YOSHIの音楽の原点
──そもそもの話になりますけど、YOSHIさんが音楽に興味を持ち始めたのはいつ頃なんでしょう。何かきっかけはあったんですか?
子供の頃から洋楽をいろいろ聴いていて、ファッションを好きになる前から音楽が好きでした。
──それはご両親の影響で?
いや、うちはごく一般の家庭でそういうのはなかったですね。自分で探して雑多に聴いていました。わかりやすく言うと自分にとって音楽は日常において欠かせないものなんです。僕はお酒や悪いことをやっているんじゃないかと思われることが多いんですけど、地がハイテンションなのでそういうものは必要ないし全然興味がないんですよね。音楽を聴いて気持ちいいと思っているほうがよっぽどいい。
──子供の頃からずっとこのテンションだったんですか?
友達の話によると小学1年生くらいまではいい子ちゃんだったらしいです。でも小学2年生の頃からとにかくうるさかったみたいで、クラスの中で浮いていて小学5年生くらいまでいじめられていました。周りのやつらとは話が全然合わないし、先生と話しているほうが楽しくて。気付いたらこういう感じになっていましたね。
──音楽で表現をしていこうと思ったきっかけはありますか?
もともと歌声に自信があったんですけど、やる気があったかというとそうではなかったんです。友達のミュージックビデオの撮影に行ったときに、DJブースの横で歌っていたら、僕のミュージックパートナーであるマット・キャブが「YOSHIは歌がうまいから今度一緒にスタジオに入ろう」って誘ってくれて。後日ブースで歌ってみたら「あら、うまい。びっくり仰天」という感じ。そこで録音したものを聴いて「この歌声が世の中に届けば、きっと世界が変わる」と確信しました。
──そうだったんですね。
最初の頃は自分の歌を発信しても全然世の中に響かなくてなんでだろうと思っていたんです。でも、基本的にポジティブだし、突き詰めれば成功するという自負があるので音楽での表現を続けてきて、今ここまでやってこれたという感じです。
CM制作チームの共通意識
──「VOICE」の話に戻りますが、制作はどのように進めていきましたか?
主にセッションです。マットたちとスタジオに入って、トラックを作ってもらいながら、そこに僕がメロディラインを付けていく。そうやって作っていきましたね。最近の音楽はトラップがブームで、僕ももちろん好きですけど、自分のライフスタイルがロックでパンクなのでロックのエッセンスを取り入れた曲を作ろうと思いました。具体的に言うと、最近はLinkin Parkが自分の中でブームで、そこにジェイ・Zっぽさを入れたり、Beastie Boysっぽいスクラッチの感じを取り入れたり。1990年代後半っぽいサウンドを追求したらすごくいい曲ができました。
──この曲はPanasonicから4月中旬に発売される完全ワイヤレスイヤホンのCMソングです。CMにYOSHIさんはこの新作イヤホンを付けてご出演されていますね。
もうね、このイヤホンがカッコいいんですよ。手に取った瞬間わかりますよ、「これは誰が手に取っても間違いなく受け入れられるイヤホンだ」って。イヤホンって音質はもちろん、僕たちヘッズにとっては見た目もかなり重要。ノイズキャンセリング機能もばっちりだし、めちゃくちゃいいです。僕の「COBAIN」を試しに聴きましたけどよかったですね。
──CM映像をお借りしたのでここで観てみましょうか。
すっげえ。めっちゃいいですね。監督の柿本ケンサクをはじめ、いいチームで撮影させてもらったんですよ。みんな僕と一緒で、世の中を変えてやろうという強い思いを持っている人たちだったので、すごくやりやすくて。その空気感がしっかり出てるなあ。最初の「I hear you now」の部分でどうにか視聴者の心をつかんでやろうと思っていたんですけど、これは行けますね。
──「VOICE」はラップやR&Bなどいろんな要素を取り入れた曲なので、CM映像のノイズキャンセリングのシーンで曲が止まって再び流れ出すと同じ曲なのにまるで違う曲のように感じますね。
海外ではフィーチャリングでボーカルを入れて作るような部分まで自分1人で歌えるから。それがしっかり表現できたと思う。
まずは全米、次はアジアやヨーロッパ
──YOSHIさんはInstagramで「今年は音楽をがんばる」とポストしていましたが、2020年はどんな年にしたいですか?
今年は間違いなく音楽の年にするぞと意気込んでいます。ジャスティン・ビーバーは21歳の頃に「Sorry」をヒットさせましたけど、僕もその頃には当時のジャスティンぐらい……いやそれ以上のポジションに行きたいと思っているので、そのために今年から力を入れて音楽活動をしていくつもりです。まずは全米で有名になって、一気にアジアマーケットも攻めていきたいと思っていて。
──日本国内ではどうですか?
日本で先にヒットすることは考えてないです。日本での本当のヒットは、海外でヒットしたものを持ってくる形でやっと定着すると思うので、まずは海外ですね。アジア、そしてロンドンを中心としたヨーロッパのマーケットでも流行らせたい。イケてるやつらに聴いてもらえるようになって、今は大変な状況ですけど、中国のファンもしっかり付けたいと思ってます。音楽だけで25歳までに年収100億を目指します。
──具体的なプランがあるんですね。
はい、いろいろ考えています。日本って海外から「どこの国よりユニークだ」と評価されていて、毎年海外からたくさんのセレブリティが来るのに、売れてる音楽がダサいんですよ。それはマスがクソだということだと思うんですけど、僕はそんな日本の音楽シーンを変えていきたいんです。僕がまず日本と世界各国の点と点をしっかりと結んで、日本の冷めきったエンタテインメントを盛り上げます。いつかはジャスティン・ビーバー、カニエ・ウェスト、YOSHIと肩を並べられるような人間になりたい。ポスト・マローンと最近仲良くなったんですけど、彼みたいにポップでもロックでもなくて存在自体がジャンルみたいな感じになっていきたいですね。「YOSHIはYOSHIだね」と周りには言ってもらえるけど、それをもっと世の中の人に知ってもらいたい。スターになってとてつもない額のお金や権力をゲットしたら、世の中をきっと変えていける。そこでやっと僕はスタート地点に立てると思うので。時代が変わる瞬間は絶対に必要なので、そのためにがんばりたいです。
──日本のカルチャーを変えていくために旗を振っていくと。
はい。今の僕は人生が楽しすぎて1年が一瞬で終わっていくんですよ。だから燃え尽きてしまうぐらい全力で音楽と向き合いたい。何があっても今一緒にやっているチームで、世界を勝ち取りに行きたいと思っています。