ukka「T」インタビュー|今年で結成10周年、ニューシングルで表現する“大人の街・東京” (2/2)

7人の東京に対するイメージは

──「TOUTOI」以外のシングル収録曲も“東京”がキーワードになっていますが、皆さんは東京という街にどのような印象を持っていますか? 7人とも関東出身なので、幼い頃から東京に慣れ親しんでいると思いますが。

宮沢 東京はいつも混んでる!

結城 みんな他人に興味ない。前に大阪でメンバーと一緒に電車に乗っていたら、おじいさんが急に話しかけてきてびっくりしたんですけど、東京だとそんなことないですよね。

若菜 田舎だったら街の人と家族絡みの付き合いがあったり、お互いのことをよく知っていたりするイメージです。東京はこんなに人が多いのに誰にも何も言われない。

 誰にも関わらず、1人でも全然生きていけちゃうのが東京。

村星 我が道を行っている人ばかり。

芹澤 東京はキラキラしてるようで、うわべだけという印象です。

 夜景ってきれいなものというイメージがあるけど、怖いですよね。だって夜に電気がついているのってブラックじゃないですか。寝静まっていてほしい(笑)。

ukka

ukka

──シングルの2曲目に収録されているササノマリイさんの提供曲「Trip To The TKY」も、タイトルに「TKY」というワードがある通り、東京の情景が歌詞の中に色濃く反映されています。力強いビートの上をはかない空気感が覆っている印象です。

芹澤 東京には夢を持って上京してくる人が大勢いると思いますが、この曲の2番に「なにか 夢 みたいなもの みつけた ずっと変わらないもの のようで柔い 柔い みたい」という歌詞があるように、東京に来てもすぐには手応えを感じられないことのほうが多いですよね。私たちアイドルも、大きいステージに立ちたいとかそれぞれに夢があるけど、口に出したからといって、すぐに達成できるわけでなくて、1歩ずつ進んでいかなければいけない。夢を叶えることの大変さがこの歌詞で表現されているように感じました。

宮沢 冒頭の「誰か 手を 握って 凍りそうなの ずっと」という歌詞には助けを求めてるイメージがありますけど、そのあとに「- それでも僕たちは -」と歌っていて。困難に立ち向かって戦っている感じが伝わってきますし、「ヒビだらけのガラスの靴 履き潰して踊っていたいの さ。」というフレーズからも曲の主人公の意思を感じます。あと、私はこの曲のサビのメロディやリズムがすごく好きです。「暴きたくない?笑ってない? ふざけないで」と韻を踏んでいて、「ない」のアクセントが特徴的です。

結城 この曲が「TOUTOI」と違うのは、どこか淡々としているところで。細かく区切るような歌い方で余韻が残らない感じが、東京という街やそこに住む人の冷たさを表しているのかなと思いました。

結城りな

結城りな

若菜 「早過ぎた景色 目を廻して 置いてかれそうになるこの世界で」という歌詞には東京で働いて気付いた競争社会の残酷さが表現されていて、「Trip To The TKY」はそれを乗り越えるまでの成長過程の曲だと私は思っています。世の中には、今の私ぐらいの年齢からすでに働いている方もいると思いますし、そういう人にも刺さる歌詞なんじゃないかなって。あと、個人的には「当たり前なスタートラインはどこ?」という歌詞にも共感しました。私と友ちゃんは1年前にukkaに加入したので、初期から活動しているメンバーとはスタートラインが違うことを実感する瞬間があるんですよ。

 「ああ 僕ら 空を見上げて 交差点の上 手を伸ばして」という歌詞には初心を思い出す感覚というか、空を見上げてひと呼吸する大切さを感じます。東京は高い建物ばかりだし、普段暮らしていて空を見上げる瞬間ってあまりないですよね。「手を伸ばして」というフレーズには、今悩んでいる場所から一歩ステップアップしたいという気持ちも表れているのかなと思いました。

葵るり

葵るり

村星 東京に出てきて何年か経って、その中でうれしいことも経験しつつ、傷付いたりつらい思いもたくさんしてきたんだなと、曲を聴いたときに感じました。特に「湿った頬はまだ冷たい」という歌詞を読んで、この子はたくさん泣いてきたんだなって。それと同時に本当の自分を証明したいという気持ちを読み取ることができましたし、「この子、本当は意思が強いんだ!」と、曲を聴いていて元気をもらいました。

 私の「Trip To The TKY」に対する印象は……寂しい曲。真っ暗の部屋の中、目を閉じてベッドの上でぼーっとしているイメージです。東京での生活に疲れちゃった女の子が助けを求めている様子が、「誰か 手を 握って 凍りそうなの ずっと」という歌詞に表れているように思いました。でも誰も自分の手をつかんでくれないし、結局自分は1人なんだなと感じている。そして「『鏡よ鏡』じゃ見えない 僕の未来」や「ヒビだらけのガラスの靴 履き潰して踊っていたいの さ。」と歌っているように、本当は夢に向かって進んでいきたいから自問自答しているんだと思います。ガラスの靴は、私たちにとってはレッスン用のシューズだけど、一般の社会人で考えたらきっとパンプスですよね。人それぞれの捉え方ができる曲なので、自分の環境や状況に置き換えて聴いてほしいです。

