ヤングスキニーの挑戦が詰まったメジャー2nd EP「不器用な私だから」全5曲をキャッチコピー付きで解説

ヤングスキニーのメジャー2nd EP「不器用な私だから」がリリースされた。

「本当はね、」や「好きじゃないよ」など女性目線のラブソングで人気を集めているヤングスキニー。彼らにとって半年ぶりのCD作品となるこのEPには、久住小春と佐藤大樹(EXILE、FANTASTICS)がダブル主演を務めたTBSドラマストリーム「瓜を破る~一線を越えた、その先には」オープニングテーマ「恋は盲目」、戦慄かなの(femme fatale、悪魔のキッス)を客演に迎えた「ベランダ feat. 戦慄かなの」、ロックとは何かを表現した「精神ロック」など全5曲が収録されている。

今回のインタビューでは、メンバーが考えた各曲のキャッチコピーをもとに、ヤングスキニーの挑戦が詰まった「不器用な私だから」の魅力について聞いた。

取材・文 / 弓長志絵撮影 / はぎひさこ

01. 「雪月花」

キレイだけど、ヤンスキのロックらしさが出た曲 by かやゆー

かやゆー(G, Vo) バラードなんですけど、あえて鍵盤は入れずに4人だけのサウンドを鳴らした曲っていう印象ですかね。最初は鍵盤を入れてたんですけど、なんかキレイすぎちゃって。ゴンちゃん(ゴンザレス)にギターでフレーズを作ってもらいました。

──「キレイになりすぎない」はヤングスキニーにとって重要なファクターですか?

かやゆー そこまで意識してないです。毎回、シンプルに曲としてよりカッコよくなるほうを選んでるんで。今回はたまたま鍵盤を入れなくてもカッコよくなるからそうしただけでした。

ヤングスキニー

ヤングスキニー

──それはかやゆーさんがジャッジするんですか?

かやゆー 曲によりますけど、今回は僕が「鍵盤はちょっと違う」って言いました。

しおん(Dr) どっちもよさがあったけどね。

──曲のアレンジを進めるうえで、メンバー内で意見が割れることもありますか?

しおん 対立はしないですね。みんな何か言うときには明確に「こうしたい」という考えがあるので。「雪月花」だと、かやゆーくんが「この曲はギターロックのアレンジのほうが合う」と曲を作ってる段階で感じたんだろうから、その理由があるなら乗っかろうと。ゴンザレスくんもりょとくんもそうですね。

──皆さん、具体的な意図があるんですね。

しおん スタジオで何パターンも試すこともありますけどね。特にフロントの3人はフラットに音を聴いてるんで、いろいろ意見が出ます。

かやゆー この曲のアレンジはけっこう時間がかかりましたね。一番長かったのは「ベランダ」ですけど、その次に悩んだ曲でした。

──スローバラードは勢いでごまかせないので、ソングライターの地力が試されると思います。この曲調で書こうと思った理由は?

かやゆー どの曲もふと浮かんできて書き下ろすので、そのときの記憶がほとんどないんですよね。コンセプトとかもないし、たまたま書いてたらこういう曲調になったんで。多分、自分の指に染みついたタバコの匂いを嗅いで、「これ、曲にできるかも」と思ったのかな。

かやゆー(G, Vo)

かやゆー(G, Vo)

──タバコはヤングスキニーの曲によく出てくるモチーフですよね。「ベランダ」もそうですし。

かやゆー なんでかわかんないんですよね。自分が吸ってるというのは、もちろんあるんでしょうけど。鼻炎で年中鼻が詰まってるから、匂いに敏感なわけでもないし(笑)。だから、香水も興味ないし、いろんな曲に出てくる「キンモクセイの匂い」とかもいまだにわかんない。

──歌詞とメロディはどちらが先に出てきますか?

かやゆー ほぼ同時ですね。歌詞を日々書き溜めておくこともないし、メロディをいっぱい作っておくこともないですし。「今から作るぞ」と思ってやると、逆にできないんですよ。歌にしたいと思ったテーマが見つかったら、どんどん降りてくる感じです。

──かやゆーさんが書くラブソングは、女性目線が多いですよね。「男性に振り回されても耐える」という女性像を男性が作って歌う、というのは演歌的でもあると思います。こういった目線になったきっかけはあるんですか?

かやゆー わかんないですけど、恋愛で自分がひどい目に遭うより、ひどい目に遭わせるほうが多いから、そっちの目線に立って想像してるのかなと。ハッピーな曲よりも失恋ソングのほうが書きやすいから、自然と女性目線になってるんだと思います。

02. 「ベランダ feat. 戦慄かなの」

いろんなことに挑戦した曲 by かやゆー

──この曲はCody・Lee(李)でもサポートを務める中野郁哉さんが鍵盤と編曲にクレジットされています。メンバー以外がアレンジに入っているのは「コインランドリー」(2022年8月リリース配信シングルの表題曲 / 2023年3月リリースのアルバム「歌にしてしまえば、どんなことでも許されると思っていた」収録曲)とこの曲だけだと思いますが、進め方は変わりますか?

