「ZIMA MUSIC FIGHTERS meets ライブナタリー」向井太一 岩渕想太(パノラマパナマタウン)|“異色”に燃える福岡出身の2人

「博多弁 方言」でGoogle検索

──岩渕さんは学生の頃、福岡のライブハウスによく行っていたとおっしゃっていましたが、向井さんはどうですか?

向井 僕も好きなアーティストのライブに行ってましたね。あと高校では音楽の専門クラスに入っていたので、観に行くと言うより、その頃から自分で歌うほうが多くて。博多のどんたくっていうお祭りで歌ったりしてました。

──まさに祭文化のある地ならではのエピソードですね。

岩渕想太(パノラマパナマタウン)

岩渕 僕は家の前を山笠が通るようなところで育ったので、小さい頃はずっと法被を着て山笠を引いてました。1年で一番の楽しみが祭で。太鼓の音とか鐘の音とかは自分を形作る要素の1つとして、絶対に入ってると思います。

向井 それが“熱狂感”につながってるかもしれないですね。僕はどんたくで歌ってましたけど、家の周りに祭があるような子供時代ではなかったので、同じ福岡でも全然違うなあ。

岩渕 見てきたものが違うかもしれないですね。

向井 ですね。北九州だと方言も、博多ともまたちょっと違うし。

岩渕 ああ、そうですね。

向井 「ち」って使いますっけ?

岩渕 「ち」めっちゃ使いますね。ケンカするときとか。

向井 出た! 北九州の人ってケンカするとめっちゃ怖くないですか?(笑)

岩渕 すごい口悪いですよね(笑)。

向井 確かに。でも女の子が言う北九州の言葉はすごいかわいい!

──ライブの当日は、お二人から方言が飛び出すかもしれないですね。

向井 それが……僕、全然方言しゃべれないんですよ。もともと。

岩渕 え? もともとしゃべれないんですか?

向井 育ったのは福岡なんですけど、両親が福岡出身じゃなくて。だからイントネーションくらい。

岩渕 そうなんですね。

向井 そのおかげで最初プロモーションで福岡行ったときはめっちゃ苦労しました(笑)。だから「博多弁 方言」でGoogle検索をかけて……(笑)。地元なのに。

岩渕 本末転倒ですね。でも僕も福岡のあとに神戸に住んでたので、関西弁も混ざっちゃってわけわかんない感じになってるんですよね。

向井 当日はまた検索してから挑みます!(笑)

フェスの面白さ

──今回はZIMAのイベントなので、ZIMAが全国の夏フェス会場で販売されていることにちなんで、夏フェスについての話も聞かせてください。普段のライブとフェスだと気持ちやライブパフォーマンスに違いはありますか?

向井 僕は全然違います。

岩渕 僕も全然違いますね。

向井太一

向井 とにかく楽屋が超緊張する(笑)。あとケータリングに気を使う(笑)。パフォーマンスは、普段のライブより開放的になりますね。なんかお客さんを引っ張りやすいんですよ。去年の「SUMMER SOINC」では、ほぼ無名の状態だったんですけど「今歩いてるやつ止める勢いでやるぜ」みたいな気持ちでライブをやったらすごく楽しくて。あれだけのアーティストがいる中で自分を選んでもらうというのは目標にもなるし、どうやったら選んでもらえるのかを考えることが面白さでもあります。

岩渕 その感覚、わかります。フェスって本当にいろんな目的の人がいて。自分らを選んで観に来た人もいるし、「観てみるか」っていう軽い気持ちで来た人もいるし、なんなら通り過ぎてるだけの人、ごはんを食べてる人もいる。その人たちを全部振り向かせたいと思うから、闘争心がいつもよりも出ますね。

向井 めっちゃわかる。

岩渕 あとは単純に面白いですよね。初めに話した話に通じますけど、自分らを観に来た人だけがいる場所でライブをすると予定調和な空間になりがちだけど、フェスだと、自分らのことを知らない人が偶然観て、手を挙げたり叫んだりしてるのを観たらうれしくなる。

──今まで出たフェスで特に印象的だったステージはありますか?

向井 一番は決められないんですけど、強いて言うなら去年の「サマソニ」ですかね。ステージとステージの間の通路みたいなステージで、「人集まるかね」ってスタッフとかと話してたんですけど、結果すごくたくさんの人が観に来てくれて。「1人でも多くの人の足を止めてやろう」と思って挑んだ結果、何かしら感じてもらえたんだと思うと、気持ちよかったですね。

岩渕 僕もどのフェスも思い出深いんですけど、一昨年の「SWEET LOVE SHOWER」は特に印象的です。そのときはまだインディーズだったし、オープニングアクトだったので、メンバー4人で「ここに集まったやつが全員『パノラマパナマタウンが一番ヤバかった』って思って帰るぐらいのライブをしようぜ」ってすごく意気込んでやったんです。そしたらすごくいいライブができて。当時のキャリアで一番いいライブだったんじゃないかな。

──それこそ2組共どんなところでも戦える力があるから、そういうところに面白みを感じられるんでしょうね。

向井 フェスなんか特にそうですよね。ジャンルの違うアーティストが一緒にやってるところが面白いしお客さんに新しい出会いを与えられたらいいなと思ってます。

お酒を飲んでライブで号泣

──お二人はライブに出たり、ライブを観たりする際、ZIMAに限らずお酒飲みますか?

向井 飲みます。出るときはクラブイベント以外ではあんまり飲まないですけど、ライブを観に行くときは飲みながら観たい派です。お酒ってリミッターを外してくれる気がしていて。僕、めっちゃ泣くんですよ、ライブを観ると。でもイベントによっては自分をセーブして、泣くのを我慢しちゃうことがあって。でもアルコールをちょっと入れるとリミッターが外れて、号泣するみたいな(笑)。エリカ・バドゥのライブ観たときとか、めっちゃ泣いてました(笑)。

──岩渕さんはどうですか?

向井太一と岩渕想太(パノラマパナマタウン)の対談の様子。

岩渕 僕はライブ前には飲まないですけど、ライブ後には飲みます。

向井 ライブ後はうまい!

岩渕 あとライブを観に行くときも絶対飲みます! ドリンクチケットの分にプラス2、3杯。向井さんと一緒で、リミッターが外れた自分で音楽を楽しみたくて。けっこう気にしいなので、シラフだと「声とか出して大丈夫かな?」とか思っちゃうタイプなんですよ。

向井 あー。あと観に行ったライブに、自分のファンの子がいるときとかありません?

岩渕 ありますね。

向井 エゴサしたら「向井太一めっちゃ踊ってる」みたいな(笑)。

岩渕 僕もあるライブでモッシュしてて、あとでエゴサしたら「モッシュピットにいる」っていうツイート見つけました(笑)。

向井 モッシュとかやったことないなあ。見たことはあるんですけど。あれ、ケガとかしないんですか?

岩渕 ケガ、しますね。

向井 やっぱするんだ。

岩渕 僕もゴリゴリにモッシュするタイプでもないんですけど、感情が抑えきれなくなったりしたらしちゃうんですよね。

向井 すごい。でも気持ちはなんとなくわかるなあ。

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