ナタリー PowerPush - ZIGZO
2nd SCENEを突き進む4人の“10年”と“これから”
ZIGZOが1月11日からいよいよ2013年第1弾となる全国ツアー「ZIGZO TOUR2013 THE BATTLE OF LOVE」をスタートさせる。ツアー開幕にあわせてナタリーはメンバー4人にインタビューを実施。「DECADE」の制作秘話をはじめ、再結成から今に至るZIGZOの舞台裏に迫った。
取材・文 / 中野明子 インタビュー撮影 / 大参久人
ZIGZO メンバーインタビュー
「DECADE」は2012年で完結
──まずは2012年末にナタリーで配信した楽曲「DECADE」(※現在は配信終了)についてお訊きしたいのですが、あの曲はどんな経緯で生まれたんですが?
高野哲(Vo, G) あれはZIGZOをもう1回やろうってなって、4人で10年ぶりくらいでスタジオに入ったときに生まれた曲なんだよね。全員で向かい合ってセッションしてるときにメロディが浮かんで。そうそう「DECADE」が生まれたスタジオってのは、今インタビューしてる場所なんだよ。
櫻澤泰徳(Dr) 時期的には2011年8月くらいかな。復活を宣言する前には、オケのレコーディングは終わっちゃってたんだよね。2012年3月には歌も含めて録り終わってて。
──歌詞には解散前の曲のフレーズが散りばめられてますよね。
高野 10年ぶりにZIGZOの歌詞を書くぞってなるとどうしてもノスタルジックになっちゃうからさ、だったらいっそ感情に任せて過去の曲をコラージュしてメロディに乗せてしまおうと。解散して10年経ってからできた曲だしタイトルも「DECADE」にして。
──最新アルバム「THE BATTLE OF LOVE」に入れなかったのは、2012年限定の曲だから?
高野 そうだね。ノスタルジーを新しいアルバムに持ち込むのもどうかと思ったし、本当はお蔵入りでもいいやって思ったくらいでさ。昔のZIGZOを知ってる人にも、新しくZIGZOを聴く人にもいい“あらすじ”になった曲だけど、2013年以降にこの曲を歌うつもりはなくて。例えば2022年に歌詞を書き足ししてみたり、曲の長さを倍にして歌うってのはあるかもしれないけどね。
櫻澤 「DECADE」だけ「THE BATTLE OF LOVE」の他の曲とはトーンが違うんだよね。過去を捨てるわけじゃないんだけど、過去に頼るのではなく新しい一歩を踏み出すためにもアルバムに入れるわけにいかなくて。自分たちの足かせになってしまう可能性もあったからさ。
高野 あと今から出てくるもののほうが絶対カッコいい気がするんですよね。そういう自信があるから「DECADE」もナタリーで無料配信しちゃおうぜ、2012年で完結させようぜ、ってなったんです。
「自分1人でやってる」って思ってるヤツはダメ
──話が前後しちゃうんですが、ZIGZO再結成の話はいつ頃決まったんですか?
高野 うーん、2011年の前半かな。解散してから10年経つし、1回くらいやってもいいんじゃない?って。そんなノリだったんだよね。
櫻澤 でも「どうせやるんだったらちゃんとやろう」っていうのと、「ひとまず1回だけでいいじゃん」っていう人間に分かれたんだよね。
高野 まあそれぞれの活動もあったし、全員がZIGZOに集中しようぜっていう感じでもなかったからね。だからとりあえず1回だけお客さんのためにやろうかと。
──そのライブが、再結成をアナウンスした2011年11月のステージ(11月20日に東京・Shibuya O-WESTで開催された「暗黒秋櫻」)だったわけですね。
高野 でもね、やったあともしばらくはバンド的に「これでいくぜ!」って感じでもなかったんだよ。
岡本竜治(G) 正直なところバンドとしてちゃんと動かせるのかもわかんなかったしね。一緒に曲作りを始めて、できてくる曲に自信はあっても、どこかで不安は抱いておかないといけない気がして。俺ら1回解散してるからさ(笑)。
櫻澤 結局2012年2月頃に、赤坂BLITZの復活ライブ(2012年3月17日に開催)以降もZIGZOをやろうっていう話になったんだけど、それでも6月からツアーを回るってところまでしか決まってなかったんだよね。アルバム出すとか考えてなかったし。
──アルバムを作る話が浮上したのはいつだったんですか?
岡本 2012年の春過ぎかな。それまではアルバムも作れりゃいいよねえくらいで。
櫻澤 っても2011年の夏から4人で月1回はスタジオに入って曲を作ったりはしてたから、どこかに展望はあったんだよね。
高野 バンドとして1つひとつちゃんとやってれば、次につながるだろうなっていう確信はあったから。でもこんなに早く作品が出ることになったのはスタッフのおかげでしょうね。ZIGZOが再結成するってなったときに一番に手を上げてくれたスタッフがいて。彼の場合は「君たちは1個1個作ってけばいいから。でも俺たちの仕事はマネジメントだし、先のことも考えたいから」って熱意をもって動いてくれて。そういう人がいなかったら、俺らもここまで音楽に集中できなかっただろうし、活動ペースはゆっくりだったろうし、作品もインディーズから出してたかもしれないし。
──どうしてそういった熱意のあるスタッフが集まったと思いますか?
高野 自分で言うの恥ずかしいな、それ(笑)。
岡本 哲の歌だよ!(笑)
高野 竜くんのギターだよ!
櫻澤 2人はこう言ってますけど(笑)、正直なところ自分たちでは現時点で分析できないんですよ。ただ再結成当初から関わってくれてるスタッフがいて、その人がものすごくZIGZOが好きで「自分が携われるうちに、4人が集まる姿を見たい」っていう思いを持ってくれたんで。そういう人を巻き込む何かがあったんじゃないかと。
高野 スタッフがまたベテラン揃いだからさ。表に立ってるのは俺ら4人だけど、周りの人も一緒に作り上げていくのがバンドっていうものだからね。「俺はお前らが好きだから、一緒にやらせてくれよ」っていうスタッフが多くて。仕事でもバンドでもそうだけど「自分1人でやってる」って思ってるヤツはダメなんですよ。何かを成し遂げるには、人の力がどうしても必要だし、みんなで喜びを分かち合えることがどれだけ幸せなことか。俺らはそうやって育ってきたし、今いるスタッフのおかげでその喜びをさらに実感できてるね。
岡本 今は4人で集まって、スタッフ巻き込んでZIGZOやってるのが楽しいからさ。その間は続くんじゃないかなって。義務感が出てきたりするとつまんなくなってきたりするだろうけど。
- ニューアルバム「THE BATTLE OF LOVE」 / 2012年10月10日発売 / 3000円 / 日本クラウン / CRCP-40330
- ニューアルバム「THE BATTLE OF LOVE」
収録曲
- Day By Day
- アドレナリン ドライブ
- I Cult You
- Super Charger Star
- Medicine Man
- 炎は青く揺れる
- Beyond The Moment
- ぶらつく天使
- I'm in Love
- トロイメライ
- Hello, I Love You
- MADAMADA
ZIGZO (じぐぞ)
髙野哲(Vo, G)、岡本竜治(G)、大西啓之(B)、櫻澤泰徳(Dr)の4人によって1999年に結成。同年7月にシングル「血と汗と涙の裏側のハッピー」でメジャーデビューする。2002年3月に解散するまでに8枚のシングルと2枚のアルバムを発表。解散後、メンバーは個々に音楽シーンで活躍。2011年11月に再結成を発表。2012年3月に東京・赤坂BLITZでワンマンライブを行い、本格的に活動を再開した。
2013年1月11日更新