ZARD×KDDI 音のVR特集|新たな視聴技術でZARDのライブがよみがえる

KDDIおよびKDDI総合研究所が提供するスマートフォンアプリ「新音楽視聴体験 音のVR」にて、ZARDと、ZARDのトリビュートバンド・SARD UNDERGROUNDのバーチャルライブ映像が10月22日に配信された。「音のVR」とは、360°の動画に対し、視聴者が観たい映像や聴きたい音に、自由自在にズームやフォーカスができるインタラクティブ視聴技術。今回、「ZARDがデビュー30周年を迎えるにあたり、愛され続けている楽曲と新しい通信技術をコラボレートし、スマートフォンでの新たな音楽視聴体験を提供したい」という思いのもと、初のロックバンドでの配信が実現した。音楽ナタリーでは、ZARDとSARD UNDERGROUNDのディレクターであり、今回の企画に大きく関わった寺尾広にインタビュー。デビュー当時からZARDの楽曲を手がける寺尾に、バーチャルライブならではの魅力や「音のVR」という新たな視聴技術が持つ可能性について語ってもらった。

取材・文 / 石井佑来

「ZARD×KDDI 音のVR」とは

「音のVR」は360°の動画に対し、視聴者が観たい映像や聴きたい音に、自由自在にズームやフォーカスができるインタラクティブ視聴技術。今回のコンテンツでは、坂井泉水の映像と新たに収録されたZARDライブバンドメンバーによる「負けないで」「揺れる想い」のバーチャルライブを配信。東京・山野楽器銀座本店ビル内にあるKDDIのコンセプトショップ・GINZA 456 Created by KDDIのイベントフロアがVR空間上に表現され、視聴者は坂井泉水の歌声やバンドメンバーの楽器の音色に自由自在にフォーカスすることができる。さらにZARDのトリビュートバンド・SARD UNDERGROUNDもバーチャルライブに参加し、「眠れない夜を抱いて」のパフォーマンスを披露している。

これらのコンテンツは、スマートフォンアプリ「新音楽視聴体験 音のVR」で楽しめるほか、以下店舗でも体験することができる。

GINZA 456 Created by KDDI 地下1階

期間:2020年10月31日(土)~11月13日(金)、11月28日(土)~12月4日(金) (予定)

場所:au SHINJUKU、au SAPPORO、au SENDAI、au OSAKA、au FUKUOKA 計5店舗

KDDI直営店

期間:2020年11月21日(土)~11月29日(日) (予定)

場所:au SENDAI、au SHINJUKU、au IKEBUKURO、au UENO、au NAGOYA、au OSAKA、au FUKUOKA

寺尾広 インタビュー

「音のVR」という未知との遭遇

──今回「音のVR」でZARDのバーチャルライブを配信することになった経緯を教えてください。

ZARDバーチャルライブの収録風景。

今年9月に東京・山野楽器銀座本店さんの地下1階から2階にKDDIさんのコンセプトショップ・GINZA 456 Created by KDDIがオープンしたのですが、そのタイミングと「ZARD 30周年YEAR」が重なったこともあり、初のロックバンドによる「音のVR」でのバーチャルライブ配信を行うにあたって、山野楽器さんとゆかりの深いアーティストとしてZARD、そしてZARDを歌い継ぐSARD UNDERGROUNDに声をかけていただきました。我々としても新たな体験となる5G時代の新技術とコラボさせていただけることは大変光栄ですので、参加させていただくことにしました。改めて、この場をお借りして感謝申し上げます。

──新たなインタラクティブ視聴技術である「音のVR」にどのような印象を持ちましたか?

視覚と聴覚の両方を使って体感できる「音のVR」には、まだ経験したことのない新しい未来の扉が開かれるような未知との遭遇を感じました。

──普通のライブ映像ではなくVRになることで、ZARDのどのような魅力が引き出されると思いますか?

坂井泉水さんは以前の映像ですが、新たに撮影したバンドメンバーの演奏と「音のVR」という技術によって組み合わさることで、あたかも今そこで歌っているかのような一体感を感じられると思います。

──ファンの方が「音のVR」を体験するにあたって、注目してほしいポイントはありますか?

やはりなんと言っても、坂井泉水さんにフォーカスすればするほど、坂井さんの息づかいや歌声を堪能できるというところです。そしてバンドメンバーの生き生きとした演奏も視覚と聴覚の両方に訴えかけてくるところですね。

ZARDの曲を歌い継ぐSARD UNDERGROUNDの覚悟

──また今回はZARDのトリビュートバンド・SARD UNDERGROUNDのライブも「音のVR」で楽しむことができます。こちらの見どころを教えてください。

SARD UNDERGROUNDバーチャルライブの収録風景。

ZARDのライブが、坂井泉水さんがあたかもバンドと一緒にいるかのような空間を作り出しているのに比べて、SARD UNDERGROUNDはボーカル含めたメンバー全員とサポートメンバー2人が通常のライブを一発録りで収録しているため、より臨場感を感じられると思います。もちろんこちらもZARDと同様、歌声や各々の楽器のいきいきとした音をお楽しみください。

──SARD UNDERGROUNDは「ZARDの作品を後世に伝える」という非常に大きな命題を背負ったグループです。若いメンバーの皆さんのがんばり、成長を寺尾さんはどのように感じていますか?

まさに十字架を背負っているかのような覚悟がメンバーにはあったはずです。しかし本当にZARDを好きで、前向きにひたむきに真摯に取り組んでいて、その成果はどんどん膨らんでいます。昨日より今日、今日より明日という成長の速度です。ぜひ今後の彼女たちを見守ってあげてください。

──選曲面はどのように?

