ナタリー PowerPush - 惑星アブノーマル

ポップな新作「アナタソナタ」で正体を現す

攻撃的な1stミニアルバム「何でも無い凶器」でその存在感を見せつけた惑星アブノーマルが、前作の印象をひっくり返すほどポップな2ndミニアルバム「アナタソナタ」をリリースする。大幅な方向転換かと思いきや、これはもともとあったナチュラルな感覚で、むしろこの2作でようやくバンドの軸が表されたのだという。前作だけではわからなかった彼女たちの企みが見えてきた。

取材・文 / 伊藤実菜子 インタビュー撮影 / 福本和洋

 
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そんなもんか

──前作の「何でも無い凶器」は狂気的な雰囲気が漂う強烈な1枚でしたね。けっこうな反響があったんじゃないですか?

左からアレックスたねこ(Vo)、テナ・オンディーヌ(Syn, Key)。

アレックスたねこ(Vo) うーん、もうちょっと叩かれるかなあと思ってたんですけど、そうでもなかったですね。怯えてたわりにはあんまり叩かれなくて、「そんなもんか」みたいな(笑)。

──拍子抜けだったんですね。叩かれたかったんですか?

たねこ まあ、どっちでもよかったです。叩かれたら叩かれたでヘコむ予定はあったんで、その予定がなくなっただけ(笑)。ヘコもうが喜ぼうが楽曲に生かされるから、私にはいいことしかないんですけど(笑)。

1stと2ndをあわせて名刺代わり

──今作「アナタソナタ」はまた「何でも無い凶器」からガラッと変わって、ポップで聴きやすい作品になりましたね。

たねこ 実は今回の曲は「何でも無い凶器」の曲をレコーディングしてるときにはもうほぼ録り終わっちゃってて、あとは出すだけっていう状態だったんですよ。でも1枚にごちゃまぜにするのが嫌だったんで、前作にはあえてポップというか、明るくてハッピーな曲は一切入れなかっただけで。だから「変わった」っていうことではないです。1stと2ndをあわせて名刺代わりというか。

──そうだったんですか。じゃあ、このポップな感覚はもともとあったものなんですね。

たねこ どやー(笑)。

テナ・オンディーヌ(Syn, Key) 私たちの音楽性は2ndまで聴かないと理解できないんじゃないかなあ。

──この2枚で惑星アブノーマルだ、と。でもリスナーからはだいぶ驚かれるんじゃないですか?

アレックスたねこ(Vo)

たねこ そういう意見もありましたね。でも私たちにとっては普通というか、これが惑星アブノーマルなんです。だから私たちとしてはやっと出せたっていう感覚で。(前作から)7カ月しか空いてないってよく言われるけど、「いや、7カ月待ったんだよ。つらかったよ」みたいな(笑)。

──その7カ月の間に、どんどん「何でも無い凶器」のイメージが定着していってしまうのではないかっていう不安はなかったですか?

たねこ まったくなかったです。それはそれで「アナタソナタ」がリリースされたときの皆さんの反応が楽しみだったし。いいも悪いもどんとこい! これが惑星アブノーマルだ!

テナ 音源だけを聴いてる人たちにとっては「おや? すごい変わったぞ」ってたぶん思われると思うんですけど、私たちはもう2年前からずっとこう(笑)。

無駄なことがすごい好き

──リード曲の「愛してやまない」にはキラキラしたシンセ音が入ってたり、「臆病者ラプソディー」では仰々しいストリングスが鳴っていたりと、過剰なアレンジが目立ちますね。

たねこ そういうのがすっごい好きなんです。

テナ ごちゃごちゃしてるのが大好きなんです。

たねこ 私が地球人として潜入していた音大の人とかは、やっぱり音数が多いと自分の音が聞こえないから、なんでそんな無駄なことするの?って言う人が多い。だけど私そういう無駄なことがすごい好きなんですよ。「これなんの音? これなんの音?」ってなるのが超好き。聴くたびに発見がないとイヤなんですよね。何回聴いてもフレッシュ感があるっていうことが一番大事。

テナ 音大の人たちは、美しい形にするには無駄なものを省くっていう考え方に陥っているというか。

たねこ 繊細だもんね。ミックスジュースより生の果物そのままを好むっていうか、ちゃんとその果物の味をはっきり理解したいんじゃないですかね。

──お2人は音大出身者にしては珍しいタイプなんですね。「愛してやまない」はPVもごちゃごちゃしてますし(笑)。キッズダンサーと踊ってみたり、演技してみたり。

たねこ 渾身の演技です(笑)。セリフほとんどないですけど。

テナ あはは(笑)。

──演技を取り入れたのはたねこさんの希望ですか?

たねこ ミュージカル調にしたいとは言ってたんですけど、演出の方に「小芝居入れたいんだけど、やってみない?」って言われて挑戦してみました。お芝居は好きなのでまたこういうことはやってみたいですね。

ミニアルバム「アナタソナタ」/ 2013年10月23日発売 / redrec / sputniklab inc. / RCSP-0042
[CD] 1890円 / RCSP-0042
収録曲
  1. 階段コンチェルト
  2. 流星
    (読売テレビ・日本テレビ系「カミングアウトバラエティ!! 秘密のケンミンSHOW」エンディングテーマ)
  3. 愛してやまない
    (テレビ東京「プレミアMelodix!」エンディングテーマ)
  4. そうならいいのにな
  5. 臆病者ラプソディー
  6. アレルギー
  7. ユキコ
  8. 優しい世界
ライブ情報
インストアライブ
  • 2013年11月2日(土)
    東京都 タワーレコード新宿店
    START 15:00(入場無料)
2nd Mini Album
「アナタソナタ」発売記念TOUR
  • 2013年11月16日(土)
    静岡県 浜松FORCE
  • 2013年11月18日(月)
    愛知県 名古屋APOLLO THEATER
  • 2013年11月26日(火)
    大阪府 心斎橋VARON
  • 2013年12月6日(金)
    東京都 渋谷Milkyway
  • 2013年12月10日(火)
    宮城県 仙台MACANA
  • 2013年12月17日(火)
    愛知県 池下CLUB UPSET
  • 2013年12月18日(水)
    兵庫県 神戸VARIT.
  • 2013年12月23日(月・祝)
    東京都 立川BABEL
  • 2014年1月25日(土)
    東京都 渋谷Milkyway(ワンマンライブ)
惑星アブノーマル(わくせいあぶのーまる)

アレックスたねこ(Vo)とテナ・オンディーヌ(Syn, Key)からなる女性2人組ユニット。サイケデリックかつ変則的な楽曲と、観る者を圧倒させる強烈なライブパフォーマンスが話題を呼ぶ。2012年春に開催されたKi/oon Musicの新人発掘オーディション「キューン 20 イヤーズオーディション」では、約4000組の応募者の中からファイナリスト11組に選ばれた。2013年3月、初の全国流通盤となるミニアルバム「何でも無い凶器」をredrecからリリース。10月23日には2ndミニアルバム「アナタソナタ」を発表する。