uijin|みんなと夢を叶えるのがアイドルだから

不完全燃焼の2018年夏

──夏に転んだというのは、夏フェスシーズンでのことですか?

ありぃ そうです。ありがたいことに「アイドル横丁夏祭り」「TOKYO IDOL FESTIVAL」「@JAM EXPO」の3大アイドルフェスに1年目から出させてもらっていたんですけど。

ひとちび 去年は2年目だから、さすがにここで何か残さないとって意気込んでいたんです。

やよい でも「@JAM EXPO 2018」ではメインステージ争奪戦(参照:「@JAM EXPO 2018」メインステージ争奪戦開催のお知らせ)に勝てなくて。夏フェスのメインステージは私たちの中でも結成当時からの1つの目標だったので、そのチャンスを与えてもらったのにメインステージに立てなかったのはめちゃくちゃ悔しかったです。メインステージの壁は高かった……。

ありぃ 爪痕という爪痕を残せなかったんですよね。不完全燃焼の夏でした。もちろん出演できるだけで本当にうれしいことだと思います。ただ、出演する以上は何かつかみ取る必要があると思うんですよね。フェスに限らず、普段出ているイベントからそうですけど。

左からありぃ、やよい。

──「TIF」はルールがやや厳しいので、ステージとフロアが一体になるuijinの持ち味を生かせないところもありそうですね。

ありぃ 2年目の「TIF」はツイてないこともあって……。最終日のSKY STAGEでは出番前にイベント運営スタッフから注意喚起のアナウンスというか演説みたいなものがあったんです。お客さんはそれまでルールを守って観てくれていたのに「お前らヤバイ奴らなんだろ?」みたいなニュアンスで説教されてしまって。

やよい 「マ?」って感じだったよね。

ありぃ お客さんに申し訳なかったです。あのとき何かを言う必要があったなとあの日からずっと後悔しています。足を運んで応援してくださってるファンのみんなを守ることができるのも僕たちだけなんだって。そういう覚悟というか思いは強くなりましたね。

りん 私もあのことがあってから、ステージに立つ演者としての覚悟のようなものは間違いなく強くなりました。

忘れられない「MAWA LOOP 2018」

──そんな挫折がありつつも10月の渋谷CLUB QUATTRO、11月の梅田CLUB QUATTROでのワンマンライブは見事にソールドアウトとなりました。集客を増やすために何かされたことはあるんですか?

やよい ちょうど2ndアルバム(「I'm happy to be who I am」)が出て、新曲もいっぱい増えて、興味を持ってくれる人が増えたというのはあるかも。

ありぃ このアルバムは少し特殊で、無料配布と配信のみのアルバムだったんですよ。タワレコさんとかで突然配布して。東阪クアトロワンマンでも入場者にアルバムの無料配布をしたんですよね。

ひとちび あと大阪の梅田CLUB QUATTROでワンマンライブをやる前に「MAWA LOOP 2018」というイベントがあって、そこではBIGCATでライブをやらせてもらって。そのライブがすごく盛り上がったんです。「コトノハエモーション」をO-WESTのワンマンで1回やったことがあるだけのバージョンでパフォーマンスしたり、私たちもめちゃくちゃ気合いが入っていました。

ありぃ 「MAWA LOOP」を観てきたっていう人がワンマンでも多かったよね。

やよい すごくたくさんの人が観に来てくれて。友達に「最近何してるの?」って聞かれて「MAWA LOOP」のライブ写真を見せたもん(笑)。

ありぃ すごかった。あのときは自分たちでもカッコいいなって思いました。

りん 忘れられないよね。

──梅田CLUB QUATTROを埋めるのはすごいと思いますが、uijinは関西でも人気なんですか?

やよい どうやらそうみたいです。お客さん来てくれるかなあって少し不安に思いながらも、デビューしてからほぼ月に1回は大阪遠征していたからファンが増えたのかも。とてもありがたいです。

──ライブのスタイルが関西の人に合う面もあるんですかね。

ありぃ そういう面もあるかもしれないですね。

りん 今年の2月からは大阪で定期公演も始めていて、関西の方にも長尺のライブを観てもらいやすくなったと思います。チケットが5分とかで完売しちゃうんですけど(笑)。でも6月の定期公演は会場が梅田CLUB QUATTROで、しかも1500円なのでこれはみんな来てほしいですし、東京のワンマンにも大阪のファンのみんなが来てくれたらいいなって思ってます!

