キャンプはもはや、どうでもよかったです
──まずは、全12回の収録を終えての感想を聞かせてください。
レキシ 楽しかった。それしかないですね。
Bose 番組の話をいただいたとき、僕はこの3人で話している感じはすぐに想像が付いたのね。でも、その通りにやって許されるのかな? しっかりやらないとダメだよな……なんて考えてたけど、結局ありのままを撮っただけっていう。それがすごいなと(笑)。
レキシ・森山 あはははは。
Bose それでいいんだったら永遠にできるけど!
レキシ あの、ぶっちゃけていいですか? キャンプはもはや、どうでもよかったです。
Bose・森山 あはははは!
レキシ 俺はこの2人と一緒にできたことがホントに幸せでした。あとゲストの皆さんとも、普通にスタジオで会うより仲良くなれた気もするし。
Bose この間も(木村)カエラちゃんと、収録終わったあとにずっとしゃべってたんですよ。
レキシ だいたいいつも「退館時間です」と言われるまでみんなでしゃべってる(笑)。帰りたくない感じになってね。
森山 不思議ですよね。不思議なモラトリアムがあるというか。みんなそれなりの年齢ではあるんだけど、まるで放課後のような、ずっと遊んでいられる感じが「ちょっと危険だな」なんて思いながら。自分にとってはそういう感覚って、音楽活動を続けているモチベーションだったり好奇心だったり、はたまた原風景だったりもするんですけどね。番組が始まる前は「グリーンバックでいいんじゃないかな」なんて思ってたんですが……。
Bose・レキシ あはははは!
森山 グリーンバックの前でテント張ればいいと思ってたけど、この場所の磁場なのか、何回かやっていくうちに我々もどんどん開放的になっていって。あと、普段とは少し違う、素に近い感じでゲストの皆さんと話せたり歌ったりできたのもよかったです。(とろサーモンの)村田くんと、こういった形で最後になってしまうのは残念なんですけど……。
Bose 言い方、言い方(笑)。
森山 あと、おみそはん(DJみそしるとMCごはん)の料理も毎回おいしいし、癒やされるしね。
レキシ おいしかったね。
Bose そうね。
ホントはもっと深い時間まで……
──MCの皆さんのトークが楽しくて、毎回キャンプ番組を観ているのかトーク番組を観ているのか……というような感覚になります。
Bose そうなんだよね。池ちゃんの脱線トークがオンエアでどこまで使えるのか、というところはあったけど(笑)。
レキシ 反省することもいっぱいありました(笑)。
Bose ホントはさ、焚き火を囲んでのトークでゲストの皆さんが緩まったあと、もっと深い時間までダラダラしゃべる……みたいなことをやりたいよね。
森山 そうなんですよね。
Bose それってキャンプの醍醐味だからさ。“入り口”だけで終わっちゃうもったいなさというか。
レキシ でも逆に、それオンエアしたら革命じゃないですか?
一同 あはははは!
レキシ どんな対談番組よりもすごいことになりそう(笑)。
結局けっそん
──とはいえキャンプの知識も随所に詰め込まれていて、観ていてとても勉強になりました。「キャンプマスターへの道!」では皆さんが毎回キャンプギアを紹介されていましたが、その中で特に気に入ったアイテムはありましたか?
森山 僕らもいろいろ紹介しましたけど、結局けっそんが持ってくるアイテムが一番いいんですよ。
Bose・レキシ あはははは!
レキシ それね、早々にみんな気付いていて(笑)。
森山 「けっそんの食ってるモノ、全部うまそうに見えるよな」と。僕らがフリに使われている感が否めない……。
Bose でも聞けばね、僕が紹介したランタンにもなるライトは在庫がなくて値段が高騰しているっていう噂なんかもあってさ。1個もらえないのかな?とか……(笑)。
レキシ そういうアイテムだったり、長く愛されているロングセラーを知れたのがよかったですよね。
Bose いいものはいい!っていうね。
“何もない時間”の魅力
──「CAMP TV」を経て、皆さんが改めて感じるキャンプの魅力を言葉で表すなら?
