雑な感じの定期イベントを

──まずはリリーさんがザンジバルナイトをスタートさせたきっかけから教えてください。

ザンジバルナイト自体は2006年頃からかな。野音でやり始める前は代官山UNITでずっとやってたんです。

──UNITは当時のリリーさんの事務所の近くですよね。

そう、もともとはこんな大規模にするつもりはまったくなくて。定期的に同じハコで、雑な感じのイベントをやりたかったの。

──じゃあ最初はもっと内輪のパーティみたいな感じで？

というか、その昔、俺が東京に来たばっかりのときに六本木のインクスティックとか原宿のピテカントロプスに行くと、いつもいい感じのライブをやってて。それがなんだか都会っぽかったんですよね。いいミュージシャンをカジュアルに観れるような、アメリカとかでよくあるけど、そういうのがいいなと思ってさ。それがなんかのきっかけで野音でやることになったんだよね。

──野音はどうでしたか？

あそこはやっぱ都会のど真ん中で酒が飲めるっていうのがいいんだよね。最初の頃のザンジバルナイトは缶チューハイとか缶ビールの売り上げハンパなかったもん。客が全員泥酔してるっていう（笑）。

──ちょっと夏フェスみたいですね。

そうなんだよ。でもさ、なんかフェスに行くのも、年取ってきてからちょっとかったるくなってきて。

──その点、野音は気軽に参加できますね。

うん、ただ野音はいいとこなんだけど春は寒いんだよね。みんな春だってことで浮かれてるけど、やっぱり夜は冷えるから。で、今年はちょっと場所をSTUDIO COASTに変えてやってみようってことになって。COASTはステージがいっぱい作れるから、あっちこっちのステージ行って友達作ったりすればいいし、とにかく今回はその空間にいて楽しい感じになればいいなって。

小室哲哉と杉作J太郎の名前が一緒に並ぶ

──ザンジバルナイトは出演者のラインナップ含め、どこか独特の雰囲気がありますね。

どうなってんの？って感じが観たいから。なんかこうダラダラしてる感じがいい。最近のフェスってなんか真面目すぎない？

──それはそうですよ。みんな真面目にやってますよ。

でもなんかもうちょっとユーモア欲しいじゃない（笑）。

──今年のザンジバルナイトの見どころは？

メインステージはもちろんなんだけど、雰囲気を作るのはテントとプール。なんかお客さんがメインステージからちょっと飲み物買いに行くときなんかに「うわ、すげえバカなもん観てラッキー！」みたいな、そういうのがいい。小室さん観て外に出たらマキタスポーツが歌ってるってこれカオスじゃない？

──そうですね。

でもそういうカオスな感じが都会っぽいと思うんだよ。昔ピテカントロプスでSTEEL PULSEとかを観に行って、違う日はスネークマンショーがやってたりする感じ。ユーモアと音楽が混在してるのが洒落てるなっていう。同じようなものが集まってて、それをみんなで大層に観なきゃいけないのってなんかもう古い。特にどれが目当てっていうんじゃないけど、とりあえず遊びに行こうかっていう、そっちのほうがいい。

──今年は複数ステージになったことでカオス度がさらに増してる気がします。

まあ小室さんと杉作J太郎の名前が一緒に並ぶことってなかなかないからね（笑）。いろんなものが混在しているほうが面白いでしょ。