奥田民生×山内総一郎 インタビュー
やっぱり作りたてはうまい
──撮影を終えられたばかりの「FUJI & SUN '22 NAVI!」、収録はいかがでしたか?
山内総一郎 キャンプに行ったことはないけれど、以前からキャンプギアには興味があったので、今回収録でいろいろ知れてよかったです。たけだバーベキューさんのYouTubeチャンネルも拝見していたので「本物だ!」って思いながら(笑)。
──たけださんのバーベキューのテクニックも間近で見られていましたね。
山内 手際がいいのはもちろんのこと、味が本当においしかったです。YouTubeを拝見していると、いろんな芸人さんとキャンプに行かれていて引く手数多なんですが、その理由がわかりました。
──民生さんは、キャンプはやらないと話されていましたが……。
奥田 いや、火を焚いたりみたいなことは嫌いじゃないというか、好きなんですよ。ただ、キャンプに行くことは……しないかな(笑)。
山内 ずっと「俺、いる?」と言ってましたもんね(笑)。
──ただ、民生さんは去年WOWOWのキャンプ番組「CAMP TV」にもゲスト出演されているんですよね。
奥田 そうなんですよ。なんなんですかね?(笑)
山内 キャンパーたちは民生さんの音楽を聴きたいんですよ。
──収録では、トークパートのほかにリユースアウトドアギアショップ「UZD」のアイテム紹介、たけだバーベキューさんの料理コーナーに参加されていましたが、特に印象的だったのは?
奥田 カツオの藁焼きですね。藁持ってきたのか……!と思いました。まず、たたきを野外で作るという考えが自分の中になかったけど、思えば藁焼きは野外でやったほうがいいよなと思ったり。だから「確かに、確かに」と思いながら見ていましたね。味もうまかったです。やっぱり作りたてはうまいですよね。
山内 僕は普段からよく焼きそばを作るので、レモンペッパー焼きそばですね。今日使ってらっしゃった食材も調味料もスーパーで手に入るものばかりだったので、家で実践したいなと思いました。お酒がなくても食べたいおいしさでした。
民生さんは常にカッコいい
──奥田さんはソロで、山内さんはフジファブリックとして、今年の「FUJI & SUN」に出演されます。お二人とも「FUJI & SUN」は初出演ですが、民生さんは「CAMP TV」の撮影で会場の富士山こどもの国には行かれているんですよね。
奥田 案外東京から近いですしね。公園なんですけど、ちょっとノスタルジックな雰囲気なんですよ。それがなかなか味を出している場所でしたね。
──一方のフジファブリックは、中止となってしまった「FUJI & SUN '20」に出演予定だったので、今回の参加はある意味リベンジの機会でもあります。
山内 そうなんです。会場に行くのも今回が初めてなので、どんなところなんだろうな?と。すごく気持ちよさそうな会場の写真は見たので、普段のフェスでやるようなセットリストというより、「FUJI & SUNはこんな感じかな?」と想像しながら曲を選ぼうかなと思っています。同じ日に出演されるアーティストの方々を見ても、フェスでご一緒したことのない方々もいらっしゃるので、このフェスのカラーがあるんだろうなと。なので、「自分たちがここに混ざるならこんな感じかな?」ということを考えていくと思います。
──そうなんですね。民生さんは、現状当日のステージについて考えていることは?
奥田 弾き語りのときは当日のライブ直前に曲を決めるんです。なので、行ってみないとというところですね。まあでも天気がいいのがいいから、雨が降らなきゃいいなとは思いますね。
山内 それは本当に、お天道様に切に願いたいところですね。
──それほどお天気で変わってきますか。
山内 全然違いますね。
奥田 全然違う! 本人もそうだし、お客さんのことも気になるじゃないですか。「自分だけ屋根あってすみません……」みたいなこともあるじゃない。
山内 一度、すごい豪雨の中で演奏したことがあったんですよ。そのときはみんな屋根があるところに行っちゃって、「なんかすみません!」みたいな気持ちになるのもなあという(笑)。お天気にはやっぱりすごく左右されますね。
──お二人は今回のように、フェスでご一緒されることも多いかと思います。
山内 そうですね。僕らからすると「民生さんがいらっしゃるからこの事務所に入ろう」とマネジメントを決めたくらい民生さんのファンであり、今は先輩なので、フェスでも本当にいろんな場面を見させてもらっていますけど、常にカッコいいですね。常にカッコいいです。
奥田 (笑)。
山内 常にカッコいい人ってなかなか見ないですけど、民生さんはそういう方なんです。バンドでも弾き語りでもソロのバンドでもカッコいい。
ゆったりと聴いてもらっていると、こっちも気持ち的にゆったりできる
──「FUJI & SUN」はアーティストのライブに加え、個性豊かなショップエリア、アクティビティ体験など、来場者の方がさまざまな方法で楽しめる要素があるのが特長です。参加者へ向けて、お二人にも「こういう楽しみ方をしたらいいんじゃないか?」というアドバイスをいただけたらと思うのですが……。
奥田 いわゆる野外のフェスでも、みんなだいたい前のほうで観たいと思うんじゃないかなと。でも「FUJI & SUN」だったら全然遠くのほうでも……それこそ今日紹介してもらったような椅子に座って、遠目にぼんやり観るのも醍醐味だと思うんですよ。
山内 確かに、それはありますね。演奏している僕らも、遠くのほうでゆっくり観ている人たちが手を上げてくれるのとか、けっこううれしかったりするんですよ。「あ、楽しんでくれてるんだな」って。ゆったりと聴いてもらっていると、こっちも気持ち的にゆったりできるなあという思いもあったりするし、せっかくなんで自然を存分に楽しんでもらえたらいいのかなと思います。
──では、お二人が感じるフェスの醍醐味はどんな部分でしょう?
