WACK座談会2024+全45名の手書きメッセージ (2/4)

ライブのたびに高まる熱量:ExWHYZ

──続いてExWHYZのmikinaさんに1年を振り返ってもらいます。ちなみにグループ名って“イクスワイズ”ですよね? “エクスワイズ”になったことはないですよね?

mikina ずっと“イクスワイズ”ですよ(笑)。

──渡辺さんがロンドンで“エクスワイズ”と言っていた気がしまして。

mikina 渡辺さん、ずっと英語勉強してるから、もしかしたらネイティブ英語に近付いてるってことかも(笑)。

──“イクスワイズ”で確認できてよかったです。どうでしたか、ExWHYZの1年は。

mikina 1年間、隙間なく活動できました。大きな舞台としては5月に日本武道館でのワンマンライブをさせていただきました。ほかにはアユニ・D(PEDRO、ex. BiSH)さんがエイプリルフールに1日だけExWHYZに加入してくれて、アルバム曲を一緒に全曲披露しました。BiSHさんとも対バンさせてもらいましたし、夏以降の「eLATION」ツアーのpart1では全20公演のライブハウスツアー、part2ではExWHYZの楽曲に関わってくださっているSeihoさん、大沢伸一さん、yahyelさんと東名阪の対バンZeppツアーをやらせていただいて、part3はクラブでオールナイト公演もやって。1つひとつの点が全部つながった感じがして充実感もありました。もちろん大きな舞台として武道館には立ちましたが、これまでの活動のすべてがあってこその武道館なので、そこだけでの盛り上がりではなくて、年末にやったライブまでずっと熱量を高め続けてこられた感覚です。EMPiRE時代から私たちを知っているマスター(ExWHYZファンの呼称)も、ExWHYZから新しく好きになってくれたマスターもいる中で、1回1回のライブで「楽しい」を確かめ合えているというか、どんどん思いが通じていった1年だったと思います。

シオンエピックとmikina。

シオンエピックとmikina。

──ExWHYZはASP、AiNATOAOI(アイナ・ジ・エンドとアオイヤマダによるユニット)とともにロンドン公演にも出演しましたね。

mikina 根本は普段と同じ感覚でしたけど、お客さんがどんな反応をしてくれるかは未知数でしたね。ライブに対するスタイルは変わらないんです。感覚を研ぎ澄ませて、その場にいる人たちと、その空間を瞬間瞬間で共有する。これは2023年でつかみ取った感覚かもしれません。

──ちなみにmikinaさんの英語でのMC、テンションが普段と変わらなくてよかったです(笑)。

ドクソン ホントですか? 聞いてみたい!

mikina 覚えた英単語は飛んでいっちゃった。独自のスタイルを貫いたからか、Xで海外のファンの方が「mikinaの英語、すごくわかりづらい」って書いてました(笑)。

レオナエンパイア(豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL) 私、EMPiREさんのときからずっと好きで、WACKに入る前からライブにも行ってました。

mikina EMPiREのコラボアパレルの服とか着てたよね? めっちゃファンじゃん!(笑)

レオナ はい。好きです(笑)。EMPiREからExWHYZになったとき、曲が変わることもあって「ちょっと嫌」と思っちゃうタイプのファンだったんです。でもExWHYZを知らずにそう思うのは気が早かったですね。EMPiRE時代は「行くぞ!」と気合いが入っていて、カッコいいイメージで、ExWHYZはおしゃれできれいで大人な感じの中に熱量があって、EMPiRE時代とは違った形でカッコいい姿を見せてくれる。ライブも本当に素敵でした。

ドクソン 「行くぞ!」が「行くわよ?」になった感じ?

──以前より洗練された印象はありますよね。mikinaさん自身もモデルのようなスタイルをどうやってキープしているのか気になります。

ドクソン ラーメン食べないん?

mikina ラーメンは食べないですね(笑)。気合い入れた筋トレをライブ前にしたり、腹筋ローラーを日頃から使ったりするくらい。大切なのは気持ちで、「イケてるよん!」って思っておくことが大事かな。

左からキャ・ノン、HANANO、ユイ・ガ・ドクソン、マチルダー・ツインズ、ウォンカー・ツインズ、シオンエピック、レオナエンパイア、mikina。

左からキャ・ノン、HANANO、ユイ・ガ・ドクソン、マチルダー・ツインズ、ウォンカー・ツインズ、シオンエピック、レオナエンパイア、mikina。

すべてに全力、ひたすら突き進む:ASP

──ASPは双子のお二人に話をお聞きします。2023年12月には日比谷野音でのワンマンライブを成功させましたが、改めてどんな1年になりましたか?

