 千葉県 KASHIWA PALOOZA [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年6月26日(土) 新潟県 NIIGATA LOTS [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年6月27日(日) 栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2 [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年7月4日(日) 愛知県 THE BOTTOM LINE [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年7月10日(土) 愛媛県 松山サロンキティ [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年7月11日(日) 香川県 高松MONSTER [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年7月17日(土) 神奈川県 F.A.D YOKOHAMA [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年7月22日(木・祝) 北海道 札幌PENNY LANE24 [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年7月25日(日) 茨城県 mito LIGHT HOUSE [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年8月1日(日) 広島県 LIVE VANQUISH [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年8月7日(土) 熊本県 Django [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年8月8日(日・祝) 福岡県 BEAT STATION [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年8月9日(月・振休) 福岡県 BEAT STATION [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年8月14日(土) 宮城県 darwin [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年8月15日(日) 岩手県 Club Change WAVE [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年8月21日(土) 兵庫県 神戸VARIT. [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年8月22日(日) 大阪府 umeda TRAD [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年8月28日(土) 群馬県 高崎clubFLEEZ [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年8月29日(日) 静岡県 LIVE ROXY SHIZUOKA [第1部]OPEN 13:30 / START 14:00 [第2部]OPEN 16:30 / START 17:00
  • 2021年9月9日(木) 東京都 Zepp Haneda(TOKYO) OPEN 17:30 / START 18:30