ナタリー PowerPush - THE WAYBARK

「破壊なくして創造なし」 成田大致が語るバンドの現在と未来

メンバー間の気持ちが離れていっちゃった

──ところで話は変わりますけど、先日のライブではおなじみのスーツ姿をやめて演奏してましたね。

そうなんですよ。これからは、普段着に近いスタイルでいこうかと思ってて。ライブに来た人はちょっと驚いてたみたいだけど、橋本真也の「破壊なくして創造なし」っていうかね。これまでのTHE WAYBARKを一度、壊す時期に来てるんじゃないかなって。

──え!? また衝撃発言ですね。新しいことに挑戦していこうってことですか?

そうですね。今はこれまで以上に、素の自分たちを出したい。そんな気持ちが強いというか。それしか考えていない。それで、だいち69って名前もJohnnyって名前も捨てました。だって俺らみたいなバカでしかない連中が、そんな名前背負ってるだけでバカ丸出しなだけじゃないですか。「はっ!? なんて滑った名前背負ってるんだ!」って(笑)。今まで客観的に自分を見ることができなかったのがやっとできるようになったんですよ。俺たちって本当にバカだから。

──昨年のリリースのときも似たようなことを言ってましたよね。それまでは派手なパフォーマンスを見せることに懸命だったけど、これからはもっとメッセージを届けたいって。それが一歩、進んだということですか。

そうですね。自分たちをもっともっと出したいというか。第二の自我の目覚めですね(笑)。客観的に自分たちを見れるようになった。新卒で就職した友達はそういうことが既にできている。そういう意味では遅かったんですけど、本当にバカなんで……。でもここから僕達は強くなれると思います。今までもこんなことばっかり言ってきたんですけど、これからの自分たちに注目してほしい。浮気バレて言い訳してる男みたいですね。だって同じことしか言ってないですもん。そのためには今までのイメージ全部払拭したいんです。本当は全員改造手術か、マスクマンにしたいくらいですよ(笑)。

──そんなふうに思うきっかけが何かあったんですか?

ひとつは東京で暮らすようになって、よりモチベーションが上がったってことですね。もっと結果を出したいって。そのためにはとにかく自分を出していかなきゃ、もっともっと血を流さなきゃって。それともうひとつは、この間のツアーの出来がひどかったってことですよね。そんなことないって言う人もいるけど、自分からしたら、本当にまだまだで。過酷なスケジュールで疲弊したからかもしれないけど、メンバー間の気持ちが離れていっちゃって。

──具体的にどういうことですか?

撮影風景

生活などの環境が変わったせいもあるんだろうけど、それ以上に心の絆が足りなかったんでしょうね。今まで俺は妥協することなく自分らしさを出さなきゃって、そればかり思ってたけど、そういう気持ちはほかのメンバーももっと同じように持たなきゃなって改めて思ったんですよ。要は“闘魂三銃士”みたいに、それぞれの個性が爆発したロックバンドにならなきゃいかんってことです。でも、バンドで一番その自覚が足りてなかったのは、俺かもしれないんですけどね。

──全員が、心中する覚悟でやれと。

BRAHMANとかすごいじゃないですか。ドキュメント映像を観るとみんな本気でディスカッションしてるし、信念も伝わってくる。あれが理想です。それでメンバーとここでは言えないほど、深い話し合いを何度も何度もして。また再スタートですね。3月からは新作のレコーディングも始まります。

──今度はどんな内容になるんですか?

最高のアルバムができるか、大コケするか、だと思ってます。

──また極端ですね!?

まだ詳しいことは言えないんですけど、絶対にほかの誰でもない、俺ら自身になれる作品になると確信してます。ぶっちゃけこの「ゾンビパパ」のプロモーションで言うことじゃないですけど、次の俺らのアルバムを聴いてほしいです。この「ゾンビパパ」よりも。もちろん「ゾンビパパ」もいい曲だとは思ってます。そのときのTHE WAYBARKとしての限りを尽くしたと思うし。今まで本当に俺らってイメージ悪かったと思うんですよ。思うというか事実そうだし。自分でそれを肌で感じるってとんでもないことじゃないですか。でもそれを払拭できるアルバムがやっとできるんで。もちろん俺がプロレスと同じくらい好きで仕方ない、ロックへのリスペクトを忘れることはないですけど。

──これまでとは曲の雰囲気も変わるってこと?

