Yuta & Seina「New World」特集|カップルインフルエンサー・ゆたせなcpがアーティストデビュー! 本気で音楽と向き合った1stシングル

YouTubeやTikTokを中心に人気を集めるカップルインフルエンサー・ゆたせなcpが、「Yuta & Seina」としてアーティストデビュー。1stシングル「New World」を6月11日に配信リリースした。

幼い頃から歌って踊れるアーティストを夢見ていたというYutaとSeina。音楽系の専門学校で出会った2人は、カップルインフルエンサーとしてSNS上で活動を続けている間もその夢を大切に育み続けた結果、ついにデビューのチャンスをつかみ取ることとなった。「New World」は60曲近いデモの中から2人が選び出し、細部にわたってこだわりを注ぎ込んだハッピーなポップチューン。リアルなエピソードが盛り込まれた“恋の始まり”を描いた歌詞や、真似したくなるダンスを盛り込んだミュージックビデオなど2人の世界観を存分に投影した作品に仕上がっている。

音楽ナタリー初登場となる今回のインタビューでは、2人の音楽遍歴やアーティストデビューを果たすまでの流れ、そしてこだわり満載なデビュー曲の制作エピソードについて話を聞いた。

取材・文 / もりひでゆき撮影 / 曽我美芽

LDHで人生を変えられたYuta、海外スターの真似をしていたSeina

──まずはお二人の音楽的なルーツから教えてください。幼少期はどんな音楽を聴いていたんですか?

Yuta 僕は小学生の終わり頃に初めて行ったカラオケで歌うことの楽しさを知ったんです。そこからはかなりの頻度でカラオケに通うようになりました。で、高校に入ってからはLDHのアーティストさんやK-POPをよく聴くようになって。CDを聴きながらモノマネをしているうちに漠然と「自分も歌って踊れるアーティストになりたい」と思うようになりました。決定的だったのは2014年に行ったLDHさんのライブ(「EXILE TRIBE PERFECT YEAR LIVE TOUR TOWER OF WISH 2014~THE REVOLUTION~」)。そこで観た圧倒的なエンタテインメントが僕の人生を大きく変えるきっかけになりました。

Seina 私は子供の頃に家でディズニー・チャンネルをよく観ていて。そこで出会った海外のスターの真似をしているうちに、なんとなくそういう職業に就きたいと思うようになったんですよね。主に洋楽が好きでよく聴いていましたけど、韓国のTWICEさんや、邦楽で言えば私もLDHのアーティスト……E-girlsさんとかが好きだったので、歌って踊れるアーティストを目指すのは自然だったというか。高校3年生で進路を決めるときに気持ちを固めて、卒業後に思い切って上京することにしたんです。

Yuta & Seina

Yuta & Seina

──高校卒業後、お二人は同じ音楽系の専門学校に通うようになり、そこで出会ったんですよね。

Seina はい。最初に仲よくなったきっかけもLDHの話だったんですよ。私がライブに行くことを話したら、彼(Yuta)はチケットの抽選に外れたらしく。まだそんなに仲よくなってなかったのに、「グッズを買ってきてよ」と頼んできて(笑)。そこからいろいろ話し始めた感じだったよね。

Yuta そうだね。音楽の趣味も似ていたので、すぐに仲よくなりました。お互いの夢についても話すことはありましたけど、学校に行っている間はそれぞれ個としてがんばっていた感じで。2人でデビューしようなんてことはまだ考えてもいませんでしたね。具体的に同じ夢に向かって進みたいと思うようになったのは、専門学校を卒業して2人で過ごす時間が長くなってからでした。

絶対に夢を叶えてやる!

──2018年にはYouTubeに「ゆたせな Yuta & Seina」チャンネルを開設されました。そこにはどんな意図があったんですか?

