ナタリー PowerPush - Who the Bitch

ポップでパンクで、でもそれだけじゃない! 1stフルアルバム「Toys」ついに完成

バカ騒ぎだけじゃない、心に突き刺さる曲を

──「Summer」のようなノリのいい楽しい楽曲がありつつも、一方には「赤いレモンティー」や「手」のような感情を揺さぶるメッセージが込められた楽曲もあって。その振れ幅もWho the Bitchらしさのような気がしました。

ehi 「手」は最初は英語で書いてたんですけど、震災のことがあったりもしたので、ちゃんと日本の人に届けて元気になってもらいたいなって思い、歌入れの前日に日本語で書き直したんです。

yatch これは素晴らしい歌詞ですね。歌入れ直前にこれもらって読んでて、1人で隠れながらポロッと。

ehi ウソ!?

yatch ほんとほんと。「泣いてるあの子が笑うといいな」っていう1行がグサッと来て。時期も時期だっただけに、すっごい染みましたね。

インタビュー風景

ehi 初期の頃のうちらってほんとにバカ騒ぎ的なハッピーさばかり求めてたところがあったんですよね。「Summer」なんかもうめっちゃアホだし(笑)。でも、そこから多少なりとも成長をして、ちゃんと心に突き刺さる、訴えかける曲も作りたいなってすごく思うようになったんです。ようやくそういう方向を向き始めたというか。

──シリアスな側面があるからこそ、思いっきりバカ騒ぎができたりもしますしね。

ehi そうそう。辛さとか悲しさとかを吸収した上で楽しいことをやれば、より楽しいことができるんじゃないかなって。そういう意味でも今回の「Toys」っていうアルバムは、バンドとしての大きなステップアップにつながるんじゃないかなとは思ってるんですけど。

──個人的には初期に多かったビッチな内容の曲も好きなので、そこらへんも続けていってほしいんですよねえ。

ehi 確かに昔は英語も多かったんでね、好き放題書いてましたね。今回の「Know a way」っていう曲も直訳したらビッチな内容なんですけど。

──歌詞カードには意訳が掲載されていますが。

ehi 意訳はかなりかわいくしちゃったんですよ。CDを買ってみてください。

yatch 男からしたらね、あんなこと言われた日には(笑)。

──アハハ。確かに。でもそういう勢いも魅力だと思います。

yatch バンド名がこんなんですからね。いつまでも尖っていてください(笑)。

ehi はい(笑)。

一斗缶ドラミングはyatchの代名詞

インタビュー風景

──6月9日には4月から続いていたツアーのファイナル公演がShibuya O-WESTで開催されます。ライブバンドとしてのWho the Bitchの姿をぜひ目撃してほしいですよね。

Nao★ 暴れられて踊れて……。

yatch 泣けるライブです。

ehi やっと最近になって、ただ暴れてるだけじゃなくて、ライブにしたいって思えてきたっていうか。熱い涙が流せて、明日からまたマジでがんばろうって思ってもらえる、元気を与えられるライブにしたいんですよね。作品にしてもそうだけど、それをバンドとしての大きなテーマとして活動を続けていきたいですね。

──yatchさんのウリである一斗缶のドラミングも生で堪能できますしね。

yatch ですね。あ! こないだね、ノラ・ジョーンズが来日したときに、ギタリストの人が一斗缶を叩いてたんですよ。ふざけんなよと思って。俺がマネしてると思われるじゃねえかよって(笑)。

Nao★ 俺のほうが先なのにって(笑)。

yatch そうそう。もう10年以上叩き続けてますからね。一斗缶は僕の代名詞なんで!

インタビュー風景

Who the Bitch「赤いレモンティー」PV

ニューアルバム「Toys」 / 2011年6月8日発売 / 2500円(税込) / DCT records / XQJS-1003

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CD収録曲
  1. So I love you.(very very short ver.)
  2. Know a way
  3. ベクトル ~いつの日かたどりつけるこの足で~
  4. Telephone
  5. アイダホ
  6. Superstar
  7. Summer
  8. あなたのまゆげ ~Love's bible~
  9. 赤いレモンティー
  10. Rest
  11. カリスマヒーロー(パチパチ ver.)
  12. Chicken Heart
Who the Bitch(ふーざびっち)

2005年に結成された、ehi(Vo, G)、Nao★(Vo, B)、yatch(Dr)からなる3ピースバンド。パンク、オルタナ、ガレージなどの要素を吸収したジャンクでロックな "デスコパンク"サウンドが特徴。

2009年にはミニアルバム「ミラクルファイト de GO! GO! GO!」をリリースし、全国20カ所に及ぶツアーを敢行。同年夏には「e+エンタメ市場《meets》×SUMMER SONIC '09」へエントリー。130万票にもおよぶユーザー投票とプロデューサー選考を経て、応募総数2106組の中から「SONIC STAGE」出演の座を獲得し、音楽ファンや音楽関係者の間で大きな話題を呼ぶ。

2010年は配信限定楽曲「Satisfaction de No reaction」と2枚のシングル「Superstar」「カリスマヒーロー」をリリース。秋には全国13カ所を巡る「Superstar×カリスマヒーロー TOUR」を敢行し、ファイナル公演の新宿LOFTワンマンライブを満員御礼で成功させた。

ヒダカトオル

1968年千葉県生まれ。1997年にBEAT CRUSADERSを結成し、ボーカル&ギターを担当。2004年にメジャーデビューを果たし多くのロックファンの支持を集める中、2010年にバンド解散。その後MONOBRIGHTへの電撃加入を発表した。バンドと並行してソロや複数のユニットでも活躍。木村カエラ、GOING UNDER GROUND、磯部正文ら他アーティストへの楽曲提供・プロデュースも積極的に行っている。