レキシ 何よりも、これだけ打ち解けるっていうね。もしスタジオセットで番組を作っていたら、ゲストの方も含め、みんなここまで打ち解けていないんじゃないかな。それはスタッフの皆さんもそうだしね。
Bose あとはさ、焚き火やりだすと「やっぱ焚き火だな!」となるんだよね。
森山 焚き火始めると、Boseさん進行放棄しますからね。
レキシ 今みたいにね、この2人の、Boseさんの押さず引かずみたいなバランス感覚と、この人(森山)の、いい意味でも悪い意味でも場をクッと締める……。
Bose 悪い意味で締めるって何?(笑)
レキシ そのバランスがとにかくいいんですよ。どこに行ってもこの2人はやっていけますよ! どこに出しても恥ずかしくない!
森山 どういう立ち位置なのよ(笑)。
Bose 事務所の社長みたい(笑)。
レキシ やっぱりね、TOKYO MXの夕方の番組あたりから攻めてもらってね。
Bose もうWOWOWで番組やってんのよ(笑)。
森山 この番組は、カメラが回ってないときの時間もえらく充実しているんです。この間なんかは、ウチの山小屋に2人が泊まりに来てくれて、そのまま一緒に現場に入ったりとかね。現場でも一緒にお昼を食べてるし、ずっと一緒にいるんですよ。
Bose そうそうそう、なるべく一緒にいたい。楽しいから。
森山 結局収録って、“それ以外の時間”をどう過ごしてるかっていう部分の答え合わせみたいな感覚があるから、そういう意味では「本番お願いします」と言われる前の待ちの時間が豊かだっていう経験は、こういう趣旨の番組じゃないと得られないものだと思いますね。
レキシ 確かにね、そうだね。
Bose あとはさ、さっき欣ちゃんも言ってたけど、静かな場所でパチパチと弾ける火の音が根源的に気持ちいい、みたいな。ものすごくリラックスできるんだよね。なんにもないあの時間を経験すると「ああ、キャンプってこういうことがやりたいんだな」と思いますよ。たぶんそれだけなんじゃないかな。都会で暮らしていると、“何もない時間”を作るのがすごく難しいんですよね。だから、みんながキャンプにハマる理由がわかりますよね。
「俺たちのシーズン1」その先は……?
──最終回の収録の中では、皆さん今回の「CAMP TV」を「シーズン1」と表現して続編を熱望されていましたが、今後の展開については……?
レキシ 視聴者の皆さんが「続きを観たい」と、本気で言ってくれたらやると思います(笑)。
森山 まずはSNSのフォロワーを増やすところから……。
レキシ それな! けっそんの「CAMP HACK Channel」(YouTubeチャンネル)に負けてられないんですよ。
森山 今のところ、「シーズン1」と定義しているのは俺たちだけだからね(笑)。俺たちのシーズン1。
──先ほど話されていたように、皆さんが深い時間までしゃべっている姿も観てみたいです。
Bose そうなんだよ。もっとしょうもない話とか、出てきてもいいよねえ。
森山 そうですね。
Bose スタッフさん2人くらい残して、あとは僕らとおみそはんだけ、とかで夜な夜な語ったら、絶対面白いもんね。キャンプはそこからですよ。
番組情報
- CAMP TV presented by CAMP HACK×FUJI & SUN
- WOWOWオンデマンドでは全12話を配信中【無料トライアル実施中】
気になるエピソードから見てみよう! -
#1, #2
ゲスト:綾小路 翔(氣志團)
キャンプめし:チョコバナナチーズのホットサンド
弾き語り:「バームクーヘン」#3, #4
ゲスト:ハナレグミ
キャンプめし:ハンバーガー
弾き語り:「Peace Tree」#5, #6
ゲスト:SPECIAL OTHERS(柳下“DAYO”武史、宮原“TOYIN”良太)
キャンプめし:麻婆豆腐&焼き鳥
弾き語り:「IDOL」#7, #8
ゲスト:奥田民生
キャンプめし:南タイ風カレー
弾き語り:「MOTHER」#9, #10
ゲスト:木村カエラ
キャンプめし:ナポリタン
弾き語り:「今夜はブギー・バック」#11, #12
ゲスト:フィッシュマンズ
キャンプめし:餃子
弾き語り:「いかれたBaby」 -
YouTubeの「CAMP HACK Channel」では、名物コーナー「キャンプマスターへの道」のダイジェスト版を視聴することができます。
- Bose(ボーズ)
