まだまだ燃えています
──そんなツアーは本来であれば8月8日に東京・東京ガーデンシアターでファイナルを迎える予定でしたが、コロナの感染拡大状況から中止に。そして会場を東京国際フォーラムに移し、いよいよ11月1日に開催されます。一度ファイナルの中止が決まった当時はどんなお気持ちでしたか?
正直に言うと「またか……」と。そうやって決まっていたライブが中止や延期になると、やっぱり残念だなという気持ちにはなりますね。でもこういうご時世なので、たとえライブの開催が決まったとしても、今は「絶対にやれる」と期待しすぎないようにしつつ、準備万端で整った状態にしています。だから当日が迫ってくると「本当にできるかな」とドキドキしますが、無事にやれるときは全力でいこうと。だから皆さんも期待しすぎず、でも楽しみにしていてくれるとうれしいです!
──ファイナルが行われる予定だった8月8日、AIさんはどのように過ごしていましたか?
テレビでオリンピックの閉会式を観てました。「今日は本当だったらライブだったんだよなあ」と思いながら(笑)。でもその日、ファイナルが生中継される予定だったWOWOWで、私の過去のライブを流してくれていて。それもありがたいなと思っていました。
──ファイナルの延期が決まったあと、三浦大知さんを迎えた新曲「IN THE MIDDLE feat.三浦大知」や、AIさんがNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の主題歌を担当されることなどが発表されましたね(参照:AI、三浦大知との初コラボ曲配信リリース / AIが上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ら出演するNHK朝ドラ主題歌を担当)。ツアーが途中で止まってしまった中で、ああいった知らせはファンの方々にとってうれしいニュースだったと思いますが、AIさんご自身はどのようなお気持ちでしたか?
世の中的には何が起きるかわからない不安な状況が続いてましたけど、そういう中でも、みんなが何かに感動できたりするきっかけというか、人が「楽しみだ」と思ってくれるものを作れたらいいな、とは思っていましたね。それは今も同じで、これからもどんな状況になろうと、誰かが何かを感じられるものだったり、そういうものにつながる何かを作っていきたいと思ってます。
──ちなみにライブ当日の朝にはNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の放送がスタートします。ドラマのために制作された新曲「アルデバラン」は、いろんなことが起きているこの時代にがんばっている人たちへの思いが込められているそうですね。
はい。この曲は、森山直太朗くんに作詞作曲していただいたんですが、本当に素晴らしい曲で……。レコーディングのとき、自分のすぐそばにいる人たちを思い浮かべながら「『あなたのことを大切に思っているよ』と伝えたい」という気持ちで歌いました。早くライブで、みんなに聴いてもらいたいですね。
──そしてファイナル翌日の11月2日、AIさんは40歳の誕生日を迎えられますね。おめでとうございます。
ありがとうございます! ついに私も40歳まで来ました。シンガーとしても、1人の人間としても、まだまだ燃えています!(笑)
──ファイナルには「~AI Birthday Special~」というサブタイトルが冠されていますね。
はい。ツアーファイナルが自分の誕生日の前日となったので、今回はバースデースペシャルにしようと。ゲストが豪華で¥ellow Bucksさんと「THE MOMENT」、Awichさんと「Not So Different Remix」を歌います。そして新曲「アルデバラン」もやろうと思っていて、ファイナルかつバースデー前日ならではのセトリになっていると思います!
ポジティブなメッセージとパワー
──改めて最終公演はどんなライブにしたいですか?
バンドメンバーやスタッフたちと一緒にがんばってここまで無事にやってこられたから、あと1公演、最高のライブをしてツアーを完走したいですよね。私はもうホントに、このファイナルに命かけてます。会場に足を運んでくれるみなさんにもいろんな思いがあると思いますし、ファイナルも延期になっちゃったので。だから、お客さんに「ここまですごく待ったけど、本当に観られてよかった」と思ってもらえるようなライブにしたいと思います。いろんな思いがある中で私のライブを観るという選択をしてくれたすべての人たちに感謝しながら、ツアーの集大成としてすべてのパワーを出し切って、ものすごいライブにしたい。帰るときにはみんなが超笑顔で、出演者もスタッフも安心して笑顔になっていて……みんながハッピーな気持ちになってファイナルを終えられれば最高です。
──今回の公演がWOWOWライブで生中継およびWOWOWオンデマンドでも生配信されることに関してはどうですか?
