ナタリー PowerPush - うみのて

ギラギラをエンタメに変える「IN RAINBOW TOKYO」

激しいイメージは払拭したい

──では、ここからはアルバムについても聞かせてほしいのですが、シングルでは見られなかったテイストの楽曲もたくさん入ってますね。

笹口 個人的に1曲目の「TALKING BABY BLUES (HEY BOY HEY GIRL)」が渋く始まるのとか、気に入ってます。シングルの「もはや平和ではない」なんかは演奏がすごくストレートというか、激しさで押す感じじゃないですか。そういうイメージはもはや払拭したいです。

キクイマホ(Dr)

──アルバムでは違う側面も感じてほしいですもんね。「SAYONARA BABY BLUE」や「FUNADE」のようなミッドテンポの曲も、とても聴きやすいと思いました。

キクイ そうそう、そんなところも聴いていただけたらうれしいですね。

早瀬 アレンジは笹口くん任せというよりは全員で作ってる感じです。

笹口 盛り上がるような展開を作るのが得意じゃないんですよ。

高野 個人的には楽曲をポップにしたいですけれどね。90年代の邦楽みたいに。

キクイ そうちゃんは淡々とした曲にしたがるんだよね。

寺本 最終的にやりたいのはRADIOHEADみたいなバンドらしいんです。

──アルバムのタイトルが「IN RAINBOW TOKYO」なのも、RADIOHEAD好きなのが表れてますよね。曲名も「ATOMS FOR PEACE」とかありますし。

笹口 やりすぎですかね? 曲作りにおいても、僕はRADIOHEADを意識してますけど。

高野 まったくRADIOHEADっぽくない気がするけどねー。

──歌詞ももちろん日本語ですしね。なんで「IN RAINBOW TOKYO」っていうタイトルにしたんですか?

笹口 東京にはキラキラしたイメージがあるじゃないですか。で、僕らみたいな田舎者は「東京」っていうタイトルを使いたくなるんですよ。「東京駅」って曲もありますけど……よくあるセンチメンタルなテイストのものはやりたくなかったんです。それとは真逆のことをやりたくて。

高野 初めて聞いたわ。「RAINBOW TOKYO」とかはセンチメンタルな曲だと思ってた。

キクイ寺本 うんうん、そうだよね。

笹口 あれ? 伝わってなかったかー。

高野 笹口くんの言ってることには矛盾があったり理解不明な事があるけど、本質的には間違ってないと思うんで、バンドメンバーが噛み砕いて、翻訳して演奏する感じです。

笹口 だから「東京への憧れ」は入れてないつもりです。もっとギラギラしたものを求めてて。

でも……どうせ馴れ合えないからね

──笹口さんの歌詞ってギラギラしてますし、馴れ合いを嫌うようなところもありますよね。

笹口 「アレがよくてコレはダメ!」とは言ってないつもりですよ。

高野 他人を煽るような気持ちっていうよりは「東京駅」の「つながりたがりがりやがって」とかだって、怒りを前面に出したわけじゃなくて、ただ面白いことを言おうとしてるだけの気がする。

笹口 いやー、本当はね、馴れ合ってみたいですよ。

キクイ あはは……(笑)。でも、どうせ馴れ合えないからね。

笹口 うん……できないねー。いじけてるって言ったらカッコ悪いけど、結局はいじけてるんですよ。「みんな楽しそうでいいよなあ」みたいな。だったら「つながろうぜー」って歌うよりもその逆を言ったほうが面白いじゃないですか。

寺本みき(Glocken, Key)

高野 悪意とかはないんで。エンタテインメント志向で、毎回死ぬ気で演奏してるつもりです。

寺本 笹口くんは、歌詞と普段しゃべってることと、わりとそのままな気がします。裏表がほとんどないというか。

笹口 最近は社会的な発言をするアーティストも多いじゃないですか。でも僕は自分が特別な力を持ってるとは思わないので、露骨にそういうことを歌ったりはしないですね。その代わり、なるべく自由にやりたい。歌での表現くらいはやりたいようにやりたい。音楽や歌に力があると信じてるアーティストはたくさんいる気がするけど、そのわりに「何を言ってもいいんだ」って人はあまりいないと感じてて……。

──規制のようなものが見え隠れするときはありますね。

笹口 そう。まあ自分の中には自分の規制はあると思うんですけどね。

高野 みんなが似たような言葉ばかり使ってる気がする。笹口くんは……たぶんオシャレに濁すことができるほど器用ではないから。

笹口 オシャレじゃないですからね。まあRADIOHEADみたいに圧倒的な存在にはなりたいですけど。

1stフルアルバム「IN RAINBOW TOKYO」 / 2013年3月20日発売 / 2625円 / DECKREC/UK PROJECT / DCRC-0079
1stフルアルバム「IN RAINBOW TOKYO」
CD収録曲
  1. TALKING BABY BLUES (HEY BOY HEY GIRL)
  2. NEW WAR (IN THE NEW WORLD)
  3. もはや平和ではない
  4. WORDS KILL PEOPLE (COTODAMA THE KILLER)
  5. 三億年
  6. ぐるぐる回る
  7. SUICIDAL SEASIDE
  8. SAYONARA BABY BLUE
  9. 東京駅
  10. 正常異常
  11. ATOMS FOR PEACE
  12. RAINBOW TOKYO
  13. FUNADE
タワーレコードオリジナル特典レコーディング映像DVD 収録予定曲
  • RAINBOW TOKYO
  • TALKING BABY BLUES
  • NEW WAR (IN THE NEW WORLD)
  • 正常異常
  • Suicidal Seaside
  • SAYONARA BABY BLUE
うみのて

笹口騒音(Vo, G)、高野P介(G)、早瀬雅之(B)、キクイマホ(Dr)、寺本みき(Glocken, Key)からなる5人組ロックバンド。笹口騒音ハーモニカの楽曲をバンドで演奏すべく2010年に結成。2012年12月にタワーレコード限定シングル「もはや平和ではない EP」をリリース。2013年3月にAxSxE(NATSUMEN)をエンジニアに迎えた1stフルアルバム「IN RAINBOW TOKYO」を発表する。