音楽ナタリー Power Push - YON FES 2016

GEN(04 Limited Sazabys) × TAKUMA(10-FEET)対談 フェスを主催するということ

不安な気持ちもオープンに

GEN 今、フードの店舗の数とか、会場のもろもろを詰めてるところなんです。「この人数に対して、この店舗数で足りるのかな?」とか。トイレの数とかも不安でいっぱいです。

04 Limited SazabysのメンバーとTAKUMA(10-FEET)。

TAKUMA そういうところもファンに対してオープンにしていけばいいよ。「俺らはフェス開催については素人だし、何かあったら言ってな」って。俺らも「できることとできないことがあるかもしれんけど、次の年には全力で改善するから、クレームあったら言ってくれ」って言うようにしてる。

GEN なるほど。

TAKUMA 毎年「何かあったら言って」っていうことは必ず知らせてるし、要望・苦情のメールを集めてもらって反省会も必ずしてる。それに「なんかあったら言ってな」って言うと、例えば「あそこの動線がいつも詰まってるのが嫌でした。そのおかげで目当てのバンドに間に合いませんでした。“でも”飲食ブースのおっちゃんが超ゴキゲンで、それで全部浄化されました」っていうように、クレームだけじゃなくてよかったところも教えてもらえたりね。そんなふうに意見してくれるっていうのは、やっぱり「お前ら文句言うんじゃねえぞ」っていうスタンスじゃなくて、「みんなでよくしていこう。何かあったら言って」っていうオープンな姿勢がこちらにあるからやと思う。

GEN そうなんですね。あと、もし「京都大作戦」でちょっとモヤっとしたものがあっても、最後の10-FEETのライブを見たら全部解消されるっていうのもあると思います。というか僕がそうだったんです。僕らのライブって、最近「リフトやダイブが多すぎる」とかそうじゃないとか、賛否両論あるんです。だけどTAKUMAさんのMCで、僕、救われたんです。「モッシュやダイブが気になる人もいると思うけど、今日は俺らに免じて許してや」っていう。誰も悪者にしてなくて。

TAKUMA 細かいところまで観てくれてるな(笑)。ありがとう。

心配りが伝染してあの空気感に

GEN いつか「YON FES」に10-FEETを呼んだら、出てくださいますか?

TAKUMA もちろん!

GEN やったー! じゃあ出ていただいて、「ここがダメだった」っていうところを教えてください!(笑) 「ここのケータリングをこうしたほうがいい」とか。「京都大作戦」って、やっぱり10-FEETの皆さんの気配りがすごいから。バックステージはもう、親戚が集まってるみたいな雰囲気じゃないですか。メンバーの皆さんに会うたびに「出てくれて本当にありがとな」って言ってくれますし。僕からしたら「こちらこそです!」っていう気持ちですけど(笑)。

TAKUMA いや、裏のことはスタッフの皆さんの協力が大半です。みんなバイクで走り回ったり、砂じゃりじゃりのところで弁当食べたりね。そうやな、さっきの喫茶店のおばちゃんの話じゃないけど、バイトの人とかとも話したらいいと思う。セキュリティの兄ちゃんとかも話してみると、雰囲気がガラッと変わるよ。

GEN そうなんですね。

TAKUMA セキュリティの兄ちゃんとか、端っこのほうで座って弁当食ってるアルバイトの子の中には10-FEETに全然興味ない人も絶対いる。そう思わなくちゃいけない。そういう人に「ごめんな、そんなところで弁当食わせてしまって」って言うんよ。もし俺がハタチくらいのバイトの子やったら、そうやって声かけられたら「偉いな、このおっさん。若い俺にも声かけて。しゃあねえな、やるか」って、きっと思えるから(笑)。そんな余裕も初めはあんまりないと思うけどな。ただ、そういう人たちに声をかけてあげると、絶対に空気がよくなる。あくまで「ありがとうございます」っていう気持ちでな。

GEN やっぱりTAKUMAさんはいろんな人に対する思いやりがすごいですね。

TAKUMA どうかなあ。たまたま俺がイベント設営のアルバイトとかやってて、彼らが「絶対アーティストに声をかけてはいけない」とか「写真撮ってたら1発でクビだからね」とか言われてるの知ってるから。