埋まらなかったLIQUIDROOM

──夏の挫折から立ち直り、東阪クアトロを成功させて、今年3月には初のLIQUIDROOMでのワンマンライブ「dream for a living」が開催されました。すごく盛り上がっていていいライブだったと思うんですが、アンコールでありぃさんが「ソールドアウトできませんでした……」って急に謝り出してビックリしました(参照:uijinが初挑戦のリキッドで2時間超える熱演、夢を糧にさらなる高み目指すと宣言)。

ありぃ 僕のLIQUIDROOMへの執着が強くて……。アイドルを始めたときの夢がLIQUIDROOMでワンマンライブをやることだったんです。それを4年越しくらいに叶えることができたんですけど、いろんなアーティストさんのライブをLIQUIDROOMで観ていて、満員のフロアがどのような感じなのか知っていたんですよね。それでステージに出たときにこれは埋まってないって気付いてしまったし、アンコール前にやっぱりソールドアウトしてないことを教えてもらって。それをうやむやにできなかったんです。お客さんを戸惑わせて申し訳ないと思いつつも。

左からりん、ひとちび。

りん 幕が開いたときに埋まり切ってないのが見えちゃって……。ファンの人たちも全力で楽しんでくれていたし、私も本当に楽しかったしうれしかった。ただ、幕が開いたときに感じたあのちょっとネガディブな気持ちが忘れられなくて、それがめっちゃ悔しかったんです。

ひとちび 前回のワンマンライブと比べても内容はよかったですけど、だからこそ悔しくて。

やよい この結果で次に進んでいいのかなと。

ありぃ ソールドアウトという言葉は、お客さんと一緒に歩んでいるって意味があると思ってるんですよ。ソールドアウトしないで次の大きな場所へと進むことは、僕たちだけの「夢」になってしまう気がするんです。悪く言えば自己満足というか……。2年前のShibuya Milkywayのワンマンから今まで本当に多くのお客さんといろんな夢を見て叶えてきました。これからもLIQUIDROOMの先もみんなと一緒に夢を見ていたいんです。自分たちだけの夢ではなく、みんなと一緒に夢を見たい。そのためにも「ソールドアウト」させる。それをどうしても叶えて、みんなと先へ進んで行きたいんです。

───なるほど。ほかのアーティストだったら成功と考えて、次のステップに進むようなライブだったと思うんですよね。

ありぃ ファンの人も本気で応援してくれるからこそ誤魔化せないというか。

ひとちび 私たちバカなんだなと思います(笑)。

やよい でも、やるって決めた以上はやるしかないです。死に物狂いなのはいつもなんですが。

インタビュー中のuijin。

──ライブ後は皆さんどんなお気持ちだったんですか?

ありぃ 漠然とですが、「このままでいいのか?」みたいな自問自答はありましたね。

りん 応援してくれているみんなに申し訳なくて、悔しくて、でも悔しすぎると涙も出ないんだなって。

ありぃ とにかく今まで以上にどうにかしなければいけないという気持ちに駆られました。

やよい ライブが終わった数時間後にはもう一度LIQUIDROOMでワンマンライブをやることが決まったんです。

──1カ月で状況を変えるのってかなり難しいし、プレッシャーも半端ないですよね。

りん この強行スケジュールでワンマンをやることは、私たちにしかできないことだと思っています。だからこそパフォーマンスだけではなく、告知1つにしても今まで以上に真剣に向き合う必要があるのかなって思います。

やよい 前回のLIQUIDROOMに来てくれた人もきっとたくさん来てくれると思うんですよ。この前やったばっかりだし、みんなの記憶にも残ってると思う。だからこそ下手なものは見せられないなって。圧倒的にいいものを見せないといけない。いつも以上に「来てください」っていろんなところで言ってます。やっぱり自分の言ったことには責任は持ちたい。でも時間もない。本当に必死で、1日1日が過ぎていくのをとても早く感じます。プレッシャーはヤバイです。

ありぃ 最近は自分たちの状況とか心情を隠さずに伝えています。弱みは見せたくないんですけど、みんなの前に立つと「ここで終わりたくないからどうか……」って気持ちになってしまって。パフォーマンスにも出ているかもしれないですけど取り繕わなくなりましたね。これまでと一緒で、全力で挑み続けた先には必ず幸せな未来があるって信じてます。

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