ファイナルはJUJUからファンへの大感謝祭
──2月13日にWOWOWで独占放送されるのは、ツアーファイナルの北海道立総合体育センター 北海きたえーる公演です。
あの日のMCでも話したんですけど、私にとって初めてのアリーナツアー(2013年開催の「JUJU BEST STORY ARENA TOUR 2013」)の初日が北海道公演だったんですよ。で、今回のアリーナツアーの最終日が北海道だったので、どこか不思議な縁を感じずにはいられないんですよね。もっと言うと私は昔、ライブがすごく苦手だったんですけど、初めて「ライブって楽しいかも」と思えたのが札幌で開催されたラジオのイベントに出たときだったんです。そんな今の自分につながる大きなきっかけをいただけた場所という意味でも北海道はやっぱり特別な感じがしますね。なので、あのツアーファイナル公演は私からの大感謝祭と言いますか(笑)、皆さんに対してのありがとうの気持ちをたっぷりお届けしようという気持ちで臨みました。
──ライブを通して印象的だったシーンはありますか?
これ言っちゃっていいのかな? あの日はツアー最終日だったし、自分にとって大切な北海道でのライブだったし、さらには収録カメラもいっぱい入っている状況だったので緊張していて。最初の3曲、ずっと両足がつってました(笑)。
──ええー! 1曲目は凛とした立ち姿で素晴らしい歌声を披露されていましたけど、まさかそんなことになっていたとは。
緊張すると体に変な力が入るから、足がつった状態で本番をやってることって、実はけっこうあるんですよ。ただ両足同時につるのは生まれて初めてだったので、ビックリしましたね(笑)。1曲目は特に自分の大好きな曲だし、その物語をライブのオープニングでしっかり届けたい思いが強かったから、がんばって歌いましたけど。凛とした感じに見えていたのであればよかったです(笑)。
──ほかに何か記憶に強く残っていることはありますか?
とにかく皆さんの目が優しかったのが印象的ですね。それはどの会場でも感じることではあるんですけど、北海道のお客さんからは特にそういう印象を受けました。これは私の持論なんですけど、北海道はミュージックラバーがめちゃくちゃ多い地域だと思うんですよ。デビュー直後にFM NORTH WAVEでレギュラー番組をやらせていただいているときに、それを強く感じたことがあって。それ以降、私の中ではそういう感覚なんです。
──確かに曲の雰囲気に合わせて思い思いに楽しんでいるお客さんが多いですよね。
そうそう、みんな本当に楽しんでくれているのが伝わってきました。ライブというのは演者とお客さんの気の受け取り合いですから。皆さんが盛り上がってくださると私はもちろん、バンドもめちゃくちゃ熱くなるんですよ。予想外のところで大きく盛り上がってくれたりするとビックリはするんだけど、それによって気持ちが高揚もするから、さらにパフォーマンス面でのいいスイッチがバチンと入るっていう。すべての相乗効果でスパイラルみたいに熱気がどんどん上がっていくのをファイナル公演では特に強く感じることができましたね。もう、そこにいる全員が同じ表情をしていたような気がします。めちゃくちゃ幸せな表情を。
──1年の延期を経てのツアーだっただけに、大団円という言葉がふさわしい内容でした。
