「近くて遠い 月曜と土曜」……確かに！

──「最上級ぱらどっくす」のMVは小さい子が観てても踊りたくなっちゃいそうですね。今回のMVはリリックビデオのような構成になってます。

廣川　ダンスシーンやリップシーンが中心であまり特殊な撮影のない現場だったので、私たちもできあがりがどうなるのか想像があまりできなくて。

松田　編集された映像を観て感動しました。

廣川　CGがとにかくすごい。MVとして落とし込む作業はすごく大変だったみたいです。

三品　わーすたのMVって毎回楽しいものができあがるから、自分で何回も観ちゃう。細かいところまで凝ってるから何度も観返したくなっちゃうんですよ。

──歌詞の中に「全人類共通の魔法、努力」というフレーズがありますが、皆さんもすごく共感できるんじゃないかなと。

廣川　そうなんですよ。ファンの方からも「すごい深い歌詞だね」と言われて。かわいらしい曲調だし歌詞も面白いフレーズが多い中、そこだけは真面目で。パラドックスのタイトルが示すようにいろんな要素が混在してる楽曲だなって思いました。フレーズで言うと「近くて遠い 月曜と土曜」が私は好きですね（笑）。それまで考えたことなかったけど「確かに！」って共感しました。「Just be yourself」の歌詞もわかりやすい言葉ばかりなんですけど、ここまで生きてきて自分では気付けなかったことが歌詞の中にたくさん込められていたりして、前回に続いてとてもいい曲を作っていただけたと感謝してます。

初のフルバンドライブを映像でも感じてほしい

──アルバム収録曲でそれぞれ好きな楽曲はなんですか？

松田　「恋するにゃこたん～フリもフラレもあなたのまま～」が私は大好きです。タイトルも歌詞もかわいいのにロック調だから、そのギャップがいいですね。この楽曲は恋愛シミュレーションがテーマになっていて、私も恋愛シミュレーションゲームが好きなので葛藤しているキャラクターの気持ちを追いながら振り回されている感じがいいです（笑）。

廣川　私は「ぱわわわわん!!! パワーパフ ガールズ」がお気に入りです。この曲はデモをもらって聴いたときにすごくカッコよくて。ここまでカッコいい楽曲を歌ったことがなかったのでとても惹かれました。わーすたっぽさと「パワーパフガールズ」の海外っぽさがうまく融合したなって。

小玉　アルバムの最後に収録されている「約束だから」は、前回のツアーからライブのみで披露してきた楽曲で、今回初めて音源化されるんですよ。この曲はキラキラした友情がテーマになっていて、メンバーや友達のことを思い浮かべながら歌ってます。振り付けで5人が小指を出しながら集まるところがあるんですけど、そういうところも大好きで。歌ってて感情が入りやすいです。

坂元　私は「Magical Word」がオススメです。この楽曲ではメンバーそれぞれが勉強している外国語が多用されていて、同じ意味の言葉をそれぞれの言語で歌ってるんです。海外の方にも直接歌詞の意味が伝わるのがうれしいので、海外でライブするときには必ず歌いたい曲ですね。

三品　「完全なるアイドル」はアルバムの中でもずば抜けてダークなイメージの楽曲で好きです。イントロはかわいらしいのにBメロから急にダークさが増していって。言葉はカッコよく聞こえるんですけど、ちょっと変なことを言っていたりして、そういうところでわーすたの独特な世界観を感じられると思います。普段から聴く曲もロック系とかカッコいいものが多いのでノリやすいです。

──Blu-ray同梱盤の映像には4月にZepp DiverCity TOKYOで行われたワンマンライブの模様が丸々収録されてます。

三品　それ単体でも十分リリースできるくらいのボリュームです。

廣川　もったいないですけど、一緒に出しちゃいます（笑）。

──この日はわーすたとしては初となる全編フルバンド形式でのライブでした。振り返ってみてどうでしたか？

松田　初めてわーすたの楽曲をバンドセットでファンの方に聴いてもらうということで、とても緊張しましたけどやっぱりうれしかったですね。オープニングからドラムの音が会場に鳴り響いて、会場全体が盛り上がっていく感じが伝わってきて。幕が下りた瞬間、お客さんで埋め尽くされた会場の景色が目に飛び込んできて、それが今も鮮明に残ってます。私たちもできあがった映像を観ましたが、やっぱり何回観ても楽しいライブですね。

