ナタリー PowerPush - Who the Bitch

ポップでパンクで、でもそれだけじゃない! 1stフルアルバム「Toys」ついに完成

パンクやオルタナ、ガレージなどをムシャムシャと咀嚼したノリのいいサウンドの上で、女子ツインボーカルがポップでキャッチーなメロディを高らかに響かせる。そんな唯一無二の魅力でシーンを疾走するWho the Bitchが待望の1stフルアルバム「Toys」をリリース!

「Superstar」「カリスマヒーロー」といったシングル曲はもちろん、ヒダカトオル(MONOBRIGHT / ex. BEAT CRUSADERS)プロデュースの楽曲も収録した全13曲は、バンドが新たなステージへと到達したことを明確に実感させる最高の仕上がりだ。

取材・文/もりひでゆき インタビュー撮影/平沼久奈

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アルバムで自分たちの思いを全部出すぞって

インタビュー風景

──1stアルバム「Toys」、楽しく聴かせてもらいました!

ehi(Vo, G) おもちゃ箱のようでした?

yatch(Dr) アルバムタイトルどおりに?

──はい、まさに(笑)。昨年からいいペースでシングルをリリースしてきて、ついにたどりついたアルバムですもんね。

Nao★(Vo, B) そうですね、うん。

ehi ずっとフルアルバムは出したかったんですけど、タイミングが合わずなかなか出せなくて。でも楽曲はこの5年間の活動の中でたくさんできていたので、特別焦ることもなく。自分たちの思いを全部出すぞっていう感じで進めていきましたね。

──収録曲はキャリアの中からまんべんなく選んだ感じですか?

ehi そうですね。古い曲から新しい曲まで自然とバランスもとれました。今までの音源はライブ感をすごく大事にして作っていたんですけど、今回はヒダカ氏に乱入して楽曲制作してもらったので、新しいアプローチもできたんですよね。

──古い曲はアレンジをし直したりも?

yatch はい。リズム面でも昔の曲とかはだいぶリアレンジして。うちらの解釈としては、もう新曲みたいな仕上がりになりました。

単なるパンクじゃない、Who the Bitchにしかできない音楽

──全体を通して印象的なのはやっぱりehiさんとNao★さんのツインボーカルで。絡み方もさまざまだし、バンドが持っているポップさをさらに加速させていますよね。

インタビュー風景

Nao★ 2人で面白いハモリとかをしようっていうのは常に心がけてはいますね。今回のアルバムではそういう部分を最大限に生かすことができたと思います。「Summer」って曲に関してはヒダカさんの意向もあって、すごく面白い感じに仕上がって。こういうやり方もあるんだなって、すごく勉強になりました。

──「Summer」いいですよねえ。すごく楽しい。

ehi 歌のメロディの後半の盛り上がりはヒダカくんのアドバイスでやったんですけど、彼のプロデュース能力のすごさを見せつけられた感じがしました。別々のメロディが混ざり合う感じを盛り込むことで、曲としてもものすごく広がったし。ワクワクするアイデアを出してくれましたね。

yatch かなり生まれ変わったよね、この曲は。

ehi ボーカルに関して言うと、今まであんまりやったことがなかったんですけど、オクターブ下で歌ってローの部分をカッチリ鳴らすみたいな小ワザを今回はちょっと使ったりもしてます。ほかにも、ボーカルはそれぞれの声をダブルにしたりとか、よく聴くと8声くらい入ってるところがあったりしているんですよ。

yatch そういう2人の声の面白さはWho the Bitchのウリですよね。

──サウンドのアレンジはどうやって進めていく感じなんですか?

ehi 叩き台になる曲とメロディを私が持っていって、間奏とかキメとか楽器のオカズとかをyatchに作りこんでもらうことが多いですね。「お願いします!」って振っちゃうんです。

yatch 基本、ehiがけっこうポップな曲を作ってきて、そこに対してのアレンジはパンクで攻めるんです。で、それがうまく合わさったときにWho the Bitchらしい曲になる。

──なるほど。ehiさんのメロディセンスや、ツインボーカルが加味されることで、アレンジはパンクを基調としていても、聴き心地は単なるパンクにはならないと。

yatch そうです、そうです。だから思いっきりやれるというか。これが例えば男3人組だったらそのままパンクバンドになっちゃうけど、ポップなメロディが混在し、それを女の子が歌ってるってなれば、それはもうWho the Bitchにしかできない音楽になるので。

ニューアルバム「Toys」 / 2011年6月8日発売 / 2500円(税込) / DCT records / XQJS-1003

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CD収録曲
  1. So I love you.(very very short ver.)
  2. Know a way
  3. ベクトル ~いつの日かたどりつけるこの足で~
  4. Telephone
  5. アイダホ
  6. Superstar
  7. Summer
  8. あなたのまゆげ ~Love's bible~
  9. 赤いレモンティー
  10. Rest
  11. カリスマヒーロー(パチパチ ver.)
  12. Chicken Heart
Who the Bitch(ふーざびっち)

2005年に結成された、ehi(Vo, G)、Nao★(Vo, B)、yatch(Dr)からなる3ピースバンド。パンク、オルタナ、ガレージなどの要素を吸収したジャンクでロックな “デスコパンク”サウンドが特徴。

2009年にはミニアルバム「ミラクルファイト de GO! GO! GO!」をリリースし、全国20カ所に及ぶツアーを敢行。同年夏には「e+エンタメ市場《meets》×SUMMER SONIC '09」へエントリー。130万票にもおよぶユーザー投票とプロデューサー選考を経て、応募総数2106組の中から「SONIC STAGE」出演の座を獲得し、音楽ファンや音楽関係者の間で大きな話題を呼ぶ。

2010年は配信限定楽曲「Satisfaction de No reaction」と2枚のシングル「Superstar」「カリスマヒーロー」をリリース。秋には全国13カ所を巡る「Superstar×カリスマヒーロー TOUR」を敢行し、ファイナル公演の新宿LOFTワンマンライブを満員御礼で成功させた。

ヒダカトオル

1968年千葉県生まれ。1997年にBEAT CRUSADERSを結成し、ボーカル&ギターを担当。2004年にメジャーデビューを果たし多くのロックファンの支持を集める中、2010年にバンド解散。その後MONOBRIGHTへの電撃加入を発表した。バンドと並行してソロや複数のユニットでも活躍。木村カエラ、GOING UNDER GROUND、磯部正文ら他アーティストへの楽曲提供・プロデュースも積極的に行っている。