茜空

茜空

──さらにシングルには「Tokyo Landed Girl」という楽曲も収められています。ほかの2曲とは異なり、柔らかなサウンドと歌声が特徴です。

結城 キラキラした東京への憧れを描いた曲だと思います。私はアイドルや芸能のお仕事に憧れてこの活動を始めたので、自分の気持ちと重なる歌詞が多くて。「いつかは Runway なんてね…呟いた ちょっとだけ恥ずかしいな」とか、夢を口に出すのはちょっと恥ずかしいけど、その道に進みたいという心境がつづられていて共感しました。

若菜 私もそこの歌詞が心に響きました。「TOUTOI」や「Trip To The TKY」は大人びた楽曲ですが、「Tokyo Landed Girl」の主人公は私の年齢と近いんじゃないかなと思っていて。憧れの街に出てきて舞い上がっちゃっているのがすごくかわいいです。

宮沢 東京の闇をまだ知らない感じ。その心境を表すようにポップな曲調になっています。私のイメージとしては親の運転する車で上京している途中で、「東京に行ったらこんなことが起きるかな」と妄想しているんだと思います。「My favorite Café ゆったり ふわり淡い夢見て 響くアラーム 味わうの Good Morning」とか、歌詞に純粋な気持ちが描かれていてすごくかわいいです。レコーディングでは「TOUTOI」や「Trip To The TKY」のようなカッコいい歌い方ではなく、ふんわりした雰囲気の女の子を演じるようにして歌いました。

芹澤 私は「メイクして香水をつけたら Have fun today」という歌詞がお気に入りです。東京の女の子っておしゃれなイメージで、香水を付けている子も多いと思うんですよ。私は小さい頃からこのお仕事をやらせていただいていて、昔からメイクや身だしなみに気を使っていていますし、実際おしゃれをするのが好きなので、この歌詞に惹かれました。

村星 私は、小さい頃に住んでいた場所がちょっと田舎のほうで。鹿やアライグマが出るようなところだったんですよ。そこからお父さんのお仕事の都合で転校を繰り返して幼稚園や小学校が頻繁に変わったので「“きっとまた会えるよ”って約束」という歌詞が胸に響きました。

村星りじゅ

村星りじゅ

ukka、完成しました

──新曲についてお話しいただいたところで、ukkaの近況に関しても聞かせてください。宮沢さんと若菜さんが加入してから1年以上が経ちました。1年前のインタビュー(参照:ukka「Overnight Rainbow」インタビュー|“明るい”新メンバー2人が加えるフレッシュなアクセント)の時点で2人ともすでにグループに馴染んでいる印象でしたが、その後ともに活動してきた中で距離感が縮まり、それぞれのキャラクターがより浮き彫りになってきたのではないでしょうか。

 こはるちゃんは空ちゃんへの愛がすごいです。片思いですけど(笑)。あと友ちゃんは自分のアピールポイントがわかっているなと、歌を聴いていて思います。2人とも個性がより見えるようになりました。

芹澤 去年1月の新体制お披露目ライブのときは、正直心配な気持ちもあったんですよ。でも、今はもうライブでの不安はなくなりましたし、2人が自分のキャラクターを前面に出してくれているおかげでukkaに新しい魅力が加わった気がします。

芹澤もあ

芹澤もあ

村星 成長の速度が早いですし、吸収力がすごいんですよ。パフォーマンス面において、こういうふうに歌いたい、ダンスはこう見せたいという考えがしっかりあって。「ukka、完成しました!」と胸を張って言えるくらいです。

 ukkaはパフォーマンスのスタイルや、お客さんへのアピールの仕方がメンバーによって違うんですよね。ukkaのことをこじんまりしたグループだと思っていたら、ライブを観てびっくり仰天しますよ、と言いたいです。ぶっ飛ぶよって。

──宮沢さんと若菜さんとしては、この1年間で自分たちにどんな変化が起きたと感じていますか?

宮沢 この1年間はお姉さん方の中に馴染めたのはもちろん、こはると仲よくなりました。

結城 おー! ホントによかった!

芹澤 もしかして新メンバーの2人って仲悪いんじゃないかな……?と思うことあったからね(笑)。

宮沢 ukkaに加入する前もスタプラ研究生として一緒に活動していたんですけど、ひと言もしゃべらないくらいだったんですよ(笑)。同じ世界にいないというか。

宮沢友

宮沢友

若菜 私は友ちゃんよりあとにスタプラ研究生に加入したし、友ちゃんのほうが長く芸能活動やってるから。

宮沢 でも、いつもそういうこと言うけど……。

結城 ヤバい! またケンカが始まる(笑)。

芹澤 こはるちゃんがやけに後輩ぶるんだよね(笑)。

宮沢 そう! 友のことが怖かったみたいによく言うんですよ。前まではホントに仲が悪くて……。

結城 仲が悪かったってはっきり言っちゃった(笑)。

宮沢 MBTIだと相性はいいんですけど、性格や考え方、歌や踊りのスタイルまで全部真逆で。話が噛み合わないし、言葉のキャッチボールができなかったんです。2人でしゃべっていたらすぐケンカが始まっちゃうから、お姉さん方を不安にさせていたと思います。でも、この1年間でホントに仲よくなりました!