Yuta 2人ともアーティストとしてデビューしたいという気持ちをずっと持ち続けていたんですけど、まずはYouTuberというお仕事に挑戦してみようと思ったんです。YouTubeを通して人前で表現することは、アーティストという夢に向かう意味でも決して無駄ではないと思ったというか。どんな形、どんな道のりであったとしても、最終的に自分たちの曲を出して、アーティストとして活躍できればいいかなと。

Seina ただ、始めた当初は全然ダメだったんですけどね(笑)。

Yuta うん。見よう見まねでいろんな動画を配信していましたけど、友達が観にきてくれるだけだったりして。「登録者数624人」みたいな状態が1年くらい続いたと思う。

Seina 誰に向けて発信してるかわからない感じだったよね(笑)。自分たち的にも、最初はまだ2人の思い出になればいいかな、みたいな軽い感覚もあったんですよ。あくまでも趣味の域を出ていなかったというか。

Yuta とは言え、やっぱりたくさんの人に観てもらえないと意味がないと思ったので、途中からはだんだん本気で向き合うようになりました。インフルエンサー的な見せ方を本格的に意識し始めたのは2020年くらいからだったような気がします。同時にTikTokやInstagramといったSNSにも力を入れ始めました。

Yuta

Yuta

──TikTokに投稿していた“歌って踊る”動画がゆたせなの認知度を大きく上げたような印象もあるのですが。そのあたりはどう感じていますか?

Seina そうですね。TikTokも最初は何をすればいいかよくわからなくて、海外のカップルの方の動画を参考にしたり、流行っているダンスを真似したりという内容だったんです。でも、だんだん視聴数が増えてきたので、YouTubeでずっとやっていたファッション的な部分と、私たちの好きな歌とダンスをリンクさせた動画を撮るようにしてみたら、それに反応してくれる方が多くなってきたんですよね。

Yuta うん。ちょっと海外っぽい雰囲気のかわいいカップル、みたいな感じで徐々に注目していただけるようになって。そこからはTikTokはもちろん、YouTubeのほうもだんだん再生数が伸びていった感じでしたね。

Seina そもそも私たちはアーティストになりたいという夢を持っていたわけなので、歌とダンスがきっかけで注目してもらえたのはすごくうれしいことでしたね。学校でもそんなに褒められたことなかったのに(笑)。

Yuta 学校では別にそんなに注目されているわけじゃなかったからね(笑)。

Seina だからSNSでたくさんいい評価をもらえたことは、自分たちにとっての大きな自信にもつながりました。

Yuta アーティストになるという夢にちょっと近付いた気もしたしね。改めて「絶対に夢を叶えてやる!」と思うようにもなりました。

徹底的にこだわり抜いた1曲を作ろう

──そこからカップルインフルエンサーとして人気を獲得し、今回ついに「Yuta & Seina」名義でアーティストデビューという夢が叶いました。話が来たときはどんな気持ちでしたか?

Yuta 僕らは自分で曲を作るわけではないので、YouTubeで数字が伸びたとしても、どうすればデビューできるのかがずっとわからなかったんですよ。そんな中で運よく、いろんな方とのつながりからデビューのお話をいただけたので、とにかくもううれしい気持ちしかなかったですね。「このチャンスは絶対逃さない!」と思ったし、楽曲に関しても徹底的にこだわり抜いた1曲を作ろうと決意しました。

Seina うん。世間的に「YouTuberって有名になるとサラッと曲出すよね」と思われているところがある気がしていて。だったら私たちは、絶対そうは思われないものを作ろうと。ずっと抱いていた夢への強い気持ちもあったので、2人の本気度をしっかりと見せたいなって。逆に言えばYouTubeを始めたばかりの頃に、何も考えずポンと曲を出さなくてよかったなと思いました。夢を叶えるまでに時間がかかった分、ちゃんとこだわりを持って臨むことができたので。

Seina

Seina

──デビューにあたって、音楽性については具体的なイメージもあったんですか?

Seina イメージは明確にありました。自分たちの大好きな「ハイスクール・ミュージカル」のような楽曲をやりたいなって。

Yuta うん。2人ともディズニーが大好きなので、ミュージカルっぽい曲でありつつ、日本はもちろん、海外のティーンにも受けそうな世界観を表現したいなって。そういう音楽を日本でやられているアーティストの方もなかなかいないと思うので、それをYuta & Seinaの色として表現することで、音楽の世界にも新しい風を吹かせられるんじゃないかなって。そんなイメージを持ったうえで、楽曲制作をスタートさせた感じでした。