GEN 僕もやってたのでわかります。

TAKUMA やろ? ステージの袖で、バイトの子20~30人が集まるタイミングがあるから、そのとき「チーフに内緒ね」って言ってこっそりピックをあげたりしてさ(笑)。アーティストからやるぶんには怒られへんから。

GEN なるほど。

TAKUMA もしその子たちが興味なくても、好きな友達とかおるかもしれんし。携わってる1人ひとりにストーリーがあったほうが“自分のフェス”になっていく。

GEN そういった心配りの1つひとつが伝染していって、あの空気感ができているんですね。

TAKUMA そう信じてやってる。なんにもなってないかもしれないけどな(笑)。少なくとも自分の中では何か開けるよ。

GEN ありがとうございます。今日はいっぱい得ることがありました。

左からGEN(04 Limited Sazabys)、TAKUMA(10-FEET)。

「YON FES 2016」

2016年4月2日(土)

愛知県 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
OPEN 9:30 / START 11:00 / END 19:00(予定)

出演者
[SKY STAGE]
BACK LIFT / THE ORAL CIGARETTES / SPECIAL OTHERS / クリープハイプ / WANIMA / 04 Limited Sazabys
[LAND STAGE]
SpecialThanks / Wienners / HAPPY / Brian the Sun / My Hair is Bad
[クリエイター]
池田嵩浩(ペイント) / ハジメファンタジー[センチメンタル研究家](恋愛相談) / フクザワ(ペイント) / 村本咲(ペイント) / 原田聡[桑名はらだ歯科クリニック](ギター弾き語り) / VERDY[VK DESIGN WORKS](ペイント)

2016年4月3日(日)

愛知県 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
OPEN 9:30 / START 11:00 / END 19:00(予定)

出演者
[SKY STAGE]
THREE LIGHTS DOWN KINGS / キュウソネコカミ / BLUE ENCOUNT / SHANK / KEYTALK / 04 Limited Sazabys
[LAND STAGE]
LUCCI / ENTH / sumika / Rhythmic Toy World / SUPER BEAVER
[クリエイター]
池田嵩浩(ペイント) / ハジメファンタジー[センチメンタル研究家](恋愛相談) / フクザワ(ペイント) / 村本咲(ペイント) / 原田聡[桑名はらだ歯科クリニック](ギター弾き語り)
04 Limited Sazabys(フォーリミテッドサザビーズ)
04 Limited Sazabys

2008年に愛知県名古屋市にて結成された、GEN(B, Vo)、HIROKAZ(G)、RYU-TA(G, Cho)、KOUHEI(Dr, Cho)によるロックバンド。2013年5月に発表した2ndミニアルバム「sonor」より日本語詞を多く取り入れ、楽曲の幅を広げる。メロディックパンクやギターロック、ラウドロックなど、さまざまなジャンルのバンドと競演を重ね、2014年2月に3rdミニアルバム「monolith」発売を経て、同年9月に1stシングル「YON」をリリース。2015年4月に1stフルアルバム「CAVU」を日本コロムビアから発売し、メジャーデビューを果たした。同年10月にメジャー1stシングル「TOY」を、2016年3月に1st DVD「MOMENT」を発売。4月には初の主催フェス「YON FES 2016」を開催する。

10-FEET(テンフィート)
10-FEET

TAKUMA(Vo, G)、NAOKI(B, Vo)、KOUICHI(Dr, Cho)の3名によるスリーピースバンド。メロディックパンク、ヘヴィメタル、レゲエ、ヒップホップ、ギターポップ、ボサノバなどのさまざまなジャンルを取り入れたサウンドで人気を集めている。また精力的にライブ活動を続け、その迫力満載のライブパフォーマンスや人間味あふれる深いメッセージが込められた楽曲、笑顔を誘い出すキャラクターでもファンを魅力。さらに日本はもとよりアメリカや韓国、台湾でもライブを行うなど、活動の幅を世界に広げている。また自身で主催するフェス「京都大作戦」も例年大成功におさめている。


2016年3月31日更新