すごくありがたいです。会場に来たくても来られないという人もきっといるはずだから。物理的な距離の問題もあれば、やっぱりコロナのことで動きたくても動けないという方もいるだろうし。だから、バンドメンバーとがんばって作ってきたツアーのファイナル公演をみんなの自宅でも楽しんでもらえるなんて、本当に最高だなと思います。実際ファイナルは約3カ月後ろ倒しになって、最後にバンドで合わせたときからかなり日が空いちゃったんですけど、本番までにメンバーと集まってバッチリ復習して臨むつもりですし、また絆が深くなった状態でライブができると思うので、ぜひ自宅からでも観てほしいですね。私はいつも以上に緊張すると思いますけど(笑)。
──カメラが入ると緊張するものですか?
はい。歌詞を間違えたらどうしようという緊張がありますよ。マスクをするのが当たり前になる前は、ライブで私が歌詞を忘れると、お客さんが口の動きで歌詞を教えてくれたりしていたんですよ(笑)。でも、今はそれもできないですからね。気合いを入れて歌詞を覚えとかないと。
──このツアーを無事に完走できたとき、AIさんの中にはどんな感情が生まれそうですか?
まずは感謝の気持ちが一番でしょうね。あとは、今回のツアーを通してまたいろいろと勉強になったことがあったので、それを踏まえてまた次に向けて動き出したい気持ちになると思います。コロナ禍が今後どうなっていくかはまだまだわからないし油断はできないけど、とにかく私はみんなをもっともっと楽しませたいという気持ちがすでにあるので、そこを追求していくんだろうなと。
──活動を20年続けてもなお、ツアーをすると学びがあるものなんですね。
全然ありますよ。それはたぶん、この先どれだけライブを重ねてもそうだと思う。こう言うとファンの方には失礼かもしれないけれど、ライブってやってもやってもパーフェクトになることはないと私は思ってるんですよ。常に自分を完璧とは思えないというか、どんどん自分のパフォーマンスに新たな課題が見えてきますから。そこが歌っていて楽しいところでもあるんですけどね。
──では最後に、当日会場に足を運んでくれる方、そしてWOWOWでの生中継、生配信を視聴してくれる方たちに向けてメッセージをお願いします。
当日ライブに来てくれる方、本当にありがとうございます。とにかく気を付けて来てくださいね! こんな時代が来てしまって、ライブもなかなか今まで通りにはできなくなっていますが、ツアーファイナルは当日会場に来てくれる方々にも安心して楽しんでもらえるように最善を尽くして臨みますので、心を交し合いながら思いきり楽しみましょう。そして生中継、生配信を視聴してくれる方々も、本当に貴重な時間を割いてくれてありがとうございます。離れていても、ライブを観てくれている皆さんにポジティブなメッセージとパワーを届けられるようにがんばります!
ライブ情報
- AI「20周年記念TOUR "IT'S ALL ME" FINAL ~AI Birthday Special~」
-
- 2021年11月1日(月)東京都 東京国際フォーラム ホールAOPEN 17:30 / START 18:30
- AI(アイ)
- 1981年アメリカ・ロサンゼルス生まれ、鹿児島県育ちのシンガー。10代でLAに渡りゴスペルクワイアで歌、LA名門アートスクールでダンスを学ぶ。帰国後、2000年に1stシングル「Cry, just Cry」でメジャーデビュー。ソウルフルな歌唱力やリアルな言葉でつづられた歌詞で多くのリスナーを獲得し、数々のヒット曲を発表した。安室奈美恵やEXILE ATSUSHIなど国内アーティストに加え、クリス・ブラウンやスヌープ・ドッグ、The Jacksons、チャカ・カーンといった海外アーティストとのコラボレーションも行う。2019年に「AIdea ~音楽で、世界をもっと良くしよう。~」をテーマに新しい音楽の届け方を考えるプロジェクト「AIdea」を始動し、同年にデビュー20周年を記念したベストアルバム「感謝!!!!! - Thank you for 20 years NEW & BEST -」、2020年7月にデビュー20周年記念作品第1弾のミニアルバム「IT'S ALL ME - Vol.1」、2021年2月に第2弾ミニアルバム「IT'S ALL ME - Vol.2」を発表。また同年6月に¥ellow Bucksとのコラボ曲「THE MOMENT feat. ¥ellow Bucks」、8月に三浦大知を迎えた「IN THE MIDDLE feat.三浦大知」をデジタルリリースした。また森山直太朗作詞作曲による新曲「アルデバラン」が11月から放送されるNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の主題歌に決定した。