かやゆー まったく一緒ってわけじゃないけど、だからといって作り方を変えたということはなく。あくまで僕たちがメインでアレンジを考えて、意見をもらったくらいの感覚です。

──ボーカルには戦慄かなのさんがフィーチャーされています。

かやゆー 戦慄さんには好きなように歌ってもらいました。最初は僕の歌い方に合わせてもらおうと思ったんですけど、それじゃ面白くないんで。フィーチャリングの意味がちゃんと出せた曲だと思います。

しおん 戦慄さんとかやゆーくんの感じが意外とマッチしてて新鮮でした。正直、レコーディング当日までどうなるかわかんなかったんですよ。歌だけじゃない部分、キャラクターとか雰囲気とかもちょっと似てるというか。シナジーがあるなと思いましたね。

ゴンザレス(G) 自由度が高い曲だからこそできる組み合わせだと思います。歌詞と2人のイメージも合ってるし、YouTubeのコメント欄でも「めっちゃ合ってる」と書いてる人が多くて、改めてベストマッチだなと思いましたね。

ゴンザレス(G)

ゴンザレス(G)

──戦慄さんを選んだ理由を教えてもらえますか?

かやゆー 対バンしたときは挨拶だけだったんです(2023年8月開催「TOKYO BUZZ MUSIC FESTIVAL」)。リリースされている戦慄さんの音源を聴いても、音が多くて声だけに注目できないから、声の魅力に気付かなくて。その後、ピアノで弾き語りしてる動画を観たら「こんなにいい声だったのか」とわかって、動画をめっちゃ観るようになったんですよ。コラボ相手を考えるときに、バンドマンじゃ面白くないから違うジャンルの人がいいなと思って、戦慄さんに声をかけました。

──戦慄さんはキャラクターも強いし、皆さんよりも年上なので、歌詞の意味合いも変わってきますよね。

かやゆー でも、世界観とかはあんまり考えなかったですね。ただ声が好きっていう。

──ほかのインタビューでは「最初は戦慄さんが怖かった」とおっしゃってましたけど、打ち解けられました?

かやゆー ミュージックビデオ撮影の待ち時間とかにけっこう話せたんで、だんだん打ち解けました。僕はコミュ障なんですけど、戦慄さんは話しかけてきてくれる人だったので接しやすかったです。

しおん 僕らはまだ全然しゃべってないです(笑)。

ゴンザレス ホント、ひと言ふた言っすね。

りょうと(B) まだ全然怖い(笑)。

しおん 挨拶したときは俺らがビビってるのをおそらくわかってくれてて、すごく柔らかい感じでしたけどね。

かやゆー でも、マネージャーとかもいっぱいいたから「どれがヤングスキニー?」って言ってた(笑)。

03. 恋は盲目

ヤングスキニーには珍しい明るい失恋ソング by りょうと

りょうと えーと、ヤングスキニーでは珍しく純愛だけど、失恋でもあって……

かやゆー 長えな(笑)。

しおん キャッチコピーじゃなくて全部説明しちゃってんじゃん(笑)。

りょうと 難しいよ(笑)。じゃあこれで。ヤングスキニーには珍しい明るい失恋ソング。

しおん でも確かにそうだね。

かやゆー 失恋だけど前を向いてる感じ。りょとくんがなんか言うととりあえず否定しちゃうけど(笑)。

──リズム的にもシャッフルで明るい感じですよね。

しおん この曲は、かやゆーくんが持ってきた弾き語りのデモが跳ねたリズムだったんです。バンドでやるにあたって跳ねさせないアレンジにするときもあるんですけど、これはそのままでいい気がするなと。そのまま弾き語りにバンドの音を乗っけたような形になりました。

──スムーズにアレンジできたんですね。

しおん 編曲した次の日がレコーディングだったんですよ。スケジュールがパツパツだったんですけど、わりとやりやすかったですね。ナチュラルにやれました。

ヤングスキニー

ヤングスキニー

──この曲はドラマ「瓜を破る~一線を越えた、その先には」のオープニングテーマになっていますが、タイアップだといつもと違う作り方になるんじゃないですか?(参照:ヤングスキニー「恋は盲目」を配信、久住小春×佐藤大樹ドラマのオープニング曲

かやゆー そうですね。いつもと逆で、まずテーマがあって、そこから「こういう曲調にしよう」と。タイアップじゃなかったらこんな歌詞にはなってないと思います。

──違うやり方をすることで、普段の作曲に影響が出たりしますか?

かやゆー ないです。タイアップは毎回つらいですし、いつもは作りたいときに浮かんだ好きなことを書いてるだけだから楽だし。

──しおんさんもおっしゃってましたけど、タイアップはスケジュールが大きな壁になりますよね。

かやゆー そうなんですよ。しかも今回はツアー期間中だったんで、もうホントにしんどかったです(笑)。こっちが作った曲をドラマにしてほしい。

しおん 尖りすぎだよ(笑)。

かやゆー 歌詞にストーリーはあるわけだから、それを膨らませてドラマにしたらシンプルに面白いのにって思うんですけど。

──まずマンガ家さんにヤングスキニーの曲が原案の作品を描いてもらって、それをドラマ化する、というような。

かやゆー それが実現したらめっちゃいいですよね。