まだまだやりたいことがたくさんある

──ちなみにVALSHEさん、「自分も大人になったな」と感じる瞬間ってありますか？

ありますね。根本的に変わらない部分もいっぱいあるんですけど……。よくも悪くも、大人には惰性で何かをやるところがあると思うんですよ。そこで「しょうがない」と諦めるわけでもなく、かといって無理矢理押し通すわけでもなく、うまい落としどころを探すというか。そこの狭間で戦っているような部分はあるかもしれないです。まあ、基本的には子供だと思いますけどね、自分は。

──大人と子供、両方の部分を持っているんでしょうね。純粋な制作意欲もすごくあるし、それを冷静に見て、魅力的な作品に導く能力もあるっていう。今も「次はこんなことをやりたい」というアイデアはありますか？

はい！ 自分もそうだし、minatoもスタッフも、やりたいことはたくさんあるんですよ。いまだにプライベートで仲がよくて、お茶したり、ごはん食べたり、ゲームやったりしてるんですけど（笑）、そういうときも「アレをやりたい、コレをやりたい」というアイデアがどんどん出てくるんです。たとえば2年くらい前に（携帯電話の）待ち受け用の壁紙を配信したんですが、そのイラストのなかに「storyteller II」と書かれた本があって…。

──そこからつながってたんですね。

そうなんです。きっと「いつか『storyteller II』が出るのかな？」と思っていたファンの方もいらっしゃるでしょうし。そういう種まきを含めて、いろいろな仕掛けをしていくのも楽しくて。自分やminatoを含めて、枠組みを作る人は変わってないし、一貫性を持ちながら作品を作っていけるサイクルはすごくいいなって思いますね。

ファンとの交流会、そして1年ぶりのライブに向けて

──最後にこの先のイベント、ライブについて。まず10月には「TRIP×TRICK」購入者を対象にしたトークショーを開催します。これは「VALSHE史上、最短距離でのファンとの交流」ということですが。

お茶会みたいな雰囲気で、来てくれた方と特別な空間を作れたらいいなと思います。もともと話をするのは好きなんですよ。minatoとも、気を抜くと何時間もしゃべってたりするので。

──そして11月には千葉・舞浜アンフィシアターで約1年ぶりのライブ「VALSHE LIVE THE TRIP 2014 ～Lost my IDENTITY～」も行われます。

「V.D.」（2014年2月発売の2ndフルアルバム）と「TRIP×TRICK」を含んだステージになる予定です。コンセプチュアルなライブになると思うので、演出、パフォーマンスにもさらにこだわって作っていきたいです。1年前の「LIVE THE JOKER」はファンクラブ会員限定のライブだったので、最近知ってくださった方にも、VALSHEの世界観をしっかり見せたいですね。