ナタリー PowerPush - 在日ファンク
ハマケン×長岡亮介 “大人のファンク / メロウ”対談
「連絡」は成熟を肯定する作品
──そう言われてみれば、メロウには男性的なイメージがありますね。
ハマケン 僕、最近、結婚したんですよ。世の中には「結婚は人生の墓場」っていう言い方があったり、「成熟すると終わり」っていうイメージもあったりするじゃないですか。でも、僕は「そうじゃない!」って思いが強くあって。成熟のその先があるというか。
長岡 いや、あるでしょ。在日ファンクの歩みを考えても、ハマケンのイニシアチブが強く反映された作品の中に、今回、村上(基 / Tp)さんとか仰木くんが書いた曲が加わったことで、また新しいものが生まれて豊かになってきているわけでしょ。それもまたメロウってことなんじゃない?
ハマケン ああ、そうか。なるほど! やっぱり、豊かなものを求めていくべきですよね!
長岡 そのほうがカッコいい気がする。
ハマケン そういうことを、仰木はわかってたのかもしれないですね。
長岡 あいつもメロウなやつだね(笑)。
ハマケン ただのゆとり世代だと思っていたら(笑)、あいつは真っすぐに豊かなものに向かっているところがあって、そこは見習わないといけないなって思いましたね。
長岡 そうやって自分の内面を広げていけば、打つ手が増えていって、音楽がまた広がっていくっていう。
──音楽が広がっていくという意味では、これまで数々のリリースがあったものの、全てが限定作品だったペトロールズも、11月に初の全国流通のミニアルバム「Problems」がついにリリースされますよね。
長岡 結成7年目にして(笑)。それこそバンドとして成熟する期間が必要だったのかもしれないですね。でも、来年にはアルバムを出そうと思っています。
ハマケン いよいよ出ますか。それはホント楽しみですよね。
長岡 そうやって成熟を重ねていって、そのときそのときでしなやかにいられたらいいよね。
ハマケン 成熟を肯定する今回の「連絡」をリリースしつつ、今後も苦悩にぶち当たることもあるというか、ぶち当たらなきゃいけないと思いますし。
長岡 そうやって、ハマケンもメロウへの道を歩み始めたわけだ。
ハマケン メロウの意味も今日知ることができたし、ああ、今回のミニアルバム作って良かったー。
在日ファンク「嘘」
CD収録曲
- ホームシック
- 電話<Interlude>
- ダチ
- 英会話<Interlude>
- 嘘
- 肝心なもんか
- 俳句<Interlude>
- 不思議なもんでさ
CD収録曲(順不同)
- カザーナ
- ASB
- モラル
- 誰
- エイシア
- 止まれ見よ
在日ファンク(ざいにちふぁんく)
浜野謙太(Vo)を中心に2007年に結成された7人組のファンクバンド。メンバーはハマケンのほかに、村上啓太(B)、仰木亮彦(G)、永田真毅(Dr)、後関好宏(Sa)、ジェントル久保田(Tb)、村上基(Tp)。結成当初は「浜野謙太と在日ファンク」名義で活動していたが、2010年6月に1stアルバム「在日ファンク」をリリースしたタイミングで現在のバンド名に改名した。さらに同年10月からサイトウ“JxJx”ジュン、サイプレス上野とロベルト吉野、ROY(THE BAWDIES)らとのコラボシングルを3カ月連続で発表。2011年には2ndアルバム「爆弾こわい」をリリースし、翌2012年1月にはシングル「爆弾こわい -岡村靖幸REMIX-」が発売された。そして同10月3日にミニアルバム「連絡」を発表。
ペトロールズ(ぺとろーるず)
長岡亮介(Vo, G)、三浦淳悟(B)、河村俊秀(Dr)によるスリーピースバンド。2005年に結成され、下北沢のライブハウスを中心に活動を開始する。ライブ会場限定で数々の作品をリリースしている。結成7年目にして初の全国流通アルバム「Problems」を2012年11月に発売する。