ZARDに関しては、代表曲2曲を選ばせていただきました。またSARD UNDERGROUNDについては、10月7日にリリースされたZARDの2ndトリビュートアルバム「ZARD tribute II」から、ミュージックビデオも話題になった「眠れない夜を抱いて」を選ばせていただきました。

「音のVR」が持つ無限の可能性

──完成したZARDとSARD UNDER GROUNDのVRを実際に体験してみて、ディレクター目線ではなく、体験者としての率直な感想をお聞かせください。

本来、音楽というものはそこで奏でられていて、近付けば大きな音になるもの。それを「音のVR」で“手軽に”体験できて、まさに新しい未来をひと足先に感じさせてくれました。

ZARDバーチャルライブのイメージ。

──昨今はさまざまな形の配信ライブが行われていますが、「音のVR」ならではの魅力や可能性はどのあたりにあると思いますか?

今のご時世ですと密を気にせずに、どこでもライブの臨場感を味わえるのが魅力だと思います。今後、コロナ禍の状況が改善されたあとでも、例えば遠くまで出向かなくても好きな場所で聴くことができますし、パートごとのフレーズを堪能できる「音のVR」には無限の可能性があると思います。現実のライブは、観客の熱気が演奏に影響を与えるのが面白いところでもあるのですが、このコロナ禍ではそれもなかなか叶いません。今後のエンタテインメントの可能性を広げていくためにも、VRによる新しい様式のライブが発展していくことは重要なことだと思います。

──今後、「音のVR」を通じて表現したいアーティストや、作ってみたい作品はありますか?

まずはZARD、SARD UNDERGROUNDの第2弾に携わりたいですし、今回の形態はもちろん、シンフォニックや合唱のような生音で構成された編曲も試してみたいですね。

ZARD ライブギタリスト兼バンドマスター 大賀好修 コメント

ZARDライブバンドメンバー。右から2番目が大賀好修。

ZARD30周年にまた坂井さんとコラボし、この名曲たちを演奏できることに感謝です。ツアーで使っていたギターをひさしぶりに出して弾きました。ライブ感を大切にしましたので、「音のVR」でZARDライブを楽しんでください!

SARD UNDERGROUND コメント

SARD UNDERGROUND

私たちにとっては未知で、全く新しい、“音のVR”。

説明を受けたとき、すごく興味深くてワクワクが止まりませんでした。

収録方法も、普段のレコーディングとは違い、メンバーと円になり一斉に演奏するというもので、一体感、安心感を感じながら、とても貴重な経験をさせていただいてるな……と思いました。

参加させていただき、光栄です。

そして、ZARDさんの楽曲をこういった新しい形で皆様にお届けできることを本当にうれしく思っています。楽しんでいただけますように……!

「音のVR」ZARD / SARD UNDERGROUNDバーチャルライブ体験イベント 潜入レポート

バーチャルライブ体験イベントの様子。

東京・山野楽器銀座本店ビル内にある、「想像を体験に変えていく」がテーマのKDDIのコンセプトショップ・GINZA 456 Created by KDDI。ここでは、au 5Gなどの先端テクノロジーを活用したコンテンツや、5Gスマートフォンといった最新のアイテムを体験できる。店内に入り1階奥にある階段を降りると、広々としたスペースの壁一面に4つの大きなスクリーンが設置されており、各スクリーンの前にはスマートフォンとヘッドフォンが配置されている。

現在行われているイベントは、手持ちのスマートフォンを操作して「音のVR」によるZARDのバーチャルライブを体感できるというもの。目の前のスクリーンにスマートフォンの画面がそのまま映し出され、生のライブを観ているかのような臨場感を味わえる。会場設置のスマートフォンは5G通信につながれているため、データ容量の大きい8K映像すらもスムーズに再生することができ、鮮明な映像をストレスなく楽しめる。

バーチャルライブ体験イベントの様子。

「音のVR」を起動し、ZARDの「負けないで」を再生してみると、目の前に坂井泉水とZARDのライブバンドメンバーが映し出される。今回新たに収録されたバンドメンバーの演奏に生前の坂井の歌唱映像が組み合わさり、あたかもその場でパフォーマンスを行っているかのような迫力満点のライブ風景が目の前に広がった。また「音のVR」はスマートフォンの画面をピンチアウトすることで、観たい場所や聴きたい音に自由自在にズーム / フォーカスできる。歌唱する坂井の姿にズームしてみると、その美しく力強い歌声がより鮮明かつダイレクトに伝わってきて、「音のVR」ならではの新たな視聴技術を感じさせられる。「揺れる想い」では、サビでの伸びやかで心地いい坂井の高音ボイスや、それを支える重厚なバンドサウンドをたっぷりと堪能することができた。

バーチャルライブ体験イベントの様子。

続いてSARD UNDERGROUNDによる「眠れない夜を抱いて」のライブ映像を再生すると、神野友亜(Vo)、赤坂美羽(G)、杉岡泉美(B)、坂本ひろ美(Key)の4人が体験者を取り囲むかのようにスクリーンに映し出される。こちらもスマートフォンの画面をピンチアウトすることで好きな音に好きなタイミングでフォーカスできるようになっており、彼女たちが織りなす繊細なサウンドをより身近に感じられる。

このイベントはGINZA 456 Created by KDDIにて12月4日(金)まで実施中。5G時代の新たなエンタテインメント「音のVR」を巨大なスクリーンで体験してみよう。

※イベントのスケジュールは変更になる場合がございます。詳しくは、GINZA456のホームページでご確認ください。