今までのいろいろ、というかもう全てをぶち壊していきます。今までのTHE WAYBARKがやらなかったことをやりますよ。俺たち以外、レコーディングスタッフとか今まで関わっていた人たちは全部一新して、やり方もすべて変えます。要するに今までにない新しい日本のロックをやりたいんです。そしてそれができるのが俺らしかいないんだってことを言ってもらえる作品にしたいなって。しょっぱかったら最後の作品になるかもしれません。今回がダメならバンドが終わるんじゃないかってくらいです。そんくらい賭けてます。「レインメーカー」になるにはオンリーワンでなきゃいけないですからね。オンリーワンになるためには今のままではいけないですから。

ももクロを「夏の魔物」のヘッドライナーにしたい

──うーん、かなり気になるところですが……。それから少し気が早いんですが、フェス「夏の魔物」についても少し。今年はどんな感じになりそうですか?

やっぱりその話になりますよね(笑)。これからレコーディングが始まったりして、バンドが中心になるんで、ひとまず今年も開催するってことだけは決めました。日程と場所の発表はまだなんですけど、新機軸をいくつか考えてます。それこそいわゆるロックってフォーマットじゃなくても、俺がロックを感じれば、出していきたいなとか。今までもそうしてきましたけど、もっと色を出していきたい。

──例えばどんなアーティストですか?

一番出てほしいのは、ももいろクローバーZですね。

──なるほど。

撮影風景

今最もロックンロールの爆発力を発揮しているのって、ロックバンドじゃなくてももクロだと思うんですよ。BPM速めのサウンド、たたみかけるような完成されたライブ、プロレス的な仕掛けとステージ演出、かつそれをやってるメンバーたちのガチンコ感。誰が観ても楽しめるし、誰が聴いても興奮する。あれこそロックバンドの理想形で、エンタテインメントのあるべき形だなって。新曲が出るたびに本当にショックを受けるし、俺がバンドでやりたいことをことごとくやられてる感じがするんですよね。ももクロはアイドルなのにロックファンすら全て飲み込んでしまってるのがすごくわかる。俺もそういうエンタテインメント総巻き込みみたいなバンドになりたいって本気で思ってます。

──確かにあの存在感はほかにないですよね。

できることなら、今年はももクロをヘッドライナーにしたいなって本気で思ってます。そして1ロックファンとして、今一番見たいのはBRAHMAN VS ももクロのカードです。最高峰 VS 最高峰のこの夢の対決、「夏の魔物」という舞台で実現できたら最高ですね。

──ロックフェスなのに、そんなことを企むのは「夏の魔物」らしいですね。

昨年はスケジュールを理由に断られたけど、今年もまたオファーしたいと思ってますよ。ももクロスタッフのみなさん、ロックンロール異種格闘技戦の挑戦、受けてください! これを読んだ関係者の方々、連絡待ってます(笑)。

──2月末からは「ゾンビパパ」のリリースツアーが始まりますね。

はい。LAUGHIN' NOSEさんと一緒に回ります。今までと違うTHE WAYBARKが見えてくるツアーになると思います。それを1本1本やっていく中で、徐々に変化していって、4月のファイナルでは新しいスタート地点に立てる。そんな気がしてますね。とにかく今は夏の魔物主催者「成田大致」としてじゃなくて、THE WAYBARKの「成田大致」を見てもらえるようにがんばります。そのためにはフェスだけじゃなく、バンドとして、もっと色を出せるように今まで以上にやるしかないです。もっともっと本気で向かわないと。本気をどこまで伝えて、見てくださってる側がどこまで本気で受け取ってくれるか。「本気」、これが2010年代の大きなテーマだと思ってます。やるなら天下とりたいですから俺らが一番本気だって気持ちだけ持って向かっていきます。そこを少しだけでも伝えられるライブができると思うので、観に来てほしいです。

配信限定シングル「ゾンビパパ」 / 2012年2月22日発売 / GARURU RECORDS

  • 配信限定シングル「ゾンビパパ」
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※配信内容に関しては配信サイトによって異なる場合があります。

THE WAYBARK(うぇいばー)

THE WAYBARK

2002年6月9日結成。成田大致(Vo)、葛西孝治(G,Vo)、奥本大輝(B)、斎藤和哉(Dr)によるロックンロールバンド。2008年3月には毛皮のマリーズ、THE BOHEMIANS、Mr. Freddie & The Mercury devilと東北サーキットを決行。2010年7月に自主制作アルバム「マイ・ジェネレイション」、2011年9月には1stアルバム「THE WAYBARK」をリリース。2012年2月には井口昇監督による映画「ゾンビアス」の主題歌「ゾンビパパ」を配信でリリースした。また、ボーカルの成田はロックフェス「AOMORI ROCK FESTIVAL 夏の魔物」を主催しており、THE WAYBARKも毎年出演している。