奥田 真面目に音楽を聴かなくていいんですよ、フェスって。もう、観なくてもいいっていうか。そのユルさが売りだと思うんで。やるほうもね、もうやんなくてもいい……。
山内 あはははは!
──それは、どうかやってください(笑)。
山内 でも「民生さん、ついにその域まで行かれたかー!」と思いますよ、こっちは。
奥田 「やってるようじゃまだまだだ」って、(井上)陽水さんに言われそうだからなあ(笑)。
山内 「ギター弾いてるうちはまだまだだ」というのは、マジで言われたことあります(笑)。
奥田 だから、それくらいのユルい気持ちで……こちらもやりますね(笑)。いや、手を抜くわけじゃないですよ。
──ありがとうございます(笑)。山内さんはいかがでしょう?
山内 自分が「お!」と思ったというか「そうだよな!」とうれしくなった瞬間は、「RISING SUN ROCK FESTIVAL」の初日が台風で中止になってしまったとき、2日目のステージに上がったら、やるほうも観るほうも渇望しているムードを感じたとき。「音楽好きが集まっていていいな」というふうにすごく思いましたね。あとは、ステージで演奏しているといい香りが漂ってくること、けっこうあるんですよ。それだけおいしいものがあるんでしょう? そっちには。
──そうですね、たくさんあります(笑)。
山内 それを楽しむしかないでしょ!とか思っちゃいますけどね。とにかくめちゃくちゃいい匂いなんですよ。もちろん楽屋サイドにもたくさん用意してくださっていますけど、外のフードのほうがいつもおいしそうに感じるんで(笑)。食べ物を楽しんで、ライブを観るのをちょっと忘れちゃうくらいがいいよな、と思うときもありますね。
WOWOWプライム / WOWOWライブ「FUJI & SUN '22 NAVI!」
#1
WOWOWプライム
2022年5月3日(火・祝)18:30~
WOWOWライブ
2022年5月5日(木・祝)15:45~
#2
WOWOWプライム
2022年5月3日(火・祝)18:45~
WOWOWライブ
2022年5月6日(金)23:45~
#3
WOWOWプライム
2022年5月3日(火・祝)19:00~
WOWOWプライム
2022年5月8日(日)7:25~
「FUJI & SUN '22 NAVI!」ロングバージョン
「FUJI & SUN '22」オフィシャルサイトで公開
#1
2022年5月3日(火・祝)18:30~
#2
2022年5月3日(火・祝)18:45~
#3
2022年5月3日(火・祝)19:00~
プロフィール
奥田民生(オクダタミオ)
1965年広島生まれ。1987年にユニコーンでメジャーデビューする。1994年にシングル「愛のために」でソロ活動を本格的にスタートさせ、「イージュー★ライダー」「さすらい」などヒットを飛ばす。また井上陽水とコラボ作品を発表したり、PUFFYや木村カエラのプロデュースを手がけたりと幅広く活躍。弾き語りスタイルによるライブ「ひとり股旅」やレコーディングライブ「ひとりカンタビレ」、YouTubeで不定期公開されている“宅録スタイルでレコーディングの楽しさを紹介する”企画「カンタンカンタビレ」など、その活動内容は多岐にわたる。スティーヴ・ジョーダン率いるThe Verbsへの参加、岸田繁(くるり)と伊藤大地と結成したサンフジンズ、斉藤和義やトータス松本といった同世代ミュージシャンからなるカーリングシトーンズとしても活躍している。50歳を迎えた2015年に自身のレーベル・ラーメンカレーミュージックレコード(RCMR)を立ち上げ、2019年にソロ活動25周年を迎えた。2020年には、テレビアニメ「ハクション大魔王2020」にオープニングテーマ「サテスハクション」を提供。2022年3月には日本テレビ系ドラマ「逃亡医F」の主題歌「太陽が見ている」をシングルリリースした。
奥田民生 Official (@OT_staff) | Twitter
フジファブリック
2000年、志村正彦を中心に結成。2009年、志村が急逝し、2011年夏より山内総一郎(Vo, G)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(B)の3人体制で本格始動した。叙情性と普遍性と変態性が一体化した、シーン屈指の個性派ロックバンド。また山内は2022年3月にソロとしての1stアルバム「歌者 -utamono-」をリリースした。