マチルダー・ツインズ(ASP) 2023年はASPにとって成長の機会をたくさんいただきました。コロナ禍に結成された私たちにとって声出しが解禁されたのは大きいことで、ASPのライブスタイルを確立していった1年でした。2022年の夏の野音は満員には届かなかったんですけど、2023年の野音開催前には、野音のチケットを持っていると無料で参加できるフリーライブツアーを開催して。1カ月で22本、ほぼ毎日ライブがありました。

ウォンカー・ツインズ(ASP) そこではお客さんに直接チケットを渡す機会を得て、目と目を合わせて「野音で待ってるね」と伝えられたこと、東京から離れた場所に住んでいる方が「野音行きます!」って言ってくださったこと、すべてが支えになりました。

マチルダー フリーライブツアーは大変でしたけど、「毎日生きてる!」って感じがして最高でした。

──ナ前ナ以さんがフリーライブツアーの後半、声の調子が悪くなってしまうなど心身ともに大変そうでしたけど、まさに気力でなんとかしようとしている姿が印象的でした。

ウォンカー なんとか乗り越えようと必死でしたね。野音というゴールに向かうツアーだったので、1日1日がつながっているし、1公演ごとの重みもより感じました。以前は目標となるライブへの意気込みをMCで話すとき、「たくさんの人と」って曖昧に言ってたんですけど、フリーライブツアーのときは「絶対に満員にしたい」って、ちゃんと芯のある言葉を発するようにして。そうすると、お客さんに私たちの熱量が伝わるんです。言霊というか、本気の思いを言葉にしていくことの大切さをツアーで知りました。

レオナエンパイアとマチルダー・ツインズ。

レオナエンパイアとマチルダー・ツインズ。

キャ・ノンとウォンカー・ツインズ。

キャ・ノンとウォンカー・ツインズ。

──GANG PARADEのメンバーも言霊は大切だと昔から言ってますよね。

ドクソン ガチであるんですよ! いいことも悪いことも言霊があるから、気を付けないといけないし、本当に伝えたいことはしっかり伝えないといけない。

マチルダー そうですよね! SNSではファンの方々も野音の告知をしてくれて、ライブハウスで伝えた私たちの思いをファンの方が外に広めてくれているあたりにパワーを感じました。

──WACKのグループとはどこかで競演したんでしたっけ?

マチルダー BiSと12月に京都で対バンしました!

シオン そう。京都で観たASPさんのライブは本当に印象的で、WACKのファンクラブのWACKDiARYにもその感想を書きました。12月のツーマンは熱量がすごすぎて、床が水蒸気でつるつるするレベルでした。2組目がASPさんで、床が滑りやすくてヒヤヒヤするシーンがけっこうあったけど、転ばなかったし、ASPさんの曲がめっちゃ好きなのでカッコいいパフォーマンスを観られてうれしかったです。好きな曲があるんですけど、えーと……英語が弱くて、“エンペラーズ”……。

マチルダー 「The Emperor's New Clothes」ですか? ありがとうございます!

複雑怪奇から心機一転:豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL

──続いて豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOLのお話を。今年1月に結成された新グループながら、前身グループは豆柴の大群と都内某所の2組になります。略称って決まってるんですか?

レオナ MONSTERIDOLかな? まだはっきりわかっていなくて。

mikina 決まってないんだ(笑)。

ドクソン なんて呼べばいい?

レオナ なんでもお好きに(笑)。

──レオナさんは2023年1月に豆柴の大群に加入してから1年が経ちました。グループとしては2022年12月の段階で「猶予1年」という条件付きで活動許可を与えられている状態でした。そんな中でレオナさんとモモチ・ンゲールさんが加入して1年活動していましたが、“崖っぷち感”があったのも確かだと思います。