同じ選曲で、同じセットで、同じメンバーで回るツアーっていうのは2度とないわけですからね。来てくださった方々は、すべての瞬間を1mmも逃さずに受け取ろうとしてくださっていたのが伝わってきました。だから私も力が入りすぎて足をつったんでしょうけど(笑)。あの日の高揚感が画面を通して観てくださる方にも伝わったらいいですね。デビューから約17年。私がここまで来られたのはひとえに楽曲を聴いてくださり、ライブに足を運んでくださる皆さんのおかげでしかないんです。なので、みんなで作ってきたここまでの道のり、軌跡を今回のライブを通して一緒に感じてもらえたらいいなって思います。今できるすべてを注ぎ込んで作り上げたツアーですが、ベストに収録されていた曲数を考えると今回は「YOUR STORY」ツアー“その1”だと私は思っているんですよね。言わば、今回のライブは今後も続いていくであろう「YOUR STORY」ツアーの幕開けでもある。そんな思いで楽しんでいただくのも一興かなと思います。
やり残して後悔する前に
──ライブのMCでJUJUさんは「OUR STORYは続いていく」ともおっしゃっていましたが、その言葉を証明するように新たな動きも続々と発表されています。まずは3月16日にカバーアルバム「ユーミンをめぐる物語」をリリースされます。プロデューサーとして松任谷由実さんと松任谷正隆さんを迎えて制作された本作は、ユーミンマニアとも言えるJUJUさんにとっては大事件なんじゃないかなと。
そうなんですよ! ユーミンの曲だけで構成したカバーアルバムを作ることは人生の中でのやりたいことリストにずっと入っていたものだったんです。いつかできたらいいなと思っていたわけですけど、ここ数年でそのいつかがやってくるかどうかは確実なことではないよなと思うようになって。だったらやり残して後悔する前に自分で動こうと。それで、まずは由実さんにお手紙をしたためて、自分にとってユーミンという存在がどれほど大きなものかをちゃんとお伝えさせていただいたんです。そのうえでカバーアルバムを作らせていただきたいと。さらに作らせていただけるのであれば、由実さんと正隆さんにプロデュースをお願いしたいですとお話しさせてもらったんですよね。そうしたら快く引き受けてくださって。「まさか!? こんなすごいことある?」って感じでしたね(笑)。
──JUJUさんにとってユーミンさんの魅力はどんなところにあると思いますか?
え? 5時間くらいかかりますけど大丈夫ですか?
──あははは。そうですよね。とてもひと言じゃ言い表せないですよね。
1つ言えるのは、ユーミンの曲は素敵な大人の世界の象徴なんですよ。だから私は子供の頃に、ユーミンに恋をしたんです。ユーミンの音楽は最上級におしゃれな大人の音楽だし、私の好きな昭和のムード歌謡ともまた違ったスモーキー感があるんですよね。小学生のときラジオから流れてきた曲を聴いた瞬間、「なんだこれ?」って衝撃を受けましたから。そこからユーミン沼にハマったわけですけど、その沼にはハッとさせられる刺激もあるし、すべてにおいて教えが濃いし、うっとりさせられる瞬間もある。自分にとって欲しいものがすべて詰まっている。それがユーミンの音楽なんですよね。本当に私にとってユーミンは神ですね。
──そして5月からは松任谷正隆さんが演出を手がけるホールツアー「JUJU HALL TOUR 2022 不思議の国のジュジュ苑 -ユーミンをめぐる物語-」の開催も決定しています。
カバーアルバムのお願いをさせていただいたときに、図々しいついでにライブのお話もさせていただいたんですよ。ユーミンの世界観は正隆さんが作り上げられている部分もあるので、もし可能であればカバーライブの演出をお願いできませんかと。そうしたら、「いいの? やるよ」ってフランクにお引き受けいただけて。そこからいろいろ打ち合わせを重ねさせてもらっているんですけど、今回は本当に何が起こるかわからないライブになりそうです(笑)。
──ツアータイトルの「不思議の国」を体現したような内容になりそうですか?