三品　やっぱり生バンドは普段のオケは全然違うので、同じ歌い方だとどうしても難しいんです。とにかくバンドに持っていかれないように、負けないように歌わないといけないから、リハーサルは何度も入念にやりました。バンドサウンドはすごくカッコよくて、それだけをずっと聴いていたいくらいでしたね（笑）。

廣川　大変でしたけどバンドでやることのよさみたいなものを私たちも実感できて。音がとにかくカッコいいから、それだけでもあの日のライブは来た価値があるんじゃないかと思います。

三品　バンドメンバーの皆さんも、わーすたの楽曲をバンドアレンジに落とし込むのが大変そうでした。他人事みたいで申し訳ないですけど（笑）。

廣川　私たちとしてもこの日のライブは多くの方に観てもらいたいので、ぜひBlu-ray同梱盤を手に取っていただけたらと。アルバム収録曲でこの日に初披露した曲も何曲かあるので、音源と聴き比べてみてほしいです。

ツアーで皆さんの心を掴みにいきたい

──今回のアルバムを引っ提げて、10月22日には「わーすた LIVE TOUR 2017 パラドックス ワールド」と銘打った全国ツアーがスタートします。前回のツアーではメンバーそれぞれの出身地に初めて凱旋しましたが、今回は2度目の凱旋ということで気持ち的な変化はありますか？

廣川　前回はわーすたが結成して1年ちょっとでの初凱旋ということで、緊張もワクワクもどっちもあったんですけど、2度目の凱旋ではこの1年でどれだけ私たちがやってきたことが実になっているかがわかると思うんです。なので緊張感は前回よりもありますね。

三品　さらに今回は単独で初めて行く都市もあるので。

松田　去年なら待っててくれる人がいるのかと不安になってましたけど、この1年で「わーすたに来てほしい」と全国の人からたくさんリクエストをいただくことが多くて。なので不安もありますけど、初めましての皆さんに会うことができるうれしさのほうが勝ってるかもしれないです。精一杯いいライブを届けたいですね。

廣川　でも自分たちが凱旋する都市は前回よりもハードルが上がってて。

三品　会場のキャパシティが大きくなったんですけど、期待しててほしいです。間違いなく前回以上に盛り上がるライブを見せます！

廣川　前回のツアーではわーすたの楽曲をストレートに届けることがコンセプトになっていたんですけど、今回のツアーは2部制になっていて、演出面でもいろいろ工夫して楽しいものを見せたいと考えてます。

──ツアーファイナルは2018年1月8日に東京・赤坂BLITZで行われます。この会場でワンマンをやるのは初だと思いますが。

廣川　いやー、楽しみ（笑）。

松田　赤坂BLITZは、わーすたが結成されたタイミングで先輩グループのライブのオープニングアクトとして立たせてもらった会場なんですよ。そのときのことはもちろん覚えているし、そのステージでまた違った景色を見ることができるのは楽しみですね。

──すっかり大箱が似合うグループになってきましたね。

松田　でもやっぱりZeppにしても赤坂BLITZにしても、私たちには大きな会場だなって思いますよ。グループとしてそういった挑戦をしてる中、当たり前ですけどそこに対する緊張感は持ち続けたままちゃんとやっていきたいなって思ってます。

三品　ツアーを通して私たちの成長を感じてもらいたいし、ファイナルはツアーとはまた別のものとして考えたくて。全国から東京に集まったファンの皆さんが「ここまで来てよかった」と思ってもらえるようなライブにしたいですね。そのためにツアー中では皆さんの心をつかみにいきたいです。