レオナ 個人的にはずっと入りたかった豆柴の大群に加入できたことがうれしかったし、ライブをたくさんやりたいという夢も叶って。それは応援してくださる人があってこそだと実感しましたし、自分で人生を変えられたなと思える1年でした。グループとしては2022年にオーディション企画「MUST CHANGE PROJECT」で変化を求められ、カエデフェニックスさんがいなくなり、2023年にレオナとモモチ・ンゲールが加入して新体制が始まって。まさに試行錯誤の1年だったと思います。豆柴の大群はコロナ禍直前に結成されたグループなので、豆粒(豆柴の大群ファンの呼称)もライブ中にどうやって声援を送ればいいかわからないみたいな感じがあった中、声出し解禁後には煽りとかを大きく変えて、積極的にライブを楽しめる環境を作り上げました。一体感が以前よりも生まれたなと思えた1年でした。

レオナエンパイアとマチルダー・ツインズ。

レオナエンパイアとマチルダー・ツインズ。

──お客さんの声援は、ステージに立っている演者にとって大切な要素ですよね。ASPもコロナ禍で結成されましたし、レオナさんの話に共感する部分も多いんじゃないでしょうか?

マチルダー そうですね。ASPは女性限定ライブが初めての声出しライブだったので、かわいい女の人の声がいっぱい聞こえてきました。声出し解禁後はライブをしている実感をより感じられるし、ライブの楽しみ方が広がりました。

──豆柴と合併した都内某所は、合併前にはミクさん1人になっていました。

レオナ そうですね。メンバーが減っちゃって。

ドクソン 都内某所、2人のときもあったもんね。

レオナ そう。3人在籍してるけど、1人が活動休止してた時期があったから。

──例えばですけど、ExWHYZがいきなり1人だったら大変ですよね。

mikina それは大変ですね!(笑) ExWHYZもmidorikoが活動休止中で、1人ひとりが出力を増やさないといけないって理屈として言葉にはできるけど、人それぞれが持ってるものって数えられるものだけじゃないから。

レオナ 豆柴と都内某所は「水曜日のダウンタウン」発のグループという共通点があるだけで、それぞれはまったく別のグループだったから、やっぱり合体すると聞いたときはショックでしたし、嫌でした。でもグループが形を変えて存続することに私は感謝して、活動できる場があるならやるしかないと思って、ここにいます。

──BiTE A SHOCKは日本テレビでオーディション「BiSH THE NEXT」の模様がオンエアされていたので、「何もまだ達成していない状態」から多くの人に注目されていたと思います。言うならば、豆柴の大群や都内某所と同じく“テレビ属性”があるというか。そういうところで思うところはありますか?

HANANO 実際のところはわからないですけど、やっぱり過度に期待されちゃうところはある気がします。テレビに出ている=きれいなものみたいな。

mikina 確かに。テレビの視聴者さんはオンエアされた一部しか観ないし、奥まで介入してこないこともある。だからその一部で判断されがちというのはありそう。

HANANO それが“テレビの印象”ですよね。その印象をぶち壊したい気持ちはやっぱりありますよね。

上段左からユイ・ガ・ドクソン、mikina、レオナエンパイア、中段左からシオンエピック、キャ・ノン、下段左からマチルダー・ツインズ、HANANO、ウォンカー・ツインズ。

上段左からユイ・ガ・ドクソン、mikina、レオナエンパイア、中段左からシオンエピック、キャ・ノン、下段左からマチルダー・ツインズ、HANANO、ウォンカー・ツインズ。

レオナ 私は「水ダウ」のオーディション時にはいなかったけど、お披露目ライブのときにお客さんがとても盛り上げてくれたことを今でも覚えています。MONSTERIDOLは豆柴になかったようなおしゃれな都内某所の曲があり、都内某所になかったような力強くてカッコいい豆柴の大群の曲もあります。そしてミクの歌声は豆柴のメンバーにはないどっしりとした勇ましさがあるので、大きな武器だと思います。

──人数比率的にもキャリア的にも豆柴の大群要素が強くなりそうですが、豆柴の延長にはしない?

レオナ しません。既存グループ2組の楽曲は継承しつつ、新しいグループとして活動していきたいです。なので今までやったことのないようなことにも挑戦したいです。

ドクソン ギャンパレは分裂して2組になって、またくっついたことがあるけど、それは1グループが元だから、MONSTERIDOLとは全然状況が違うんですよね。でも楽曲が増えるってものすごい武器なんですよ。武器だからこそ扱い方を間違えちゃいけない難しさもある。でもみんなで作っていく面白さが絶対にあると思うので、MONSTERIDOLとして再スタートを切れたのはとてもいいことだと思います。