- スチャダラパーのMC担当。スチャダラパーは、1990年にアルバム「スチャダラ大作戦」でデビュー。以来ヒップホップシーンの最前線でフレッシュな名曲を日夜作り続けている。2016年に日比谷野外大音楽堂で「スチャダラ2016 ~LB春まつり~」を開催し、ミニアルバム「あにしんぼう」をリリース。デビュー30周年を迎える2020年には、アルバム「シン・スチャダラ大作戦」を発売した。2021年5月にnever young beachとのコラボレーションユニット「スチャとネバヤン」名義で「ネバやんとスチャやん」を含む2曲を配信。Bose個人としてはテレビ、ラジオ、CMへの出演やナレーション、執筆、ゲームなど、幅広いジャンルで活躍している。
- 森山直太朗(モリヤマナオタロウ)
- 1976年4月23日東京都生まれ。2002年10月にメジャーデビュー。2003年に発表したシングル「さくら(独唱)」が120万枚を超えるセールスを記録する。独自の世界観を持つ楽曲と唯一無二の歌声が幅広い世代から支持されており、コンスタントにリリースとライブ活動を続けている。最近では他のアーティストへの楽曲提供も行っているほか、2020年1月にはNHKの土曜ドラマ「心の傷を癒すということ」、4月からはNHK連続テレビ小説「エール」に俳優として出演し、その演技力も高く評価されている。5月に「最悪な春(弾き語り)」、7月に「すぐそこにNEW DAYS」を、10月には映画「望み」の主題歌として書き下ろされた「落日」を配信リリース。2021年3月にはCMのために再レコーディングされた「さくら(二〇二〇合唱)」、バンド編成で再レコーディングされた「最悪な春」を、両A面で約5年半ぶりのシングルCDとしてリリースした。
- レキシ
- 1974年福井県生まれの池田貴史によるソロプロジェクト。1997年にSUPER BUTTER DOGのキーボーディストとしてデビューした池田は、2004年からは100sのメンバーとしても活躍。その日本史マニアぶりを生かし、2007年にレキシとしての1stアルバム「レキシ」を発表した。レキシでは日本史の登場人物や史実をソウルフルなサウンドに乗せて歌う独自のスタイルで注目を集める。2015年9月には青森・三内丸山遺跡でのワンマンライブを成功させ、2016年6月に5thアルバム「Vキシ」をリリース。2017年10月には大阪・大阪城西の丸庭園にて初の野外公演、東京・日本武道館で初の2DAYS公演を実施した。2018年のNHK大河ドラマ「西郷どん」のパワープッシュソングに新曲「SEGODON」を提供。同年9月に6thアルバム「ムキシ」をリリースし、2020年9月には映画「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」の主題歌を表題曲とするシングル「ギガアイシテル」を発表した。
- フィッシュマンズ
- 1987年に佐藤伸治(Vo, G)を中心に結成されたロックバンド。1991年に小玉和文(ex. MUTE BEAT)のプロデュースのもと、シングル「ひこうき」でメジャーデビューする。当時のメンバーは佐藤、小嶋謙介(G)、茂木欣一(Dr)、柏原譲(B)、ハカセ(Key / 後のHAKASE-SUN)。ライブではzAkがPAで加わるなどして、徐々に独自のサウンドを作り上げていく。小嶋、ハカセの脱退を経て、1996年にアルバム「空中キャンプ」をリリース。レゲエを軸に、ダブやエレクトロニカ、ロックステディ、ファンク、ヒップホップなどの要素を取り入れた、独特の世界観で好評を博す。以降も木暮晋也(G / ヒックスヴィル)、ダーツ関口(G / ex. SUPER BAD)、HONZI(Key, Violin)をサポートメンバーに迎え、音源リリースやライブ活動を展開。1998年末をもって柏原がバンドを脱退し、動向が注目される中、1999年3月に佐藤が急逝する。これによりバンドは活動休止を余儀なくされるが、バンドは2005年夏に「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2005 in EZO」で、ゲストボーカルを迎える形で復活。その後も単独ライブやイベント、フェスなどで不定期にライブを行っている。2021年7月にはバンドの軌跡をたどる映画「映画:フィッシュマンズ」が全国で公開される。