はい。そもそも“不思議の国の”っていうタイトルは正隆さんが言い出したことなんですよ。だから現状、どう不思議になるかは正隆さんのみぞ知るという感じで(笑)。まあでも私が正隆さんにお願いしたのは、これまでのJUJUがやってこなかったことをやりたい気持ちが強かったからなので、とにかく楽しみでしかないです。ワクワクしたり、時にはドキドキしながら素晴らしいライブをしっかり作り上げていこうと思っていますので、皆さんもぜひ楽しみにしていてください。
ツアー情報
JUJU HALL TOUR 2022 不思議の国のジュジュ苑 -ユーミンをめぐる物語
- 2022年5月19日(木)千葉県 松戸森のホール21
- 2022年5月24日(火)神奈川県 神奈川県民ホール
- 2022年5月27日(金)大阪府 フェスティバルホール
- 2022年5月28日(土)大阪府 フェスティバルホール
- 2022年6月1日(水)福岡県 福岡サンパレス
- 2022年6月2日(木)福岡県 福岡サンパレス
- 2022年6月7日(火)栃木県 宇都宮市文化会館
- 2022年6月10日(金)埼玉県 サンシティ越谷市民ホール
- 2022年6月14日(火)東京都 中野サンプラザホール
- 2022年6月15日(水)東京都 中野サンプラザホール
- 2022年6月18日(土)新潟県 新潟県民会館
- 2022年6月23日(木)広島県 広島文化学園HBGホール
- 2022年6月24日(金)岡山県 倉敷市民会館
- 2022年7月3日(日)群馬県 高崎芸術劇場 大劇場
- 2022年7月8日(金)東京都 東京国際フォーラム ホールA
- 2022年7月9日(土)東京都 東京国際フォーラム ホールA
- 2022年7月17日(日)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
- 2022年7月18日(月・祝)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
- 2022年7月23日(土)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- 2022年7月24日(日)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- 2022年7月29日(金)熊本県 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
- 2022年7月31日(日)長崎県 長崎ブリックホール
- 2022年8月5日(金)静岡県 静岡市民文化会館 大ホール
- 2022年8月7日(日)山梨県 YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
- 2022年8月11日(木・祝)神奈川県 よこすか芸術劇場
- 2022年8月13日(土)石川県 本多の森ホール
- 2022年8月14日(日)富山県 オーバード・ホール
- 2022年8月18日(木)岩手県 岩手県民会館 大ホール
- 2022年8月20日(土)宮城県 仙台サンプラザホール
- 2022年8月21日(日)宮城県 仙台サンプラザホール
- 2022年8月25日(木)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
- 2022年8月27日(土)大阪府 フェスティバルホール
- 2022年8月28日(日)大阪府 フェスティバルホール
- 2022年9月1日(木)京都府 ロームシアター京都 メインホール
- 2022年9月2日(金)兵庫県 アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)
- 2022年9月4日(日)長野県 ホクト文化ホール(長野県県民文化会館)
- 2022年9月9日(金)大分県 iichikoグランシアタ
- 2022年9月10日(土)鹿児島県 鹿児島市民文化ホール
- 2022年9月15日(木)香川県 レクザムホール(香川県県民ホール) 大ホール
- 2022年9月17日(土)愛媛県 松山市民会館
- 2022年9月20日(火)山形県 やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)
- 2022年9月21日(水)福島県 けんしん郡山文化センター 大ホール
- 2022年9月27日(火)秋田県 あきた芸術劇場ミルハス
プロフィール
JUJU(ジュジュ)
18歳で単身渡米。ニューヨークでシンガーとしての実績を積んだのち、2004年8月にシングル「光の中へ」でメジャーデビュー。2005年から日本でのライブ活動をスタートさせる。2006年にリリースしたシングル「奇跡を望むなら...」がロングヒットを記録。ジャンル洋邦問わず名曲を歌い継ぐことをライフワークとし、カバー盤も人気を博している。2020年4月にオールタイムベストアルバム「YOUR STORY」、10月に男性アーティスト限定のカバーアルバム「俺のRequest」をリリース。2021年9月から12月にかけて過去最大規模のアリーナツアーを開催した。同年11月に日本テレビ系ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の主題歌「こたえあわせ」をシングルリリース。2022年3月に松任谷正隆、松任谷由実プロデュースによるカバーアルバム「ユーミンをめぐる物語」をリリースする。
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