芹澤 最近は安心して見ていられます。

若菜 昨日もレッスン場から2人で帰りました(笑)。それに、お姉さん方の考えも理解できるようになりました。

若菜こはる

若菜こはる

宮沢 グループ内で本音が話しやすくなったと思います。

芹澤 しっかり新メンバー2人の意見も聞きながら、みんなで話し合いをしています。

村星 加入順に関係なく、メンバー全員がちゃんと自分の意見が言える環境にしたいんですよ。そのほうがパフォーマンス力も向上すると思いますし。

──メンバー間の結束力が高まったようでよかったです。

宮沢 もうバッチリです!

──ukkaは桜エビ~ず時代から数えて今年で結成10周年になります。村星さんは1月に豊洲PITで行われた“楽曲大賞ライブ”で10年間の道のりを振り返り「乗り越えなければならないことのほうが多かったんじゃないかなと思います」と話していましたが、この10年間は苦労や挫折が多かったという印象ですか?(参照:ukka “楽曲大賞ライブ”でファン投票上位20曲を披露、大人びた新曲「TOUTOI」も)

村星 そうですね。この10年間で本当に語りきれないほどいろんなことがあって。もちろんうれしいこともありましたが、乗り越えていかなきゃいけないことのほうが多かったなと感じています。でも、この10年の中にいろんな壁があったからこそ、メンバー1人ひとりが、今後どうするべきか考える時間を多く持てました。そして、友とこはるが入ってきたあとの1年間は、新しいukkaとしての名刺を渡すというか、この7人を認めてもらわなくちゃいけないという思いでした。そんな中で迎えた1月の豊洲PITでのライブでは、先ほども話したようにukkaがやっと固まったという手応えがありました。なので、10年のキャリアがありつつも、ここからが本当のスタートだと思っています。

 私は、もう10年なんだっていう驚きがあります。時が経つスピードに怖さも感じますけど、私はグループの形がいろいろと変わっていっても、今やっていることが素晴らしくて最高だと思っているんですよ。そしてそれをパフォーマンスで証明していくことが一番大事で、10年を超えても挑戦することを恐れず、ukkaらしさを見せてつけていきたいです。楽曲大賞ライブでは人気投票の結果をもとに、ランキング形式でパフォーマンスを披露したんですけど、この素晴らしい楽曲を知らない人はホントに損してるなと思いました。もっともっと大勢の人にukkaを知っていただきたいという気持ちでいっぱいです。ukkaという名前になってもう5年近く経ちますが、改名したことを知らない人も意外とまだいるんですよね。4月から定期ワンマンライブが始まるので、昔のライブしか観たことがない人にもぜひ来ていただきたいです!

ukka

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公演情報

ukka定期ワンマンライブ

  • 2025年4月12日(土)神奈川県 SUPERNOVA KAWASAKI
  • 2025年5月10日(土)神奈川県 1000 CLUB
  • 2025年6月8日(日)東京都 Spotify O-WEST
  • 2025年7月19日(土)東京都 Veats Shibuya
  • 2025年9月14日(日)東京都 渋谷duo MUSIC EXCHANGE
  • 2025年10月18日(土)東京都 東京キネマ倶楽部
  • 2025年11月15日(土)東京都 新宿ReNY
  • 2025年12月6日(土)東京都 恵比寿ザ・ガーデンホール

プロフィール

ukka(ウッカ)

スターダストプロモーションの女性アイドルセクション・スタープラネットに所属するアイドルグループ。2015年に桜エビ~ずとして結成され、同年夏にアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」でお披露目された。2017年9月に1stシングル「わたしロマンス」、2018年3月に1stアルバム「sakuraebis」をライブ会場で発売。12カ月連続新曲リリース企画を経て、2019年8月に2ndアルバム「octave」を発表した。同年11月の1stコンサートをもってグループ名をukkaに改名し、2021年9月には新メンバーオーディション「Brand New ukka!~令和のシンデレラ誕生!?~」の合格者である結城りな、葵るりが加入。2022年11月にテイチクエンタテインメントよりミニアルバム「青春小節」をリリースしてメジャーデビューを果たした。2024年1月に東京・LIQUIDROOMで新メンバーの宮沢友と若菜こはるを迎えた新体制初のワンマンライブを開催。同年9月にコンセプトシングル「yummy!!」を発表した。さとうもかが提供した同シングルの収録曲「推≒恋」はSNSでの総再生数が1000万回を突破。2025年3月には最新シングル「T」をリリースした。